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富裕層の課税強化へ 法案提出―消費税の再導入否定 マレーシア(「赤旗」)、マイナカード 政府の強引さ目に余る(「東京」)
2023年2月26日
【赤旗】2月25日 富裕層の課税強化へ 法案提出―消費税の再導入否定 マレーシア
 【ハノイ=面川誠】マレーシア政府は24日、富裕層への課税を強化する2023年予算案の修正案を議会に提出しました。中・低所得層への支援策を維持し、ぜいたく品やキャピタルゲイン(資産売却益)への課税によって歳入を確保します。
 財務相を兼任するアンワル首相は議会での演説で、「富が富裕層とエリートに集中していることを考えれば、予算の分配が低・中所得層に集中するのは適切だ」と述べ、富裕層に「連帯責任」を負うよう求めました。
 23年の予算案は前政権が昨年10月に提出。11月の総選挙で政権交代したアンワル政権が修正案を提出しました。前政権が検討していた消費税の再導入について、アンワル氏は物品サービス税などの課税対象の広範な消費税を実施する計画はないと述べました。
 歳出総額は3881億リンギ(約11兆6000億円)で、燃料への補助金、零細企業の減税、貧困層への現金支給などは維持されます。
 今後、所得税制を改正し、低・中所得者層は2%の減税、高所得層は最大で2%の増税とします。ぜいたく品とキャピタルゲインへの課税は近く立法化します。アンワル氏は「今より累進的な税制にする」と述べました。
 アンワル氏は行政の効率化によって浪費を最小限に抑え、財政再建を進めると表明。国内総生産(GDP)比の財政赤字は、当初案の5・5%から5%へ縮小させました。

【東京新聞】2月20日<社説>マイナカード 政府の強引さ目に余る
 マイナンバーカードの用途拡大や普及を巡り、政府や一部自治体の取り組みに強引さが目立つ。賛否が分かれるカードの押し付けは制度に対する国民の不信を強めるだけだ。再考を促したい。
 政府は、年金や児童手当の振込先として行政機関が把握する口座情報をマイナカードにひも付ける新制度を導入する方針だ。利用者が拒否しなければ、同意がなくても登録できる案が有力視される。
 さらに社会保障と税、災害対策に限定した利用範囲を、国家資格更新や自動車登録、在留外国人関連の事務などにも拡大。政府が番号を扱う事務や照会の範囲も、法改正なしで広げられる仕組みに改めるという。いずれも今国会に提出を予定するマイナンバー法改正案に盛り込む。
 ただ、口座のひも付け案は、個人の資産を行政が把握することへの国民の警戒感が強く、以前も断念した経緯がある。
 利用範囲の拡大は情報漏えいに加え、利用者の知らないところで政府に勝手に名寄せされ、悪用される恐れも高める。
 政府の個人情報保護委員会によると二〇一七〜二一年度の五年間で少なくとも三万五千人分のマイナンバー情報の漏えいなどが起きた。安全性に対する懸念や監視社会への不安が解消されていないにもかかわらず、利用範囲を強引に拡大するのは乱暴極まりない。
 岡山県備前市は保育料や給食費などを無償とする対象を、新年度から家族全員がカードを取得した世帯に限定するという。教育の機会均等に抵触しかねず、住民らの反発は当然だ。
 背景にはカード交付率を地方交付税算定に反映させる政府方針がある。自治体間の財政不均衡を調整する交付税を、特定政策の誘導に使うことは慎むべきである。
 政府はカード取得者にポイントを付与する普及策を進めるが、取得率は一月末時点で約六割にとどまる。来年秋に現行の健康保険証を廃止し、カードに一本化する事実上の義務化も打ち出した。
 そもそもカード取得は任意であり、強引な普及策は逆効果だ。
 政府がカード普及を必要とするなら、用途や利用範囲の拡大などを強引に進めるのではなく、安全性をより高める制度設計に努め、国民の懸念を払拭することが先決ではないか。改正案の今国会提出は見送りを求めたい。