巨額の不当利益大手電力が市場独占―JERA電力価格つり上げ

2025年2月13日
【赤旗日曜版】2月9日 巨額の不当利益大手電力が市場独占―JERA電力価格つり上げ
 国内最大の発電会社JERA (東京電力グループと中部電力の折半出資)が、意図的に電力価格をつり上げ、最大で1日1億円を超す不当な利益を得ていたことが、日本共産党の岩渕友参院議員の電力・ガス取引監視等委員会(電取委)への聞き取りで、初めて明らかになりました。日々の暮らし、経済活動を支える不可欠の公共インフラを担う事業者としての資格が問われる重大問題です。
 同社は、設立当初の2019年4月から23年10月までの4年半にもわたり、発電事業者と電力の小売会社が売買取引を行う卸電力市場で、市場支配力を背景として電力を供給する余力があり、取引相場を変動させる認識を持ちながら、売り惜しみによる相場操縦を行っていたと電取委が判断。昨年11月、同社に対し業務改善勧告を行い、改善措置と計画の報告を求めました。同社の売り惜しみによる供給電力量の減少により市場で電力(約定)価格が髙騰し、少なくとも影響が大きかった3日間で買い手の小売会社に40億円以上を不必要に支払わせていたことがわかっています。同社による相場操縦は、適正な電力価格の形成を妨げ、競争力の弱い新電力の電カ調達を困難にさせるもので、電力市場を根幹から揺るがす深刻な問題です。
 東日本大震災、東京電カ福島第1原発事故を契機に「危険な原発や石炭火発による電気は使いたくない」との全国の声に押されて開始された「電カ小売り全面自由化」(16年)は、需要家の選択肢の拡大、電気料金の最大限の抑制を目的としていました。政府は、東京、関西など十大電力会社の地域独占を解消する 
「大改革」を行うとしていました。しかし、発電能力の約8割を所有している大手電力が圧倒的な市場支配力を有する寡占状態がいまだに解消されていません。そのもとで、顧客情報の不正閲覧、事業者向け電気販売をめぐるカルテルなど数々の不正行為が発覚しています。一方、新電力は21年からの3年間で2割弱が倒産、事業撤退に追い込まれています。
 欧米では、電力市場を監視する機関は刑事罰や罰金を科す強い権限を有し、EU (欧州連合)では相場操縦をした違反者に数十億円の罰金を科した例もあります。
 JERAは昨年12月に提出した報告書で「利益を享受する目的で相場操縦する意図は無かった」と主張。電取委は報告書が不十分だとして、同社に対し3月末までに追加報告を出すよう要請していますが、権限が弱いため、JERAの不当利益に対し返還命令、業務停止命令や罰金、罰則を科すこともできません。 
 公正で透明な電力市場の確立は急務です。電取委を公正取引委員会と同様の強い権限を持つ独立した規制機関にするとともに、大手電力の発電部門と販売部門の完全分離、大手電力からの送配電子会社の所有権分離など、独占の規制は不可欠です。
       安部由美子(あべ・ゆみこ日本共産党国会議員団事務局)