消費税増税の記載見送り 民主マニフェスト素案 脱原発も曖昧な表現に

2012年9月7日

    消費税増税の記載見送り 民主マニフェスト素案

   脱原発も曖昧な表現に

    201295日   産   経

 民主党の次期衆院選マニフェスト(政権公約)素案が4日、明らかになった。経済成長だけでなく豊かさの「質」を重視する「フロンティア国家」を打ち出した。ただ、消費税増税の記載は見送り、脱原発や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への対応も曖昧な表現にとどめるなど、党内融和を優先した形となった。
 素案は、フロンティア国家の実現に向けた重点課題として、子育てと生涯現役▽脱原発依存に向けたエネルギー革命▽経済成長と円高・デフレ脱却▽地域主権・統治機構改革▽環境変化に応じた外交・防衛-の5分野を列挙した。
 消費税増税は今国会で関連法案が成立したため、「将来的な政策目標にならない」(政調幹部)として不記載となった。消費税増税が次期衆院選の争点となることを避けるねらいもあるとみられる。
 脱原発依存は「早期に実現」として具体的な目標を見送った。TPPも「国益を踏まえ適切に対応する」との表現にとどめた。
 自民、公明両党による新年金制度案の撤回要求には応じず、社会保障制度改革国民会議での検討課題とした。「大阪維新の会」との連携を視野に、道州制の推進も掲げる。
 北方領土や島根県・竹島に関しては「日本の主張を世界へ明確に発信し、国民の生命と財産の安全確保に万全を期す」と強調した。
 平成21年の衆院選マニフェストの主要政策の評価も盛り込み、公立高校無償化や農業戸別所得補償は「達成」、子ども手当や年金制度改革は「未達成」と総括した。
 5日の党経済財政・社会調査会に示す。調査会では参加議員から意見聴取するが、21日に党代表選があるため、党内集約は次期執行部に委ねる。