政党助成金 自民38億円―26年第1回交付(「赤旗」)、殺傷武器の輸出解禁 平和主義を損なう浅慮(「東京」)

2026年4月23日
【しんぶん赤旗】4月21日 政党助成金 自民38億円―26年第1回交付 共産党は拒否
 総務省は20日、2026年の政党助成金(交付総額315億3652万円=1万円未満四捨五入、以下同)の第1回分(総額の4分の1)の78億8413万円を請求のあった各政党に配分しました。最高額は自民党の38億4087万円。次いで立憲民主党の7億7975万円、日本維新の会の7億394万円など(表)となっています。

 政党助成金は、支持政党の有無にかかわらず国民1人当たり250円の血税を政党が分け取りする仕組みで、思想・信条の自由を保障する憲法に反する制度。日本共産党は一貫して同制度に反対し、同助成金の受け取りを拒否しています。

2026年度分の政党助成金 第1回交付額
自民党   38億4087万円
立憲民主党  7億7975万円
日本維新の会 7億 394万円
国民民主党  6億7886万円
中道改革連合 5億8470万円
参政党    4億9727万円
公明党    3億4952万円
れいわ新選組 1億7536万円
チームみらい 1億4207万円
保守党      7379万円
社民党      5799万円

【東京新聞】4月22日〈社説〉殺傷武器の輸出解禁 平和主義を損なう浅慮
 政府が防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、殺傷能力のある武器の輸出を全面解禁した。国際紛争の助長を避けるために武器輸出を厳しく制限してきた安全保障政策の大転換は、憲法の平和主義を損なう浅慮と断じるほかない。
 武器輸出の制限は、専守防衛、非核三原則とともに、戦後日本の平和主義の根幹をなしてきた。1967年に武器輸出三原則を打ち出して以降は、事実上の全面禁輸が国是になってきた。
 近年は段階的に武器輸出の緩和を進め、他国と共同開発する戦闘機や護衛艦などの輸出を容認してきた。ただ、完成装備品の輸出は救難・輸送・警戒・監視・掃海の5類型の用途に限り、殺傷兵器の輸出に縛りをかけていた。
 政府は今回、この5類型を撤廃し、殺傷兵器の完成品輸出を容認した。国会での熟議や国民的議論もなく、平和主義の理念を蔑(ないがし)ろにするものとして深く憂慮する。
◆武器で稼ぐ「普通の国」
 高市早苗首相はSNSで「平和国家としてのこれまでの歩みと基本理念を堅持することに全く変わりない」と主張した。日本製の武器が他国の戦争に使われ、人を殺傷する事態が現実味を帯びるにもかかわらず、なぜ平和国家と強弁できるのか理解に苦しむ。
 武器輸出の推進で「わが国に望ましい安全保障環境を創出する」(木原稔官房長官)との説明にも首肯できない。軍拡競争を煽(あお)り、かえって地域の緊張を高める「安全保障のジレンマ」を広げかねない。自衛隊の継戦能力を支える防衛産業の基盤強化も目的に掲げるが、武器を売り利益を追求することは平和国家と相いれない。
 76年の国会審議で、後に首相となる当時の宮沢喜一外相は武器輸出三原則を巡り「わが国は兵器を輸出してカネを稼ぐほど落ちぶれていない」と語ったが、高市首相は3月の答弁で「もう時代が変わった」と切って捨てた。自身が目指す国家像に関し「右傾化ではなく、普通の国になるだけだ」と語ったこともある。
 首相は、戦後日本が平和国家として歩み、アジア中心に国際社会の信頼を築いてきた「外交資産」を軽視すべきではない。日本が壊滅的な敗戦への深い反省を踏まえて目指したのは「普通の国」ではなく、戦争をせず、加担もしない「特別な国」ではなかったのか。
 新たな三原則と運用指針は、輸出先を国連憲章に適合した使用を義務付ける国際約束の締結国に限るが、米国によるイラン攻撃は先制攻撃であり、明白な国連憲章違反だ。中東の米軍はイランからミサイルで反撃されており、防空ミサイルの需要が高まっている。
◆対米輸出なら戦争加担
 日本は昨年、当時の指針に基づき航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット・ミサイルを米国に輸出しており、米国に再び輸出を求められた場合、国際法に反する戦争に使われる懸念を否定できない。
 日本政府は対米関係に配慮し、イランに対する攻撃の国際法上の評価を避けている。新たな運用指針は「現に戦闘が行われていると判断される国」への輸出を禁じつつ、日本の安全保障に「特段の事情がある場合」は除外する。
 米国とイランの戦闘は米国本土に及んでいない。日本が米国に安全保障を依存する事情もある。こんな言い逃れで、違法な戦争を繰り返す米国に武器を輸出すれば、平和主義をかなぐり捨て、公然と戦争に加担することになる。
 武器輸出の最大の問題点は時の政権の一存で決められ、国会に止める権限がないことである。首相と関係閣僚による国家安全保障会議(NSC)で輸出を認めた後、国会に通知するだけだ。戦争に加担するような武器輸出に、国会が歯止めをかけられる仕組みの導入を検討する必要がある。
 殺傷武器の輸出解禁に向けた与党内の協議も不十分だ。自民党と日本維新の会は3回の協議で、輸出解禁を盛り込んだ昨年10月の自維連立合意を「結論ありき」で追認した。前回2024年のルール見直しに自民党と当時与党だった公明党が協議を27回重ねた経緯との比較で、与党内の「歯止め役」の不在を印象づけた。
◆歯止めの在り方論ぜよ
 中道改革連合、立憲民主、公明の野党3党は国会への事前通知を提言したが、高市内閣は一顧だにしなかった。3月の共同通信世論調査では、殺傷兵器の輸出緩和を「認めるべきでない」が56%に上り、容認を約20ポイント上回った。
 首相は「国論を二分する政策」の実現に意欲を示すが、反対意見や慎重論を無視するなら慢心との非難は免れまい。安全保障政策は国民の幅広い理解なくして安定的に機能しない。政府・与党は歯止めの在り方も含めて平和国家にふさわしい姿を探るべきである。