大企業の負担能力―消費税減税分賄う力十分ある

2025年6月16日
【赤旗】6月16日<主張>大企業の負担能力―消費税減税分賄う力十分ある
 都議選、参院選では物価高騰のもと消費税の減税が大争点です。日本共産党は、消費税は廃止を目指して緊急に5%に減税し、インボイス制度を廃止する、そのための財源は赤字国債に頼らず、大企業と富裕層への優遇税制を見直すことで賄うことを提案しています。
■利益に応じた税を
 自公政権は、毎年のように大企業の法人税減税を繰り返してきました。第2次安倍晋三政権発足前には「復興特別法人税」を含めて約28%だった法人税率は23・2%まで引き下げられています。これを第2次安倍政権以前の水準である28%に戻します。
 引き上げるのは大企業分だけで、中小企業分は上げません。国税の法人税は、企業の利益分にかかるので、負担が難しい赤字法人にはかかりません。
 大企業には、消費税減税の財源とするにふさわしい税の負担能力があります。
 国内上場企業の2025年3月期の純利益は4年連続で過去最高を更新しています。
 この11年間で大企業の税引き前利益は29兆円から77兆円に2・6倍も増えています。ところが、優遇税制と減税で法人3税(法人税、法人事業税、法人住民税)は9兆円から15兆円に1・6倍にとどまっています。
 その結果、企業の利益を積み上げたものである内部留保は、334兆円から539兆円へと空前の規模に達しています。大企業に利益にふさわしい法人税を払ってもらいましょう。
 大企業優遇税制は、法人税の実質負担率が大企業になるほど低いという不公平も生んでいます。資本金1億円から5億円の中堅企業は20・6%、小規模企業が18・5%なのに大企業は10%と半分しか負担していません。研究開発減税などさまざまな優遇税制のおかげで、大企業の負担が軽くなっています。
■成果あげなかった
 法人税を上げたら景気が悪くなると心配する人もいるでしょう。
 しかし、この間の法人税減税は大企業のカネ余りを進めただけで、賃上げにも設備投資にも回らず、実質賃金は下がり続け消費が落ち込み、経済停滞の「空白の30年」をもたらしただけでした。
 自民党と公明党の「2025年度税制改正大綱」でさえ、法人税率の引き下げについて「収益が拡大したにもかかわらず、現預金が積み上がり続けた」とのべ、賃上げも「長年低迷してきた」として、「法人税改革は意図した成果を上げてこなかった」と認めています。
 日本共産党は、大企業に過度の負担を求めているのではありません。いま必要なのは、効果のない政策を切り替え、消費税減税で消費を活性化して景気を温めることです。
 大企業優遇税制を改めるには、財界優先という自民党政治の根本のゆがみに切り込めるかどうかが問われます。
 消費税減税のために社会保障費を削減する政党や財源を赤字国債に頼る政党ではダメです。
 都議選、参院選で確かな財源を示す日本共産党を大きく伸ばしてください。