来年度税制「改正」―失政のツケ増税に転嫁するな
【しんぶん赤旗】11月22日<主張>来年度税制「改正」―失政のツケ増税に転嫁するな
年末に向け、来年度(2018年度)の税制「改正」の検討が始まります。政府の税制調査会は20日これまでの議論の中間とりまとめを行い、自民党と公明党の税制調査会は今週、それぞれ総会を開いて議論を本格化させます。検討に上っているのは所得税の給与所得控除や基礎控除、年金控除の見直し、たばこ税の増税、「森林環境税」や「観光促進税」(出国税)の創設などです。大企業や大資産家への応分の負担を考慮すべきで、国民の負担増につながるものは国民の声を踏まえた慎重な検討が必要です。財政破綻のツケを国民に押し付けるのは許されません。
▶消費税増税強行に先立ち
見過ごせないのは安倍晋三政権の5年近い経済政策「アベノミクス」の失政で経済が停滞、税収も伸び悩み、再来年の19年10月からは消費税の8%から10%への引き上げ強行が準備されていることもあり、それに先立つ18年度中に所得税の控除見直しやたばこ税の増税、新税の創設など考えられる限りの税制「改正」に着手しようという意向があることです。自民党税制調査会の宮沢洋一会長は、18年度だけでなく、19年度、20年度も視野に入れて所得税などの「改正」を進めたいとインタビューで答えています。
安倍首相が政権に復帰してから進めてきた「アベノミクス」によっても経済の立て直しは進まず、14年4月からの消費税の増税もあって暮らしも経済も破綻しており、税収は伸び悩み、財政はいよいよ悪化しています。安倍政権は20年度までには国の財政のうち国債の返還などに充てる費用を除く経常支出を借金に頼らず税収で賄うようにする「プライマリーバランス黒字化」を目標に掲げていましたが、今では借金が増えすぎ、先週の安倍首相の所信表明演説などで口にもできなくなっています。
政府・与党の税制調査会が再来年の消費税増税を待ちきれず、一斉に増税や新税の検討を始めようとしているのも、財政赤字の深刻化を示すものです。10月の総選挙の結果、自民党と公明党の安倍政権の与党で300議席を超え、参院と並んで衆院でも3分の2の議席を確保したことも背景にあります。増税や新税を検討する一方、法人税については財界の強い要求で、さらに減税すべきだとしているのも政権のおごりの表れです。
政府・与党は給与や年金の一部を課税所得から差し引く給与所得控除や年金控除の見直しと一律38万円となっている基礎控除の引き上げを「高所得者」への課税強化のように言いますが、今後の線引き次第では中低所得者にも増税になります。年金者はもちろん、低所得者への控除の見直しは生計費非課税の原則に反します。
▶応能原則踏まえた改革を
たばこ税の増税や「出国税」など新税の創設も、経済失政のツケを押し付ける、取りやすいところから取るやり方では問題です。来年度3%以上賃上げした企業に法人税を軽減する「賃上げ促進減税」の検討も浮上していますが、中小企業はともかく大企業は減税しなくても、巨額の利益や内部留保で賃上げが可能です。
税金はもともと、負担能力に応じて負担してもらう応能負担が原則です。失政の責任を国民に押し付け、国民に負担を転嫁する安易な増税は、まさに本末転倒です。
【TV TOKYO】11月24日(金)独占取材! 創価学会に異変!?離反の動きが…
11月18日は創価学会の創立記念日。総本部と位置付ける東京・信濃町には、多くの信者が集結していた。「記念勤行会会場」と書かれた建物では“勤行”や“唱題”と呼ばれる宗教儀式が行われているという。その創価学会が支える公明党は、10月の衆議院選挙で35議席から29議席に激減。盤石だと思われていた公明党の支持母体に何が起こっているのか。11月19日、創価学会の信者と元信者約60人が集結し、現在の執行部に対する反対集会を開いた。2015年9月に成立した集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法など、安倍政権の保守的な政策に賛成した公明党と、それを認めている原田会長を中心とする現在の創価学会の執行部はおかしいと意義を唱えている。参加者は安保法について「池田大作名誉会長が認めるはずがない」と主張する。さらに憲法改正についても公明党が賛成するのではと警戒する。
【朝日新聞】11月13日 自民・宮沢税調会長、消費税「10%で済むのも難しい」
消費税の税率自体であれば、10%という水準を早く実現したいというのが一番切実な思いです。その上で、その後どうなるかという話ですが、高齢化が進展していくことは確かでありますし、公的な保険、年金、医療介護といった社会保険を支えてくれている第2次ベビーブーマーという1970年代の前半に生まれた方たちがいずれ65歳になり、もらう側になっていくというのもそう遠くない時ということを考えると、消費税が10%で済むというのもなかなか難しい話。
次の段階をいつから考えていくのかということは政治としては大きな課題だろうと思います。やはり10%になった時点で、すこし頭の整理といったものを開始しなければいけないと思っております。(日本記者クラブの記者会見で消費税10%超の考えを問われ)
【共同通信】11月14日 日本での「報道の自由」各国懸念―国連人権理事会の審査
【ジュネーブ共同】国連人権理事会は14日、約5年ぶりに日本の人権状況を審査する作業部会を開いた。特定秘密保護法などで萎縮していると指摘される「報道の自由」の現状に懸念を示す意見が相次ぎ、米国やオーストリアの代表は政府が放送局に電波停止を命じる根拠となる放送法4条の改正を求めた。韓国は従軍慰安婦問題を巡る2015年の日韓合意について合意の過程を検証していると述べ、中国は元慰安婦への誠意ある謝罪と補償を求めた。ベルギー、カタール、トーゴが勧告をまとめ16日に出す。
報道の自由に関してはブラジルやベラルーシも特定秘密保護法に懸念を示した。