GDPで個人消費低迷―高市政権の放漫財政の結果
2026年9月23日
【しんぶん赤旗日曜版】9月6日経済 GDPで個人消費低迷―高市政権の放漫財政の結果
高市早苗首相は「物価高対応に最優先で取り組んできた」といいます。しかしGDP (国内総生産)の5割超を占める個人消費が低迷し、実態は深刻です。
4〜6月期の実質GDPは前期比0•3%増(年率1・1%増)で、3期連続のプラス成長でした。賃上げやボーナス期にもかかわらず、個人消費が0・02%減でした。物価の伸びがやや弱まり実質賃金が前期比でプラスに転じているにもかかわらず、消費は伸び悩んでいるのです。
設備投資も1•2%減と2四半期連続のマイナス、住宅投資が0•5%%減、輸出がわずか0•5%増とGDPを構成する主要項目が軒並み低迷しています。
今期のプラス成長の原因は、輸入がホルムズ海峡閉鎖による原油輸入の減少から1•5%減と落ち込み、輸出と輸入の差額である純輸出が伸びたことによるものです。つまり国内経済の回復によるものではないのです。企業倒産件数も年間1万件超の水準で増え続けています。
個人消費の低迷や企業倒産の増大は、主に円安による物価高、原材料コストの増大、さらには長期金利の上昇によるものです。円安と長期金利の上昇は、昨年10月に高市早苗政権が発足すると同時に財政悪化懸念から加速し、これが個人消費や企業経営の重しになつています。AI (人工知能)ブームで2024年以降急激な上昇を示す株価とは対照的に、国民は物価高に苦しんでいます。
高市政権は発足直後に日本の最大貿易相手国である中国との間に深い亀裂をつくり、日本経済に大打撃を与えています。
「責任ある積極財政」を看板に掲げ、40年度までに「戦略17分野」に官民合わせて370兆円の投資を行うと発表しました。しかし日本経済の再生どころか、財源問題を後回しにしての「積極財政」は、財政悪化懸念から円安と長期金利の上昇を引き起こしています。円安は物価高を誘導し、長期金利の上昇は日本経済に打撃を与えます。政策金利引き上げといった日銀の円高誘導策も、高市財政によってすべて打ち消されています。
物価高を招いておきながら、高市首相は補助金で石油価格などを抑え込み、さらに食料品消費税率を2年間限定で引き下げようとするなど、すべて財政措置で対応しています。恒久財源を確保しなければ、地方も含め、財政悪化は必至です。国民負担のさらなる増大も懸念されます。
物価を抑え安定させるためには、まず、物価高の主因である円安の是正とそのための財政規律の確立、柔軟な金融政策が必要です。エネルギーや食料の自給率も引き上げるべきです。エネルギーなどの供給が低迷している中で、国民生活と両立する形で需要抑制をはかることが、物価安定に欠かせません。さらに、エネルギー源の多様化や調達先の確保が必要です。
高市政権は、ひたすら赤字国債と、日銀による大量の国債引き受けに依存し、放漫財政を続けています。円安、物価高は必至です。
工藤昌宏 (くどう・まさひろ 東京工科大学名誉教授)
消費税をなくす全国の会