実収入は、1995年をピークに一貫して低下傾向

2018年2月10日

【労働総研クォータリー】№108号 「生活破壊」危機の進行と打開の課題(金澤誠一) から一部抜粋
「(国民・労働者世帯の)実収入は、1995年をピーク(実際のピークは1997年である)に2010年まで低下傾向を示し、それ以降はほぼ横ばいとなっている」「実収入総額では1995年の100から2010年の912まで、9.8ポイント低下している」「実収入の内訳をみると、世帯主収入は、1995年を100として、2015年の88.3まで、11.7ポイントの低下を示し(ている)」

【赤旗】1月18日《主張》消費税法 強行30年 10%への引き上げは許さない
 安倍晋三政権が消費税率の8%から10%への引き上げを来年2019年10月から強行することを公言し、「リーマン・ショック」級の経済変動でも起きない限り、1年前になる今年秋までに予定通りの実施を決定しようとしています。安倍政権がしきりに景気の「回復」を宣伝するのもその準備の表れです。消費税は30年前の1988年に導入が決まり、89年4月からまず3%で実施されました。その後5%から8%へと、増税を繰り返しており、導入強行から30年を2けたの税率を決める年にすることは絶対に許されません。10%への増税は中止すべきです。
▶税のゆがみ深刻化させた
 税金は直接税が中心で、負担能力に応じた応能的なものにすべきだという戦後税制の大原則を踏みにじって、大型の間接税を導入しようという策動は、自民党の長期政権のもと、60年代から繰り返されてきました。79年には当時の大平正芳政権が税率5%の「一般消費税」を導入しようとしますが、総選挙で自民党が敗れ、中止に追い込まれました。その次の中曽根康弘政権は「大型間接税は導入しない」と国民をだましながら、「新型」の間接税だと87年に5%の「売上税」導入を持ち出してきましたが、国民の反発でこれも実現しません。その後、88年に竹下登政権が税率3%の「消費税」導入を決定しようとした際にも国民が猛反対し、それを押し切って、年末の国会で自民党が強行採決し、成立させたというのが経過です。
 消費税は翌89年4月から実施され、97年には橋本龍太郎政権によって税率を5%に引き上げ、2014年には政権に復帰した安倍首相によって8%に引き上げられました。当初15年10月には10%に引き上げることも狙いましたが、経済の悪化で再三延期され、今は19年からの実施を狙っています。
 大型間接税の導入にあたって自民党などは「広く薄く課税する」「社会保障の安定した財源だ」などと言いましたが、原則としてあらゆる商品やサービスに課税される税が低所得者ほど負担の重い逆進的な税金なのは明らかで、社会保障を賄う財源としてこれほどふさわしくないものはありません。
 しかも、自民党などは直接税と間接税の比率を「是正する」と言って消費税を押し付ける一方、法人税や所得税については大企業や大資産家に有利なよう減税を繰り返したため、消費税による税収のほとんどはその穴埋めに回り、財政再建にも役立ちません。消費税の導入当時50%を超え、安倍政権発足時にも37%だった国税と地方税とを合わせた法人の実効税率は、今では30%を下回っています。特に安倍政権になってからは短期間で連続的な大企業減税が行われ、減税額は4兆円を超します。税制のゆがみの拡大は深刻です。
▶暮らしも経済も破壊する
 消費税の押し付けは国民の暮らしも経済も破壊します。安倍政権になって8%に引き上げられてからほとんどの月で家計の消費支出が前年を下回っており、経済の低迷を長引かせています。深刻な消費不況が続く中で10%への大増税が強行されれば、暮らしも経済もどん底に突き落とされます。
 消費税が10%になれば1万円の商品で1000円の負担です。強行から30年の今年を、10%増税中止の年にすることが重要です。

【琉球新報】2月10日<社説>オスプレイ機体一部落下 全機種飛行停止求める
 今度は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの機体の一部を落とした。2カ月前に、CH53E大型輸送ヘリコプターの窓が普天間第二小学校の運動場に落下したばかりだ。
 米軍に安全管理、再発防止ができない以上、オスプレイを含む在沖米軍基地の全機種の即時飛行停止と訓練の中止を強く求める。
 落下したのはオスプレイの右側エンジンにある空気取り入れ口。うるま市伊計島の西側の大泊ビーチ近くの海上に浮いているのをビーチの従業員が見つけ、砂浜に引き上げた。縦70センチ、横100センチ、幅65センチ、重さ約13キロで半円形をしている。
 沖縄防衛局は、部品を落下させた機体が8日午前に米軍普天間飛行場へ着陸したのを確認している。米軍は落下を1日以上、沖縄防衛局に連絡していなかった。その理由を明らかにすべきだ。
 発見場所はビーチの近くであり、夏のシーズン中なら重大事故につながりかねない。米軍は伊計島では今年1月、普天間所属のUH1多用途ヘリが島の東側海岸に不時着したばかりだ。
 航空法第6章は、飛行記録装置の設置、夜間の灯火、物の投下の禁止などを定めているが、米軍は航空特例法で第6章が原則として適用されない。命にかかわる問題なのにもかかわらず、二重基準が存在するのはおかしい。
 石井啓一国交相は1月30日、衆院予算委員会で米軍機に自由度の高い飛行を認めている航空特例法を改正し、航空法第6章を米軍にも適用するよう求められ「日米地位協定に基づいて活動が認められている」などと繰り返し、拒否する姿勢を示した。
 これで主権国家と言えるだろうか。米軍が大規模に駐留するドイツやイタリアでは米国との協定で、受け入れ国側が米軍基地の管理権を確保し、その国の法律を米軍の活動に適用するなど、自国の主権を担保する仕組みがある。日本はなぜできないのか。政府は、県民の生命と財産を守るために、米国と主体的に交渉すべきだ。
 県基地対策課のまとめによると、県内で米軍機による部品落下、不時着などの事故の件数は2017年中で29件に上った。
 事故はほとんどの機種で発生している。オスプレイをはじめAH1Z攻撃ヘリ、CH53大型輸送ヘリ、E3空中早期警戒機、F15戦闘機、F35ステルス戦闘機、KC135空中給油機、P3C哨戒機、U2偵察機、MC130特殊作戦機だ。枚挙にいとまがない。全機種の飛行停止を求めるのは当然だ。
 事故が起きるたびに県などの訓練中止要請などに米軍は耳を貸さず、事故を起こした同型機を含めた訓練を続け、事故を繰り返す。狭い沖縄の上空で訓練を続ける限り事故はなくならない。県民の安全を脅かす海兵隊は撤退するしかない。