17年の消費税率引き上げに向け、軽減税率 食品3案検討 与党税制協議
①5月23日の各紙は、自民、公明両党による与党税制協議会が22日に開かれたことを一斉に伝えました。財務省が提出た試案によると「同じ生鮮食品でも、複数の品目が混在しているものは除外されるなど線引きは複雑」です(「読売」朝刊)。
その複雑さについて「日経」6月4日づけ〝大機小機〟は、「混乱もたらす生鮮品の軽減税率」と題して、以下のように指摘しています。「食品表示法ではマグロの刺し身は生鮮なので軽減対象だが、アジと一緒に刺し身の盛り合わせにすると生鮮ではなくなる。野菜も単品はいいがミックス野菜は(軽減の対象から)外れる、松阪牛はいいがバーベキュー用肉盛り合わせはダメ。パン屋うどん・そばは当然含まれない。」
軽減税率について元静岡大教授の湖東京至氏とジャーナリストの斎藤貴男氏は、「消費者の利益とはまったく縁のない(官僚や政治家、財界人の間の駆け引きで)動くもの」で、消費税は〝悪魔〟の税制であり、「断ち切る(廃止する)しかない」と断言します。(『税が悪魔になるとき』新日本出版社刊)
②年金情報流出でマイナンバー制度に疑問と不安続出
6月3日付「東京」社説は「年金加入者の個人情報約百二十五万件が外部に流出した。(中略)今年十月から全国民に付番が始まるマイナンバー制も標的にならないか不安がさらに募る」として、「プライバシー侵害を回避しようとすれば、個人情報を集中させないことに限る。」「マイナンバーはその正反対だ。不正のリスクが高まることを強く懸念する」と述べています。
③「戦争法」に痛烈なコラム
ことわざに「寸鉄人を刺す」があります。鋭い警句が急所を突くことですが、6月3日「東京」に掲載された斎藤美奈子さん(文芸評論家)の「六つの事態」(本音のコラム)は、その典型といえるでしょう。「今国会で政府与党が成立を目指す安保関連法案は『事態』の大安売り/①武力攻撃事態とは『おいおい、ほんとうに攻撃されちゃったぜ』状態/②武力攻撃切迫事態は『どう考えても攻撃されるにちがいないぞ」状態、③武力攻撃予測状態は『場合によっては攻撃されるかもしれない」状態か。④重要影響事態は『もしかしたら、わが家もヤバイことになるんじゃないか』状態、⑤存立危機状態は『このままだとわが家は絶対やられてしまうぞ』状態、⑥国際平和共同対処事態は「うちは安全だけど、まぁ付き合いもあるし』状態?①以外は攻撃されていない状態なのだ。それでも戦争に近づきたがる。そのほうが異常事態だよ。」(要旨)