国がマイナンバーを日本中にばらまく暴挙に―全国商工新聞
【東京新聞】3月1日<社説>原発再稼働 責任と倫理はどこに
関西電力大飯原発3、4号機が規制基準に「適合」と判断された。そして電力事業者は、当然のように再稼働へと走りだす。誰も「安全」とは言えないものを、なぜ、動かすことができるのか。
「適合」の審査書案がまとまるたびに不思議に思う。原子力規制委員会の審査は結局、誰のため、何のためにあるのだろうか。
昨年六月、大飯原発で想定される地震の揺れの大きさについて「過小評価されている」と、関電が示した計算に、“外部”から異議が出た。
指摘したのは、前委員長代理の島崎邦彦・東京大名誉教授。地震予知連絡会長なども務めた地震学の泰斗である。熊本地震の観測データなどから疑問がわいた。
規制委側が別の手法で独自に再計算した結果、「審査で了承した揺れをさらに下回る結果になった」と、その異議を退けた。
その後規制委は「信頼性が低い」と再計算の結果を自ら撤回し、関電の計算があらためて妥当とされた。基準の曖昧さが露呈したとは言えないか。
式の立て方で結果がころころ変わる。「そんなの当てにならない」と不安になるのが、普通の市民の感覚だろう。それでも関電の計算に従って、地震動を見直さないまま、大飯原発3、4号機は、3・11後の新たな規制基準に「適合」すると判断されたのだ。
最新の科学的知見を採り入れて適否を判断する-。3・11の教訓に基づく新規制基準の根本方針だったはずである。
島崎氏が辞任したあと、規制委に地震動の専門家はいないまま。
専門家である島崎氏の疑念について、果たして議論は尽くされたと言えるのか。3・11の教訓が、いかされているとは思えない。
規制委は「安全」を判断しない。最後に決めるのは関電だ。
安全の保証はどこにもなく、事故の責任を負いきれるものもない。利害関係を有する“地元”以外は、意見を通すすべもない-。これが原発規制の現実なのだ。
間もなく六年。世論調査では依然国民の過半が再稼働には反対だ。なのになぜか、被災地から遠い西日本の原発は淡々と動きだす。
規制委の審査結果をもとに、地元や国民、電力事業者の知見や意見を総合し、ドイツのように科学と倫理に基づいて、責任を持って再稼働の適否を最終的に判断できる機関が必要だ。それが無理なら、原発はやはり動かせない。
【全国商工新聞】2月27日コラム<商売繁盛> 国がマイナンバーを日本中にばらまく暴挙に
あれだけ漏えいはない、厳しい罰則があると言っていたのに、国自らが、マイナンバーを日本中にばらまく暴挙に出ています▼5月に全自治体が事業所に発送する住民税「特別徴収税額の決定・変更通知書」に、全従業員のマイナンバーを記載するよう国が指示。事業所も従業員の同意もなしです▼驚いたのは、自治体が負担する簡易書留の追加郵送料金の高さです。試算では東京都中野区で約1200万円、世田谷区で2500万円…。すべて自治体の負担で原資は私たちの税金です。「やってられない」と、国に費用や事務負担軽減を求める意見書が各地で上がり、民商の申し入れもあり、「記載しません」と宣言する自治体が増えているのは当然です▼政府は今年からネットバンキング、クレジットやポイントカードなど、マイナンバーカードの民間開放を進めるといいます。共謀罪、改悪した盗聴法、秘密保護法、マイナンバーが接続されたらどうなるか。もの言えぬ監視社会の到来です▼話題の映画「スノーデン」で、NSA(アメリカ国家安全保障局)の主人公が、国民一人ひとりのメール・電話などあらゆる情報を収集し、捜査機関に提供していた姿を思い出しました。良心の呵責(かしゃく)に苦しみながら。
【しんぶん赤旗】3月3日 「豊洲移転できない」築地 青果仲卸2団体が方針転換
東京都築地市場(中央区)を、高濃度の有害物質で土壌汚染された東京ガス豊洲工場跡地(江東区)に移転する計画をめぐって、青果仲卸2団体が連名で「食の安心・安全が担保されない限り、豊洲市場への移転はできない」とする文書を組合員に配布していたことが2日、本紙の取材で明らかになりました。これまで豊洲移転計画に協力してきた両団体の大きな方針転換です。
文書を出したのは、築地本場青果卸売協同組合(略称・マル中組合、山田安良理事長、71業者)、東京築地市場青果仲卸協同組合(マル本組合、増山春行理事長、26業者)と、両組合でつくる青果仲卸豊洲市場対策本部の3団体。
「重要」の判が押された2月25日付「お知らせ」文書は、「今後、豊洲市場に関して小池都知事の安心・安全宣言及び農水省の認可が下りたとしても、都民及び日本国民の豊洲市場に向けられた目は非常に厳しいものがあります」「食の安心・安全が担保されない限り、豊洲市場への移転は出来ないと言う認識の基に、両組合としての運営を進めてまいります」としています。