消費税14%、24年度までに―経済同友会の小林氏

2018年5月5日

 【共同通信(KYODO)】4月30日 消費税14%、24年度までに―経済同友会の小林氏、財政再建で
 経済同友会の小林喜光代表幹事は30日までに共同通信などのインタビューに応じた。財政再建について、来年10月に予定する10%への消費税増税や歳出削減だけでは「焼け石に水だ」と指摘。「基礎的財政収支を2024年度までに黒字化するには消費税を14%に引き上げないといけない」と強調した。
 基礎的財政収支は、政策経費を借金に頼らず、税収などの基本的な収入で賄えているかを示す指標。国と地方を合わせた収支で1990年代から赤字が続く。
 小林氏は、団塊の世代が75歳以上になる2024年度前後をにらみ、増加する社会保障費に対応するためにも増税が必要とした。

【神奈川新聞(カナロコ)】5月1日 落語で弁護士が憲法語る 藤沢
 5月3日の憲法記念日を前に、弁護士が憲法を落語で語る講演会「目からうろこの憲法噺(ばなし)」が30日、藤沢市鵠沼東の藤沢市民会館で開かれた。伝統的な話芸による日本国憲法の解説に、330人超の参加者は熱心に聞き入った。「ふじさわ・九条の会」主催。
 落語を披露したのは、弁護士の飯田美弥子さん。ハンセン病国賠訴訟や再審布川事件の弁護団などを務めた。2013年5月以降、憲法を分かりやすく伝えようと、芸名「八法亭みややっこ」として全国各地で講演している。
 この日は、日本国憲法の理念は13条「すべて国民は、個人として尊重される」に集約されていると紹介。「誰でも好きなように生きていいんだよ、と言っている。何を幸せと思うかは人によって違うし、それを最大限追求することを憲法は保障してくれている」と語った。
 その上で、12年の自民党憲法改正草案は「国家のために国民がいるという発想になっている」と問題視。13条の「個人」が「人」に置き換えられている点を指摘し、「国家が考える人から外れた人は、権利を剥奪しても良いと思っている節があるのでは」と批判した。
 安倍晋三政権下で憲法改正論議が進められる中、飯田さんは、無知や無関心でいることなく声を上げ続けることの大切さを訴えた。

【トウシンワン】5月1日 ビットコインには棚からぼたもち? 日銀の物価目標達成時期削除の波紋―日銀とベネズエラの”共通の悩み”から考える
 日銀が物価目標の達成時期を削除したことが波紋を呼んでいます。大人になりたくないと言って駄々をこねていたピーターパンもようやく夢から覚めようとしていることをうかがわせているからです。
 日銀が現実に目を向け始めたことをきっかけとして、物価と通貨価値との関係に改めてスポットライトが当たる可能性があり、ビットコインには棚からぼたもちとなるかもしれません。
夢から覚めたピーターパン、総裁再任で先送りを断念?
 日銀は4月27日に公表した展望リポートで、これまで明示してきた2%の物価目標の達成時期の削除に踏み切りました。
 これまでの流れを簡単に確認すると、日銀の物価目標に対するスタンスは次のような変遷をたどっています。
  2013年 3月 黒田総裁が就任会見で2年で2%の物価目標の実現を目指すと宣言
  2013年 4月 目標の達成時期を2014年度(2015年3月)と明記
  2015年 4月 2016年度前半(2016年9月)に先送り(1回目)
  2015年10月 2016年度後半(2017年3月)に先送り(2回目)
  2016年 1月 2017年度前半(2017年9月)に先送り(3回目)
  2016年 4月 2017年度中(2018年3月)に先送り(4回目)
  2016年11月 2018年度ごろ(2019年3月)に先送り(5回目)
  2017年 7月 2019年度ごろ(2020年3月)に先送り(6回目)
  2018年 4月 目標時期を削除
 目標達成時期の削除に至った背景には黒田総裁が再任されたことが影響しているようです。
 黒田総裁は2年で2%の目標達成に失敗した2015年6月、「飛べるかどうかを疑った瞬間に永遠に飛べなくなってしまう」とピーターパンの一節を引用し、大切なのは「確信」を持つことだと説いています。
 ただし、日銀が国債を大量に購入さえすれば物価は簡単に上げることができるというのは夢物語であることが時間の経過とともに浮き彫りとなり、当初は2年であった目標達成時期が次々と延期され、ついには5年の総裁任期が終了してしまいました。
 黒田総裁は今年3月に再任され、任期はあと5年延長されていますが、すでに6回も先送りされていますので、「日銀には物価目標を達成する意思も能力もないのではないか」と疑われても仕方のないところです。
 夢をあきらめないことも大切ではありますが、2年の予定が5年を費やしてもできなかったわけですから、そろそろ現実に目を向ける必要があると考えるのは自然な流れともいえそうです。
 4月からは新副総裁も加わり、黒田丸の新たな船出となったことを契機に、既に形骸化していた達成時期はお役御免となったようです。