安保関連法10年 歯止めの議論今こそ必要(27日「毎日」)、 国会開いて消費税減税早く(25日「赤旗」)
2025年9月27日
【毎日新聞】9月27日<社説>安保関連法10年 歯止めの議論今こそ必要
集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法が成立して10年が過ぎた。国際情勢が厳しさを増す一方、政府による恣意(しい)的な運用のリスクは残ったままだ。
自国への直接攻撃がなくても他国への攻撃に反撃できる集団的自衛権は、歴代政権が憲法9条の下では行使できないと説明してきた。だが、第2次安倍晋三政権で憲法解釈が変更され、日本の存立が脅かされる場合は行使できる法整備がなされた。
自衛隊による米軍への後方支援の拡大や、国連主導ではない平和維持活動への参加に道を開いた。
近年、大国が関係する紛争が増え、安保法制が現実に適用されかねない状況も生まれている。
米国から核施設を攻撃されたイランの国会は、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を承認した。中国は台湾周辺で軍事演習を繰り返す。ロシアとウクライナが停戦で合意すれば、欧州などは平和維持部隊を派遣する方針だ。
原油輸入の途絶によって社会機能がまひする事態や、ウクライナへの自衛隊派遣の是非が議論されるケースも排除できない。
自衛隊は集団的自衛権行使を想定した共同訓練を始め、米軍との「一体化」が進む。防衛予算も大幅に増額され、相手国の基地をたたく反撃能力の保有が決まった。
ただ、集団的自衛権行使や他国軍への後方支援が認められる条件は明示されていない。オーストラリアなど同志国との安保協力が広がる中、適用対象国も不明確だ。
東アジアの防衛負担を肩代わりさせようとする米国から行使を迫られる事態も否定できない。他国の戦争に巻き込まれれば、国民に被害が及ぶ危険性は高まる。
そもそも、戦後日本が掲げてきた「専守防衛」の土台である憲法規範との整合性が問われてきた。成立から10年たっても疑問は解消されていない。
求められるのは、集団的自衛権の行使に歯止めをかける仕組みを構築することだ。政府が説明責任を果たし、決定プロセスを透明化することが欠かせない。
国会が果たすべき役割は大きい。衆参両院ともに少数与党である今、野党も重い責任を負う。議論を重ねて法の不備を埋める努力を尽くさねばならない。
【赤旗】9月25日 国会開いて消費税減税早く
全国各地の消費税廃止各界連絡会、消費税をなくす会は24日、政府・自民党に対し、ただちに国会を開いて消費税減税を実行するよう求めて宣伝しました。
■自民党政権では生活苦変わらぬ
東京・新宿駅前では、消費税廃止各界連絡会が「消費税減税、インボイス(適格請求書)廃止を実現させよう」と署名への協力を呼びかけました。
東京土建一般労働組合の野本章平さんは、インボイス制度による消費税負担で建設業者が廃業に追い込まれると、職人が減り、インフラ整備が追いつかなくなると指摘。消費税減税・インボイス廃止を訴えました。
日本共産党の小池晃書記局長は「自民党が変われないことが分かったのが総裁選だ。すみやかに国会を開いて暮らしを支える政治を行うことが政党政治家の役割だ。大企業・富裕層の行き過ぎた減税をやめれば、消費税減税、廃止もできる」と訴えました。
東京都新宿区の50代会社員は「増税続きで生活は苦しい。自民党政権では変わらない」と述べ、署名しました。
■7割の国民が減税求めてる
消費税をなくす全国の会と東京の会は、東京都豊島区の巣鴨駅前で定例宣伝を行い、消費税減税とインボイス(適格請求書)廃止を求める署名とシール投票を呼びかけました。
全国の会の前沢淑子事務局長は「物価高騰が続くなか、世論調査で7割の国民が減税を求めている。消費税減税・インボイス廃止を実現するのが政治の役割だ」と訴えました。東京の会の林幸二事務局長は「消費税は福祉や社会保障に使われず、大企業の減税や軍事費に使われている」と批判。梅村さえこ常任世話人(日本共産党元衆院議員)は「参院選で全野党が消費税見直しを公約した。声を上げれば政治が変わるチャンスだ」と呼びかけました。
群馬県みどり市から来た女性(85)は「前は5000円で1週間分の食品などが買えたが今は1万円近くかかる。物価が高く消費税を減税してほしい」と署名に応じました。