シリーズ 消費税実施20年目の今を追う(5)
消費税増税を競い合う政党による政権選択では、増税はストップできない
【1】消費税の逆進性と貧困 【2】日本の消費税は5%でもすでに世界一の酷税 【3】日本の軍拡ささえる消費税
【4】 雇用を悪化させ、グローバル企業の繁栄を支えた消費税 【5】 消費税増税を競い合う政党による政権選択では、増税はストップできない  

【5】消費税増税を競い合う政党による政権選択では、増税はストップできない

 シリーズ5回目は、消費税をめぐってこの20年、政治、政党がどういう態度をとり、どう変わってきたかを振り返ります。
     
小沢氏暴露 5%アップの土俵をつくった細川政権
 消費税導入の4年後、93年の総選挙で「自民か非自民か」のキャンペーンが張られ、自民党が過半数割れして政権が交替し、細川政権が誕生しました。しかしこの下で行われたのは、小選挙区制導入など、自民党政権でも行えなかった改悪の数々。
 とくに、消費税をめぐっては、与党である新生党代表幹事だった小沢一郎氏(現民主党首)の強い後押しで、突然、深夜に細川首相が、消費税を「国民福祉税」に改称して七%にすることを発表しました。
 小沢氏は、当時のことを、「そのころは、消費税を引き上げるなんて話をしたら袋叩きになるような空気だった」「僕は以前から、『消費税の税率を上げる(10%)べき』と言っていた」「福祉目的税にする以外にないだろうとなった。社会党ともそう話していた」と雑誌で語っています。(『論座』05年10月号)。

村山「自・社・さ」政権で増税決定し橋本内閣が実施

 その後、細川首相の辞任、羽田内閣を経て、1994年6月に再び政権が交代し、「自・社・さ政権」の村山内閣が誕生。94年11月に「消費税増税法案」が強行され、その後の橋本内閣(自・社・さ)の96年6月の閣議で、引き上げの税率が「5%」と決定され、97年4月に5%アップに至りました。

今も将来も、キッパリ反対の政党・議員を
 現在、再び、総選挙に向けて「自民か民主か」の政権選択キャンペーンが繰り広げられていますが、私たち有権者はごまかされてはなりません。
 消費税20年の歩みを見れば、消費税増税を推進する政党が、いくら政権を競い合っても、消費税増税はストップできないし、ましてや国民の暮らしを守れないことは明らかです。
 今度の総選挙で、積年の消費税増税計画の息の根を止めるためには、政権選択.ではなく、「今も、そして将来にわたっても、キッパリと消費税増税に反対する」政党・議員を選ぶことが一番の力です。  
(つづく)