消費税 35年539兆円―法人・所得税減収穴埋めに―献金受け取り大企業優遇
2024年4月4日
日本の税制に消費税が導入されてから、1日で35年の節目を迎えます。政府は消費税を社会保障財源と述べますが、大企業と富裕層の減税の穴埋めに使われたのが実態です。
1989年4月に3%の税率で消費税が導入されて以降、自民党政権は5%(97年4月)、8%(2014年4月)、10%(19年10月)と段階的に消費税率を引き上げてきました。いまや消費税は国の一般会計税収で、法人税、所得税を抜いて最多の税目となりました。
この35年全体で見ると、国と地方を合わせて消費税収は累計539兆円にのぼります。一方、ほぼ同じ期間に法人3税(法人税、法人住民税、法人事業税)は累計318兆円、所得税・住民税は295兆円もの減収となっているのです。
自民党・公明党は昨年12月に決定した「与党税制改正大綱」で、約40年間にわたって法人税率を段階的に引き下げた中で「法人税の税収力が低下している」と述べ、企業が投資拡大や賃上げに取り組むことを期待したものの、結局、内部留保と現預金が積み上がったと指摘。「法人税改革は意図した成果をあげてこなかったと言わざるを得ない」と認めました。それにもかかわらず、同じ大綱で半導体、電気自動車など「戦略分野」の国内生産・販売に対し10年間減税する制度と、国内で研究開発した知的財産からの所得への課税を7年間軽減する制度を創設しました。さらなる大企業減税です。
パーティー券「裏金」問題は自民党の金権腐敗・汚職体質を浮き彫りにしました。いまこそ、大企業から金を受け取り、大企業を優遇する自民党政治から脱却するときです。(清水渡)