生活保護基準下げ許さない

2018年9月16日

【赤旗】9月15日 生活保護基準下げ許さない―1万人審査請求呼びかけ―利用者ら安倍政権の姿勢批判
 安倍政権が10月から段階的に生活保護基準を最大5%引き下げることを決定した問題で、保護利用者や貧困問題に取り組む団体は14日、厚生労働省で記者会見し、全国の生活保護利用者に「1万人の審査請求運動」を呼びかけました。
 審査請求は、行政の決定に不服がある場合に行う権利です。2013年の生活保護基準の大幅引き下げ時にも呼びかけ、2カ月間で1万人が応じました。全ての審査請求が棄却され、現在全国で「いのちのとりで裁判」をたたかっています。
 生活保護問題対策全国会議代表幹事の尾藤廣喜弁護士は、最貧困層の水準に合わせ生活保護基準を引き下げることが大問題だと指摘。「生活保護基準は年金や最低賃金、就学援助の基準などに関連している」と述べ、安倍政権の最低生活保障引き下げの姿勢を批判しました。
 全国生活と健康を守る会連合会(全生連)の安形義弘会長は「国民全体の貧困を考える運動として取り組みたい。保護利用者の生活実態を知ってほしい」と語りました。
 生活保護を利用する東京都の男性(49)は自身を「室内ホームレス」と表現。エアコンはあっても使用せず、ガス代節約のために洗面器に水をためて体を洗うといいます。食事は1日に1食か2食。「お金を使わないよう、食べて寝て近所を散歩するしかできない。人付き合いも婚活もできない。こんな生活なのにさらに引き下げるのはおかしい」と怒りを込めました。
 10月からの生活保護基準引き下げ 安倍政権は10月から2020年10月まで段階的に、生活扶助費を最大5%引き下げることを決定しました。削減総額は年間210億円(国費分は160億円)で、削減対象は生活保護利用世帯の7割近くに及びます。一人親家庭の母子加算や児童養育加算など、加算の多くが引き下げられ、子どもが多い世帯ほど削減幅は大きくなります。

【赤旗】9月8日 過去最高102・8兆円―19年度概算要求 増税対策「兆」単位も
 財務省は7日、2019年度予算編成に向けて各府省が提出した概算要求の一般会計総額が、過去最高の102兆7658億円になったと発表しました。安倍晋三政権が同年10月に狙う消費税増税に備えた景気対策を概算要求と別枠で検討するため、実際の要求額がさらに膨らむのは確実です。
 概算要求総額が100兆円を超えるのは5年連続で、これまでの最高は16年度の102兆4099億円。16年度は財務省による査定の結果、当初予算の段階で96兆7218億円まで絞り込みました。19年度は消費税増税対策の規模が兆円単位に達する可能性があります。例年並みに圧縮しても当初予算として初めて100兆円を突破する公算が大きいとみられます。
 各省の要求額をみると、厚生労働省が31兆8956億円、北朝鮮問題を口実に防衛省が5兆2986億円といずれも過去最高を更新し、全体を押し上げました。
 “目玉”とする「働き方改革」など「優先課題推進枠」にも4兆3000億円を上回る要求が集まりました。
 19年度の財政投融資計画の要求額は前年度当初計画比12・9%減の12兆5973億円。要求額は過去20年間で最低の水準に下がりました。