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軍拡と大増税(上)税・財政ゆがめる危険な道、(下)消費税増税分は軍事費にも(以上「赤旗」)、中小の価格転嫁 賃上げの妨げ除かねば(「東京」)
2023年2月11日
【赤旗】2月8日 軍拡と大増税(上)税・財政ゆがめる危険な道 
 岸田文雄首相は2022年12月16日、「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」を閣議決定し、大軍拡の道を突き進もうとしています。「戦争国家づくり」は税・財政をいっそうゆがめます。(清水渡)
 「国家安全保障戦略」では、軍事費の水準について「2027年度において」「現在の国内総生産(GDP)の2%に達する」としています。「防衛力整備計画」によると、27年度の軍事費は8兆9000億円となり、23年度から27年度の累計で43兆円程度になると見込んでいます。
◆軍拡は国民負担
 膨大な軍拡を支える財源をぐつ賄うのでしょうか。「安保3文書」を取りまとめるために政府が開催した「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が22年11月22日に公表した報告書は、「安定した財源の確保が基本」とし、軍事費の「抜本的強化のための財源は、今を生きる世代全体で分かち合っていくべき」と強調しました。
 提言を受け、政府は軍拡財源を①複合ビル大手町プレイスなど政府資産売却益や特別会計剰余金など税外収入でつくる「防衛力強化基金」②決算剰余金の活用③歳出改革④増税―で確保すると表明しました。
 しかし、①の税外収入は、使ってしまうとなくなる一度きりの財源であり、財政の継続性に期待できません。②の決算剰余金は、その半分を国債の返済にあてることが法律で決まっており、残りの部分もこれまでは補正予算の財源となってきました。もし、決算剰余金を軍拡財源にあてれば、補正予算は赤字国債を財源の中心に据えることになり、国民負担となります。歳出改革にしても増税にしても、国民負担増という点ではかわりがありません。
◆所得税が財源か
 増税をめぐっては、23年度「税制改正大綱」で、①法人税②復興特別所得税③たばこ税l乞軍拡にあてることが提起されました。実施は「24年以降の適切な時期」とされています。
 このうち、法人税は本体税率を変えず、付加税として税率に上乗せします。過去、付加税方式が採用されたのは復興特別法人税など、一時的な財源です。たばこ税収は、度重なる増税にもかかわらず、減少傾向にあります。復興特別所得税も期限付きの税金です。期限が過ぎた後は、軍拡財源に流用する「1%」分だけを続けることになります。軍拡の財源は、恒久的に必要となるため、所得税が中心となる恐れがあります。(つづく)

【赤旗】2月9日 軍拡と大増税(下)消費税増税分は軍事費にも
 岸田文雄政権は、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡を宣言した「安保3 文書」を閣議決定した1 週間後となる2022年12月23日、23年度政府予算案を閣議決定しました。
 軍拡宣言初年度となる23年度の予算案は当年分の軍事費として22年度当初比1兆4214億円増となる6兆8219億円を計上。さらに翌年度以降の軍事費の財源として確保される「防衛力強化資金」への繰入額3兆3806億円を加えると、10兆円を超えます。
◆米兵器購入踊倍
 23年度の軍事費で目立つのは米政府からの兵器購入の増額です。米政府の武器輸出制度である有償軍事援助(FMS)は1兆4768億円と、22年度の4202億円から3・5倍に急増。軍事費増額分の4分の3近くを占めます。購入するものの中には長距離巡航ミサイル・トマホークが含まれるとみられています。
 一方、米政府は計画していた地上発射型中距離ミサイルの在日米軍への配備を見送ると報道されています(1月23日付「読売」)。その理由は日本がトマホークなど長射程ミサイルを保有すれば、中国の中距離ミサイルに対する「抑止力」が強化され、米軍への配備は不要と判断したといいます。米軍を肩代わりし、日本を対中戦略の最前線に置く米国奉仕の予算は鮮明です。
◆「少子化」口実に
 軍拡予算を閣議決定した岸田政権は、1月4日の年頭記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明しました。「将来的なこども予算倍増」を実施するとしています。子ども予算の倍増には、新たに数兆円の財源が必要とみられます。その財源について甘利明前自民党幹事長は1月5日、出席した民放報道番組で「子育ては全国民に関わり、幅広く支えていく体制を取らなければならず、将来の消費税も含めて少し地に足をつけた議論をしなければならない」と発言しました。甘利氏は自民党税制調査会でインナーとよばれる幹部の一員で、発言には重みがあります。
 口実が少子化対策の拡充であったとしても、消費税増税が行われれば、結果として軍拡に使われるおそれがあります。
 お金に色がついていない以上、一般会計に入った消費税の増収分は、社会保障にも軍事費にも使われるからです。
 23年度「税制改正大綱」では、10月からのインボイス(適格請求書)制度の強行や税理士以外の税務相談を処罰する規定が盛り込まれました。これらも軍事費を確保するため、零細の消費税免税業者からも消費税を徴収するとともに、税制に対する異議申し立てを弾圧する狙いがあるとみられます。軍拡は国民収奪で賄われるのです。(おわり)

【東京新聞】2月10日<社説>中小の価格転嫁 賃上げの妨げ除かねば
 経済産業省が取引先との価格転嫁交渉に後ろ向きな大企業を公表した。中小企業の賃上げの妨げになっている深刻な問題で公表は当然だ。指摘された企業の経営者には猛省と対応の改善を促したい。
 経産省は、十社以上の中小企業が「主要な取引先」としている大企業約百五十社を調査し、約二割が価格交渉への取り組みが不十分だったと公表。こうした企業に指導を行う方針を示した。
 価格転嫁は昨年十二月、公正取引委員会も緊急に調査し、大企業十三社に是正を求めている。
 企業間の取引を示す企業物価指数は昨年十二月時点で前年同月比10・2%上昇と九カ月連続で過去最高を更新した。ロシアのウクライナ侵攻を背景とする資源高が原材料費を押し上げているためで、中小企業は取引価格への転嫁を余儀なくされている。
 しかし、優越的な立場にある大企業が交渉で圧力を加え、多くの中小企業がコスト上昇分を十分に価格転嫁できないとの指摘が相次いでいた。
 今回の調査により、中小企業の置かれた深刻な経営環境が、統計的に裏付けられた形だ。
 経産省は本年度、価格交渉を監視する「下請けGメン」の数を二百四十八人に倍増した。今後も理不尽な取引が収まらない場合はGメンを増員し、悪質企業には独占禁止法や下請法など関連法に基づいて厳しく行政指導すべきだ。
 本紙と城南信用金庫の調査には72・8%の中小企業(東京都、神奈川県)が「賃上げの予定なし」と回答。大企業の圧力で価格転嫁できずに利益率が一段と減少し、人件費を増やして賃上げしたくても、逆に削らざるを得ないというのが、多くの中小企業の実態ではないか。
 帝国データバンクの調査によると、取引先からの圧力で高騰する原材料価格を転嫁できず、倒産した企業は昨年、建設業を中心に前年比二・三倍に急増した。
 日本国内で中小企業は、事業者数ベースで九割以上、雇用ベースで七割以上を占めており、経済成長の礎だ。今年の春闘では、経団連が参加する大企業に対して賃上げの実現を呼び掛けたが、中小企業で働く人々にまで賃上げが行き渡らなければ春闘は終わらない。
 大企業の経営者はそのことを肝に銘じ、中小企業の価格転嫁問題に誠実に向き合うべきである。