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値上げの加速 物価を抑える政策こそ(「東京」)、GDPプラスの実体―停滞する個人消費失政で悪循環(「赤旗」)
2023年3月4日
【東京新聞】3月4日 <社説>値上げの加速 物価を抑える政策こそ
 食品を中心に生活必需品の値上げが加速している。家計への負担は増すばかりで節約だけでは乗り切れない状況だ。大幅な賃上げと物価対策を優先した金融政策を強く求めたい。
 帝国データバンクによると、今年一〜四月の食品の値上げは一万四千四百五十一品目と昨年同期と比べ三倍のペースで増え続けている=グラフ。五月に昨年より四カ月早く一万五千品目を超えるのは必至で、八月には二万品目に達する見込みだ。
 総務省が公表した二月の東京都区部の消費者物価指数は、前年同月比で3・3%増と上昇率が十三カ月ぶりに縮小した。ただ政府が実施した電気・都市ガス料金の負担軽減策の効果が二月請求分から反映されたことが縮小の理由で、物価の上昇圧力は依然根強いとみるべきだ。
 電気料金を巡っては東京、北陸電力など大手七社が国に値上げを申請した。岸田文雄首相は「あらゆる経営効率化を盛り込むように」と申請各社にコスト削減を求めているが踏み込みが足りない。値上げすれば負担軽減の効果は薄れ、暮らしは一層追い込まれる。値上げ幅の圧縮にとどまらず値上げ自体を無期延期とすべきだ。
 四月九日に経済学者の植田和男氏が日銀総裁に就任する。植田氏は衆参両院で所信を聴かれ、大規模な金融緩和策を当面続ける姿勢を強調した。この発言の影響もあり為替市場では円安が再び進行した。二日のニューヨーク市場では一時二カ月半ぶりに一ドル=一三七円台をつけた。
 円安は輸入コストを押し上げ物価全体の上昇圧力になる。植田氏には、金融緩和一辺倒ではなく暮らしに寄り添い、物価抑制を最優先にした金融政策を期待したい。
 賃上げのかぎを握る春闘は十五日に集中回答日を迎える。輸出関連を中心に多くの大企業が賃上げ要求に応じる姿勢をみせている。ただ肝心なことは賃上げの流れが中小にも及び、資金の好循環が国レベルで起きるかどうかだ。
 大企業の経営者らが、消費刺激の起点となる賃上げを躊躇(ちゅうちょ)することはもはや許されない。

【赤旗日曜版】3月5日 GDPプラスの実体―停滞する個人消費失政で悪循環
 内閣府は、2022年10~12月期の実質GDP(国内総生産)の成長率が前期比0・2%増であったと発表しました。(2月14日)
 プラス成長とはいえ、中身は日本経済の好転どころか停滞を裏付けるものとなっています。GDPの5割超を占める個人消費支出は、国の旅行支援措置などにもかかわらず、わずか0・5%増と振るわず、設備投資は0・5%減とマイナスに沈み込んでいます。住宅投資は0・1%減と相変わらずのマイナスです。
 各国の実質GDPの推移をみると、コロナ禍でも欧米諸国が継続的にプラス成長を記録しているのとは対照的に、日本では消費税を10%に増税した19年10~12月期に前期比2・7%減(年率10・5%減)と大幅に落ち込んだ後、ほぼプラスとマイナスを繰り返すまだら模様を示しています。
 また、プラス成長も前期の大幅な落ち込みの反動や、財政支出や輸出の急増などによるものでしかありません。つまり、日本経済は成長に持続性がないだけでなく停滞し続けているということです。各国経済が回復に向かっ中で、一人日本だけが取り残され独自の生態系ならぬ独自の停滞構造がつくり出され、しかもそこから抜け出せない、いわばガラパゴス状態に置かれているといえます。
 異様な停滞の原因は、個人消費の慢性的な停滞にあります。その根底には雇用環境の悪化、分配構造のゆがみ(低賃金、国民負担の増大、行政サービスの悪化)、高物価、将来不安が横たわっています。しかも、個人消費の停滞を起点に生産、投資、雇用、所得、消費の連鎖、つまり経済循環構造が崩れ、賃金も上がらず、それによって逆に経済循環構造も蘇生できない悪循環に陥っているわけです。
 問題は、このガラパゴス状態は自然に出来上がったわけではなく、長年の政府の失政によるものだということです。
 00年代には小泉「構造改革」により金融機関の不良債権の強制的処理が行われ、膨大な企業の破綻と大量の失業者が生み出され、経済循環構造が破壊されてしまいました。13年からのアベノミクスは2度にわたる消費税増税をはじめ、破壊された経済構造にさらに重しをかけ、経済停滞構造を定着させました。
 日本経済の停滞は政府によってつくられ、放置されてきました。言い換えれば、国民生活に背を向け続けてきた政府の失敗の結果です。
 このような状況の中で21年、分配の見直しを軸にした「新しい資本主義」をつくるとして岸田政権が誕生しました。しかし、中身はアベノミクスと区別がつかないどころか、無駄遺いを放置したままさらに国民負担を増やそうとしています。
 これでは日本経済の再生はますます遠のくばかりです。無駄遣いを既得権として続ける官僚と、国民生活に背を向ける政治家を排除しない限り、日本経済の再生はあり得ないということです。工藤昌宏(くどう・まさひろ東京工科大学名誉教授)