国民生活犠牲に大軍拡―軍拡財源法案を自公強行(「赤旗」5月20日)、財務相答弁 いいかげん―軍拡財源法案(「赤旗」5月20日)
2023年5月21日
【赤旗】5月20日 国民生活犠牲に大軍拡―軍拡財源法案を自公強行
5年間で43兆円もの大軍拡のために「防衛力強化資金」を創設する軍拡財源法案が19日の衆院財務金融委員会で、自民、公明などの賛成多数で可決しました。日本共産党、立民は反対しました。
維新、国民両党は法案には反対しましたが、共産党と立民が連携した塚田一郎衆院財務金融委員長解任決議案に「昭和の戦術」との悪罵を浴びせ、鈴木俊一財務相不信任案にも反対。与党の採決日程の提案に賛成するなど与党の強行に手を貸しました。
日本共産党の田村貴昭議員は討論で「憲法違反の大軍拡を進める法案の採決は許されない」と強調し、敵基地攻撃能力の保有は、憲法9条はおろか専守防衛さえ投げ捨てるものだと指摘。集団的自衛権の行使として敵基地攻撃能力の使用も可能とするのは、「憲法上絶対に許されない海外での武力行使そのものだ」と批判しました。
田村氏は「軍事優先の予算が国民生活の予算を犠牲にし、国債発行と国民負担の大軍拡を招く」として、国立病院機構と地域医療機能推進機構(JCHO)の積立金を軍事費に回す同法案を批判し、「病院施設の改修や職員の待遇改善にこそ使ってほしい」と強調。東日本大震災の復興財源の軍事費への転用に関し、被災者から批判の声が上がっているのに、地方公聴会を開催しないのは、「被災者を愚弄(ぐろう)するものだ」と述べました。
【赤旗】5月20日 財務相答弁 いいかげん―軍拡財源法案 田村貴昭氏が追及
日本共産党の田村貴昭議員は19日の衆院財務金融委員会で、大軍拡のために「防衛力強化資金」を創設する軍拡財源法案について、さまざまな疑義に対してまともに答弁をしない鈴木俊一財務相を追及しました。
田村氏は、軍事費に回される決算剰余金の元は新型コロナ対策などの予備費で、その財源は赤字国債だと指摘。「結局、赤字国債を軍事費に注ぎ込むことになる」と迫りましたが、鈴木財務相は「一概に国債が原資と評価するのは適当でない」と述べ、「(国債を)防衛力の財源と位置付けることは困難」とした自身の答弁と矛盾する態度に終始しました。
また田村氏は、政府が、医療や年金に回すべき積立金や、東日本大震災の復興特別所得税を軍拡財源に回し、「歳出改革」を狙っているとして、「行き着く先は国民負担増、大増税であるのは明らかだ」と追及。イージス・システム搭載艦についても、艦船の規模や建造費用も何も決まっておらず、搭載予定の極超音速滑空兵器の迎撃システムは開発中だと指摘し、「肝心の中身がはっきりしない」と追及。鈴木財務相は「今後の予算編成の過程で精査する」と述べるのみでした。
田村氏は「精査もしておらず、いいかげんだ。聞いたことに答えていない」とさらに追及。塚田一郎委員長が「理事会申し合わせの時間だ」と審議を打ち切ろうとしたのに対し、田村氏は「私は質疑打ち切り、採決に同意していない」と主張し、質疑を続けました。これに塚田委員長は、「質疑を終局します」と宣告し、採決を強行しました。