草の根の対話で5%減税を―消費税なくす会が総会(10月8日「赤旗」)、異常円安の容認―物価高の苦しみ分からないか(10月6日「赤旗」)

2022年10月9日
【赤旗】10月8日 草の根の対話で5%減税を―消費税なくす会が総会
 消費税をなくす全国の会は7日、第33回総会をオンライン併用で東京都内で開きました。草の根の対話を広げ、消費税5%実現・廃止、インボイス(適格請求書)の中止を呼びかけるアピール「国民のみなさんへの呼びかけ」を採択しました。
 報告した前沢淑子事務局長は、コロナ禍、ロシアのウクライナ侵略、物価高での参院選で、新パンフ3万部を活用し「5%減税・廃止を」「インボイス中止」と宣伝し、争点にしたと強調。自公以外の消費税減税を主張する政党の得票数が2021年衆院選を上回ったと指摘しました。
 来年の統一地方選に向け、1987年の売上税(現在の消費税)を断念させた統一地方選に学んで消費税減税・インボイス中止を各候補の公約にさせようと呼びかけました。
 消費税廃止各界連絡会を代表し、全国保険医団体連合会の名嘉圭太事務局長は「消費税減税・賃金引き上げ・社会保障拡充の取り組みをみなさんと一緒に進めたい」と連帯あいさつしました。
 討論では「宣伝署名行動には毎回20人以上集まり、8、9人が訴えている。憲法9条を守る六郷の会の宣伝にもみんなで参加。私たちの街には草の根の運動が根づいている」(東京・六郷の会)、「生きていくだけで取られる消費税を撤廃させたいと6月発足の会に参加した」(福島・須賀川の会)などの発言がありました。
 日本共産党の大門実紀史前参院議員が講演しました。
 新しい世話人と常任世話人を選出し、前沢事務局長を再任しました。

【赤旗】10月6日<主張>異常円安の容認―物価高の苦しみ分からないか
 岸田文雄首相は3日の所信表明演説で「円安のメリット(利点)」を生かした政策対応をとると述べて異常な円安を容認しました。物価高騰による国民の苦しみを「聞く姿勢」がありません。物価高の要因となっている円安を加速させているのは、アベノミクスの主要政策である「異次元の金融緩和」です。首相は演説の中で異次元緩和に一言も触れませんでした。物価高の原因を直視した対策こそ政治の役割です。
◆具体策示せない岸田政権
 首相は「円安のメリット」を生かす政策として外国人旅行者の受け入れ拡大や、日本企業の国内回帰などを挙げました。こうした政策をとっても、物価高の被害を受ける中小企業と国民を救うことになりません。
 8月の消費者物価は、消費税増税の影響があった月を除けば30年11カ月ぶりの大幅上昇です。2022年度の家計負担が年間8万円以上増えるとの試算も民間シンクタンクで出されています。
 今の物価高騰はコロナ危機、ロシアによるウクライナ侵略といった世界的要因とともに、異次元緩和が進めてきた円安政策に大本があります。政府の「物価・賃金・生活総合対策本部」に内閣府が提出した資料は、円安の影響が7月時点で物価上昇要因の5割程度を占めていると指摘しています。
 この資料は、大企業が円安の為替差益で利益を確保し、経常利益が過去最高になる一方、中小企業が原材料高で減益になっていると説明しています。恩恵を受けているのは輸出や海外事業でもうける一部の大企業です。内需を中心とする大多数の企業にとって円安は利益を圧迫する要因です。
 民間信用調査会社、帝国データバンクが集計している「物価高倒産」は今年初めから8月末まで累計150件に上り、すでに年間の過去最多を更新しました。
 岸田政権は円安に打つ手なしの状態です。9月22日に外国為替市場で円買い・ドル売りの介入を行いました。円相場は一時上昇したものの、すぐに元の水準に戻ってしまいました。異次元緩和を見直さず、1回だけの為替介入で円安を是正できるわけがありません。
 円安はアベノミクスによってつくりだされました。安倍晋三氏は第2次政権に就く前から「輪転機をグルグル回して無制限にお札を刷る」「建設国債を日銀に全部買ってもらう」と金融政策のルールを踏みにじる発言を繰り返し、首相就任後、日銀に政府と共同声明を結ばせて異次元緩和に乗り出しました。今も続くこの政策が破綻していることを岸田首相は直視しなければなりません。
◆賃金上がる構造に転換を
 賃金が上がらず物価だけが上がることに国民は困窮を深めています。長期にわたって賃金が上がらない状態から抜け出す必要があります。首相は「構造的賃上げ」を言いながら、具体策を示しません。低賃金の非正規雇用ばかりを増やした労働法制の規制緩和をただし、「正社員が当たり前」の社会にすることが重要です。中小企業への抜本的支援と一体に、最低賃金を全国一律1500円以上に引き上げなければなりません。
 物価全体を引き下げるには消費税減税が最も効果的です。岸田政権はかたくなに拒む姿勢を改めるべきです。