維新の大阪ダブル選 民意もてあそぶ自作自演(「毎日」)、大義なき「大阪ダブル選」―深まる矛盾、党内からも異論噴出(「赤旗」)
2026年1月18日
【毎日新聞】1月18日<社説>維新の大阪ダブル選 民意もてあそぶ自作自演
衆院解散に乗じて自党の主張を通そうとダブル選を強行する。選挙の私物化と言わざるを得ない。
日本維新の会代表の吉村洋文・大阪府知事と、副代表の横山英幸・大阪市長が任期途中で辞職し、出直し知事・市長選に立候補すると表明した。投開票日は衆院選と同日となる見通しだ。
吉村氏は大阪都構想を争点にする考えを示した。大阪市を廃止して特別区を設置するもので、維新は創設時から旗印としてきた。自民党との連立合意に、首都機能をバックアップする「副首都構想」を盛り込んだのも、都構想を後押しするためだ。
告示は知事選が22日、市長選が25日とみられ、準備期間はあまりにも短い。抜き打ち的なやり方では現職が有利になる。当選したとしても、都構想にお墨付きが与えられたとは言えない。
都構想には二重行政を解消し、大阪の成長につなげる狙いがあるという。だが、2015年と20年の2度にわたり、市内の有権者を対象とした住民投票で否決されている。それでも改めて持ち出すのであれば、必要性についてさらなる説明が求められる。
任期満了が来年4月に迫る中、都構想だけを争点として選挙に踏み切る意義を見いだすことは難しい。党内からも疑問視する声が上がる。現職が当選した場合、残り任期が終わる約1年後に首長選を行う必要があり、さらに費用がかかることになる。
有権者は、4年間の自治体のかじ取りを首長に負託したはずだ。にもかかわらず、維新は過去にも都構想への支持を得るため、任期途中の出直し選を繰り返してきた。民意をもてあそぶような振る舞いが目に余る。
維新では不祥事が相次ぐ。国民健康保険料の支払いを逃れたとして、元職を含む地方議員6人が除名処分となった。藤田文武共同代表は、身内とも言える公設秘書の会社にビラ印刷などを発注し、公金を支出していた。ダブル選によって目をそらせようとしているのなら問題である。
衆院選で埋没せぬよう、ダブル選との相乗効果で票を伸ばそうとする思惑も透けて見える。党利党略そのものであり、有権者に対して不誠実だ。
【しんぶん赤旗】1月17日 大義なき「大阪ダブル選」―深まる矛盾、党内からも異論噴出
日本維新の会の吉村洋文代表と横山英幸副代表が住民投票で2度否決された大阪市廃止の都構想への3度目の挑戦を掲げて急きょ知事・市長を辞職しての「出直しダブル選」に踏み出しました。大義も道理もない党略的行動が深刻な矛盾と混乱に陥っています。
来春にも統一地方選を控えているのになぜいま出直すのか、都構想は決着済み・いままでと何が違うのか、短期間の選挙戦で住民が十分に判断できるのか―。こうした府民の疑問・批判に吉村氏は15日、「自分のなかで都構想が必要だという思いがふつふつとあった」などと述べるだけでまともな説明ができませんでした。
都構想は2015年、20年に大阪市での住民投票で否決され、吉村氏も20年に「政治家として挑戦することはもうない」と明言。解散・総選挙に乗じてお墨付きを得ようというのは市民への愚弄(ぐろう)と言わざるを得ません。
15日には維新の大阪市議団からも異論が噴出。団総会で、現市議は先の統一地方選で都構想を明確な公約として当選したものではなく、都構想に向けた協定書の議論をする立場にないとする決議をあげました。
維新国会議員団も紛糾。松沢成文参院議員はXで「総選挙と同時に再選挙などという暴挙は止めよ」と発信。「今日(15日)の国会議員総会で大反対論をぶった。最後に決をとったら、反対多数」と明かしました。吉村氏が、同日の大阪維新の会議でも「厳しい意見のほうが多かった」と明かすなど矛盾・亀裂は深まっています。
一方で維新には「国保料逃れ」の疑惑が突きつけられており、党への批判が高まる中での出直し騒動に「批判そらしではないか」との声が上がっています。物価高から暮らしを守るまともな対策はなく、決着済みの都構想に固執し、疑惑から目をそらすかのような選挙に打って出る姿勢には政治の私物化との批判を免れません。(藤原直)
消費税をなくす全国の会