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再エネの出力抑制―750億円分無駄に 原発優先、火力は温存
2024年6月25日
【赤旗日曜版】6月9・16合併号〈経済これって何〉再エネの出力抑制―750億円分無駄に 原発優先、火力は温存

 太陽光など再生可能エネルギーによる発電に取り組む事業者の発電を、大手電力が一方的に止める出力抑制が急増しています。2024 年度の再エネ出力抑制量の見通しは、23 年度の約1 ・4倍、22 年度と比較すると4 ・2 倍にも上ります。
 日本共産党の岩渕友参院議員は今年4 月の経済産業委員会で、これは58万世帯分の年間消費量に匹敵し、家庭の電気料金で試算すると750 億円分もの損失になると指摘。EU (欧州連合)のよつに再エネ最優先のルールに変えるように斎藤健経産相に迫りました。
 出力抑制は無制限、無補償で実施され、再エネ設備所有者は止められた発電分の収入を得る事ができず、「設備導入時に受けた融資の返済が難しくなってきた」など、事業の見通しが立たない状況も起こっています。
 経済産業省は、電力の発電量と消費量のバランスが崩れると停電につながる恐れがあるとして、①火力(石炭、石油、ガス)発電の出力抑制、揚水・蓄電池の活用、②他地域への送電、③バイオマスの出力抑制等の対応をしても供給が需要を上回る場合、再エネの発電を止めるとしています。
 「優先給電ルール」と説明しますが、原子力発電の出力を抑制した実績はなく、火力発電の出力抑制も不十分です。大規模で老朽化した発電設備を持つ大手電力に都合の良い原発最優先、化石燃料による発電を温存するもので、再エネは出力抑制し放題になっています。
 経産省は再エネ出力抑制の急増をうけ、23 年12月に「出力制御対策パッケージ」を取りまとめました。「これまでの対策を更に深掘りした」と強調しますが、新設火力の最低出力を現行の50 %から30 %まで引き下げる「お願い」にすぎません。岩渕氏の指摘で、再エネ出力抑制実施時に出力50 %を超える火力発電所が東京エリアと関西エリアで多く存在したことがわかります。
 24年度の再エネ出力抑制量は、中国エリアでは、22年度の14・3倍に急増する見通しです。
要因に、島根原発2 号機の営業運転再開を挙げており、原発の再稼働が再エネ導入の障害になっていることは明らかです。
 昨年の世界の平均気温は産業革命前に比べ1 ・45度上昇しており、二酸化炭素の排出削減対策、行動の加速化が喫緊の課題となっています。ところが、日本政府はG7(主要7 カ国)気候・エネルギー・環境大臣会合(5 月)で、石炭火力発電の廃止期限の明記に強く反対し、国際的に通用しない独自解釈で化石燃料を使い続けることに固執しています。
 国のエネルギー政策の基本的な方向性を示す「エネルギー基本計画」改定の議論が3 年ぶりに経産省の審議会で始まりましたが、その構成は化石燃料、原子力など産業界の委員が多数を占めています。若い世代や多様な市民の声を反映させ、危険な原発はゼロに、石炭火力発電の廃止期限を決め、再エネ導入にこそ施策と予算を集中するエネルギー政策への転換が求められています。
   安部由美子(あベ・ゆみこ日本共産党国会議員団事務局)
6月16日グラフpdf