財界 消費税増税、法人減税の身勝手
【しんぶん赤旗】10月6日 <主張>財界の税制要求 消費税増税、法人減税の身勝手
日本経済団体連合会(経団連)、経済同友会(同友会)など財界団体の来年度(2017年度)以降の税制「改革」要望が出そろいました。政府・与党の来年度予算編成・税制「改正」の作業が本格化するのをにらんで、出されたものです。国民の暮らしが悪化し、消費が低迷を続けているのを尻目に、消費税の増税、法人税など大企業向けの減税など、身勝手な要求が並んでいます。アメリカ言いなりとともに財界言いなりこそ政治を悪くしている元凶であり、財界の圧力を許さず、国民本位の政治を確立し、税金の集め方も大改革していくことが重要です。
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税制は応能負担の原則で
安倍政権は来年度税制「改正」で、所得税の配偶者控除を見直すなど庶民増税を検討していますが、財界団体の要求は「各種控除の適正化に関し、十分に検討」(経団連)などこれにも賛成です。
税制は本来、負担能力のあるところが負担する応能負担が原則です。経団連や同友会が要求するように取りやすいところから取って大企業の負担を減らすのではなく、大企業や大資産家に応分の負担を求める、集め方の改革が急務です。
【Bloomberg】 -- 石原伸晃経済再生相 「消費税は12%、13%、15%への税率引き上げ」提言
石原伸晃経済再生相は、高齢化に伴い膨張を続ける社会保障費に対応するため、消費税率は10%でも不十分だとした上で、今後は15%への税率引き上げも視野に、国民に選挙で問わなければいけないとの考えを示した。5日、ブルームバーグ・セミナーで話した。
石原氏は、社会保障の財源となる消費税率について「10%では賄い切れない」と指摘。その上で「次は12%、13%、15%という形で消費税をしっかりと上げていく。このことを国民に問い掛けて選挙をしていかないといけない」と明言した。
消費増税を掲げると「なかなか選挙に勝てない」としながらも、安倍晋三政権下の国政選挙で与党が勝利を収めていると説明。「国民の理解をいただいているこの状態で、持続可能な社会保障制度を次の世代にしっかりと伝えていくためにも、財政規律はしっかりと守っていく」と語った。
石原再生相は、安倍政権が年度内をめどにまとめる働き方改革にも触れ、「年功序列賃金をどう考えるかが、これから議論の俎上(そじょう)に上ってくるのではないか」と述べ、同一労働同一賃金などと並んで課題になるとの見解を示した。
安倍政権は当初、2015年10月に消費税率を10%に引き上げる予定だったが、17年4月に1年半延期。安倍首相は今年6月に19年10月への再延期を表明した。
【プレジデントオンライン】10月2日 配偶者控除廃止で「家族手当」が消滅の危機!?
政府は所得税の配偶者控除の廃止を進め、早ければ2018年1月より実施される見通しということです。いわゆる「103万円の壁」をなくすことで、パートなどで働く主婦層の労働時間を拡大しようという狙いです。また、専業主婦世帯への税制優遇に対する不公平感解消という側面もあります。
いずれにせよ、「夫が外で働いて、妻は専業主婦として家庭を守って」という、戦後のサラリーマン家族モデルが、時代に合わなくなっていることが背景にあります。
しかも、配偶者控除廃止は、税金面の問題だけに留まりません。それは、多くの企業で支給されている家族手当への影響です。しかし、なぜ家族手当に関係するのでしょうか。
厚生労働省の「平成27年賃金事情等総合調査」によると、家族手当を支給している会社の割合は約8割。ただし、社員数1000名以上の大企業を対象とした調査のため、中小企業においては、支給企業割合、平均額とも、資料より下回ると考えてください。
さて、ここからが問題です。人事院の「平成27年職種別民間給与実態調査」によると、家族手当を支給している企業のうち、対象となる配偶者に収入制限を設けている割合が約85%。さらに収入制限の額として、約7割が「103万円」すなわち配偶者控除の上限額を使用しているのです。こうしておけば、社員の年末調整の際、配偶者の収入が上限額を超えていないかどうか、企業側は容易にチェックすることができます。
しかし、配偶者控除が廃止になれば、収入制限を103万円に設定してきた根拠自体を失ってしまうのです。