研究開発減税 トヨタ4000億円超

2018年3月3日

【赤旗】2月18日研究開発減税 トヨタ4000億円超 過去4年 16年度は大企業が9割
 安倍晋三政権が発足して以降、トヨタ自動車にたいする研究開発減税は、4年間で4000億円を超えることが17日までにわかりました。政府が国会に提出した報告書(租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書)から推定したものです。
 報告書によると、2016年度の研究開発減税は総額5926億円でした。うち89・5%に当たる5301億円が大企業(資本金10億円以上の企業および連結納税グループ企業)に適用されています。
 報告書で政府は各措置の減税額上位企業について、企業名を非公表にしています。一方、上位10社については個々の企業への減税額を公表。16年度に研究開発減税額が最も多かった企業は841億円でした。企業の収益状況からトヨタ自動車だと判断されます。
 以下、2位は日産自動車、3位はSUBARU(スバル)とみられ、自動車大手が上位を独占する結果となりました。
 報告書によると、トヨタ自動車は13年度1201億円、14年度1084億円、15年度940億円の研究開発減税を受けており、4年間で計4066億円にのぼります。減税額が減っているのは、度重なる法人税の引き下げなどで納める法人税額そのものが減少しているためとみられます。同社は16年度に研究開発減税のほか賃上げ減税で116億円、投資減税で6億円の減税を受けています。

【友の会だより】千葉健生病院友の会 18年2月20日号 40年も国民をだまし続けた消費税―税理士・岡澤利昭
 消費税の国民だましの歴史は長く、昭和53年の大平内閣が閣議決定した「一般消費税」(翌年には撤回)、昭和62年には「税は羊の毛を刈り取るように」「小きく生んで人きく育てる」などのたとえで、当時の中曽根内閣が「売上税」という名称で国会に提出。しかし、国民の強い反対に押され廃案となっています。ところが、翌年、今度は「消費税」の名称で竹下内閣が成立させ、3%の税率で平成元年スタートし、その後、5%8%と段々大きくなってきました。
 安倍内閣・財務省と財界の思惑通り来年10月にも10%の消費税が実施されることになれば、税収構造上も法人税・所得税を越えていよいよトップに踊りだす、まさに40年も国民をだまし続けながら「大きく育った」消費税になろうとしています。10%を越えると、あとは税収が足りなくなれば「打ち出のこづちの消費税」という流れが容易に想像できます。
消費税は庶民の生活を直撃する悪税
 40年もかかってきた最大の理由は、「税金は儲けたところからがっちりいただく」という税金の人原則を外し、「庶民から薄く広く取り上げる」庶民の生活直撃の税金だからです。
 もっとも、消費税率が5%から8%に引き上げられた以降は、財務省のホームベージから消費税の説明に関して「薄く・広く」から「広く」だけとなり、財務省自身も認めるように消費税が国民にとって重い税金であることを認めているのです。
 安倍内閣は消費税を増税する一方、法人税率を下げていますが、その結果大企業の儲かって使いきれない内部留保は史上最高額を更新し続けています。また、アベノミクスで株価だけは上がり続けていますが、平成15年から26年までの11年間株式配当や売買益に対する税金は、住民税も含めてわずか10%の低税率を続けてきたことが所得格差の大きな要因にもなっています。
 消費税が8%になった年から株式配当や売買益に対する税金がようやく20%の税率になりましたが、かつての35%に比べればまだまだ低すぎるといわざるを得ません。税金は富めるものから取る原則に亡ち返るべきです。
消費税「使途の見直し」でなく増税の中止を
 安倍内閣は、今年の年頭の記者会見で、消費税増税の実施を前提に、1000兆円を超えた国の借金の返済を見直し、子育て支援や現役世代の社会保障に力を入れるなど「増税による税金の使い方を変える」としています。またしても、消費税増税批判に対するだましの.手といえます。
「税金は政治そのもの」です。「誰から税金を集め、誰のために使うのか」が問われます。庶民にとって「最悪の税金」消費税ではなく、大企業や富裕層から応分の負担をしてもらうことこそ、格差拡大と消費不況を改善する道といえます。

【共同】3月3日 森友問題、千人が抗議活動―国税庁前で長官罷免求める
 森友学園問題の真相解明や、学園への土地払い下げを巡る過去の国会答弁が批判されている国税庁の佐川宣寿長官の罷免を求め、市民団体の呼び掛けで集まった約千人が3日、東京・霞が関の国税庁前や銀座周辺で抗議活動をした。
 主催したのは「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」で、同様の活動は確定申告が始まった先月16日に続き2回目。
 同会発起人の醍醐聡東大名誉教授(会計学)は、財務省が作成した決裁文書が書き換えられた疑いがあるとの朝日新聞報道に触れ「佐川氏一人の問題ではない。財務省全体組織ぐるみの犯罪行為だ」と訴えた。

【琉球新報】3月3日〈社説〉普天間小上空飛行 即時運用停止しかない
米軍機が沖縄上空で飛行する資格はない。
 宜野湾市普天間の市立普天間小学校上空を2月28日午後5時から5時半にかけて、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが飛行した。小学校上空を飛ぶのは、この2カ月間で3回目である。県民の生命・財産を守るため、県議会が決議したように普天間飛行場を即時運用停止するしかない。
 昨年12月13日に普天間第二小学校で起きた普天間所属のCH53E大型輸送ヘリコプターによる7・7キロの窓落下事故を受け、防衛省と在日米軍は宜野湾市内の学校施設上空の飛行を「最大限可能な限り避ける」ことで合意した。防衛省は合意により「米軍の行動は担保される」と強調していたはずだ。
 だが、今年1月18日に普天間所属の海兵隊ヘリ3機が同校上空を飛行した。合意破りに対し、県教育委員会は、県内の全小中高校や特別支援学校上空の飛行禁止を米軍に求めるよう、沖縄防衛局に対し要請した。
 だが、要請を無視するかのように、2月23日に米海軍ヘリMH60が同校の上空を飛行。その5日後に普天間小上空を飛行した。運動場で野球をしている児童の上を飛ぶオスプレイの動画が証拠だ。
 児童の生命が危険にさらされているにもかかわらず、沖縄防衛局は「SNSなど、当局で確認できない情報を基に米側に確認することは考えていない」と回答した。全く理解できない。
 日米合意がいとも簡単に破られるのは、日本政府が弱腰だからだ。防衛局は何のために沖縄に設置されているのか。
 防衛局が「当局で確認できない」と開き直るのなら、国の責任で普天間第二小同様に、県内の全小中高校と特別支援学校、幼稚園、保育所、病院に監視カメラを設置し、監視員を配置すべきだ。
 県基地対策課のまとめによると、県内で米軍機による部品落下、不時着などの事故の件数は2017年中で29件に上った。
 事故はほとんどの機種で発生している。オスプレイをはじめAH1Z攻撃ヘリ、CH53大型輸送ヘリ、E3空中早期警戒機、F15戦闘機、F35ステルス戦闘機、KC135空中給油機、P3C哨戒機、U2偵察機、MC130特殊作戦機だ。これらの機種が沖縄の上空を自由に飛び回っている。
 米軍が大規模に駐留するドイツやイタリアでは米国との協定で、受け入れ国側が米軍基地の管理権を確保し、その国の法律を米軍の活動に適用するなど、自国の主権を担保する仕組みがある。
 日本も米国と主体的に交渉すべきだ。米軍機に自由度の高い飛行を認めている航空特例法を改正し、航空法第6章を米軍にも適用するよう求める。児童が安心して学ぶ環境を保障する責任が政府にある