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草の根交流ニュース
1~3月期GDPマイナス―ゆがみ深刻株高の一方で生活劣化
2024年6月3日
【赤旗日曜版】6月2日号<経済これって何>1~3月期GDPマイナス―ゆがみ深刻株高の一方で生活劣化
 
 内閣府が発表した2024年1〜3月期の実質GDP(国内総生産)は、前期比0•5%減(年率2•0%減)でした。減速は、0・9%だった 23年7〜9月期以来2期ぶりです。前期(23年10〜12月期)の「0・0%増」は、設備投資の前払い金を加算してかさ上げされたもので、実質的には3期連続マイナスといえます。
 今回の数値は、日本経済の抱える問題を鮮明に映し出しています。主要項目の個人消費、設備投資、住宅投資、輸出は、 すべてマイナスです。
 GDPの50%強を占める個人消費は0•7%減となり、昨年4〜6月期以降4期連続でマイナスです。賃金が伸びないうえ社会保険料負担などが増大し続けているためです。3月の実質賃金が前年同月比2•5%減と、24カ月連続で前年同月比マイナスになっていることがその裏付けです。
 設備投資も0•8%減と振るわず、力強さ、持続性に欠けたまま増減を繰り返しています。銀行ローンにつながる住宅投資が2•5%減と大きく落ちたことは、国民が雇用や所得に不安を抱えていることを意味します。 輸出も5•0%減です。企業倒産件数は22年に増大し始め、昨年は人手不足や資材価格高騰などで建設、運輸を中心に1万件近くに達しています。 
 昨年、日本の名目GDP(ドル建て)は、ついにドイツに抜かれ世界4位に転落しました。4月に IMF (国際通貨基金) は、今年の世界の成長率を3•2%増、先進国1•7%増とする一方、日本は0•9の増と低成長を予測しています。
 問題はこれだけではありません。経済が停滞し続ける中、2月には、日経平均株価が1989年のバブル期に付けた過去最高額3万8915円を超え、3月には4万円台に達し、世界の株式市場の中でも突出した株価上昇率を記録しました。 
 主な原因は、経済停滞が続いているため行き場 を失ったお金が株式に流れ込んだこと、政府・日銀が積極的に株式を買い支えたり低金利政策でお金を株式市場に誘導したりするなど株価つり上げ策を続けたことです。株の多くが企業や金融機関 に保有され市場に出回る株が少なく、そのため株価が上昇しやすい土台が 作られていました。
  つまり、突出した株価上昇率は、政府・日銀の市場操作や、富が法人に偏って集中するという経済構造のゆがみが作り出したものです。このゆがみが是正されない限り、株式市場は乱高下を繰り返し、日本経済を混乱させ続けるでしょう。
 今春闘では初任給引き上げブームがわき起こりましたが、これは労働組合がある大企業に限られ、労組がなく円安などでコスト増大に苦しむ多くの中小企業には当てはまりません。物価高や社会保険料引き上げなどで国民の消費はさらに押しつぶされることになりそうです。政府・日銀は賃金と物価の相乗効果や経済の好循環が期待できる局面にあると主張していますが、実態は全く逆です。
              工藤昌宏(くどう・まさひろ東京工科大学名誉教授)