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草の根交流ニュース
白書が描く経済(つづき)―デジタル、食糧危機
2022年8月21日
【赤旗】8月19日 白書が描く経済―デジタル
 「通商白書」は、「世界規模でデジタル変革が急速に進展」しているといいます。ただ、そのなかでも構造的問題や脆弱(ぜいじゃく)性への指摘が出てきています。
 「通商白書」は、国際的には「デジタル変革を実現する上では、国家間で公平かつ公正な競争環境が整備されていることが重要」だとして、各国・各地域の政府はグーグルやアマゾンなど「巨大化したプラットフォーマー企業に対して、適正な市場活動を行ってもらうべく、横断的なルール整備を進めている」としました。
 「情報通信白書」も「経済分野でグローバル・プラツトフォーマーの市場支配力は一層高まりをみせて」いると指摘。「膨大な経済的価値を有するデータの所有が一部のグローバル・プラットフォーマーに集中することで市民の「行動や嗜好(しこう)が特定の 企業によって管理されるょうな状況への懸念」があると警告しました。
 こうした状況に対し、白書は欧州連合(EU)が産業データへのアクセスに関する域内統ールールの整備を行って2月に「データ規制案」を公表したと紹介しています。
 また、国際通信の99%は海底ケーブルを経由して行われています。「情報通信白書」は、ケーブル終端の陸揚局が、日本では千葉県房総半島に一極集中し、地震や「意図的な損壊」による通信途絶の「リスクが顕在化している」と指摘しました。
◆経済安保強調
 「情報通信白書」では、「ハイテク分野を中心に経済活動と安全保障の関係が現実の政策テーマとして意識されるようになった」として、デジタル化に関する経済安保を強調しました。
 同白書は、情報通信産業の生産額が2014年時点で1位が中国、2位が米国となり、米中の「技術覇権争いを背景」に、米国が「対米投資審査」や「輸出規制」を強化していると指摘。日本については米国の軍事・経済的な対中世界戦略に日本を組み込む「経済安全保障法の成立」を紹介し、総務省として先端技術に対する「国の集中投資による研究開発の加速化を図る」としました。
 また、ロシアによるウクライナ侵略で「偽情報の拡散など攻撃手段としてもICT(情報通信技術)が悪用されて」いると指摘しました。
◆格差の拡大に
 岸田文雄首相は目玉政策として、経済安保法に加え、「デジタル庁」「デジタル田園都市国家構想」「日本周回の海底ケープルの敷設」などの政策を進めています。
 「通商白書」は日本がデジタル化で「投資額等で他国に比べ劣後」「産業全体で競争力を喪失」などとして、さらなる国主導の推進強化を提唱。「情報通信白書」はデジタル化が「あらゆる社会経済活動を支える最も基幹的なインフラのーつ」になっているとして、教育分野で「GIGAスクール構想に基づき、全国ほぼ全ての小・中学校において1人1台端末及び校内通信ネットワーク環境が整って」いるなどと解説しました。
 しかし、困窮家庭の学習や居場所支援を行うNPO団体からは、最新調査でネツト接続できない家庭が調査対象の半数に上ったとして、格差・貧困の新たな拡大を警告。自治体や研究者からは、地方のデジタル化推進によって人的削減や住民サービスの低下が起きると批判が上がっています。

【赤旗】8月20日 白書が描く経済―食料危機
 最新版の2021年度農業白書(食料・農業・農村の動向)は、「食料自給率の向上や食料安全保障の強化への関心が一層高まっています」と述べ、直近の食料価格の高騰や食料需給の動向などを取り上げています。新型コロナウイルス禍、やロシアのウクライナ侵略などの影響で、世界的に食料供給への懸念が生じていることを受けたものです。供給不安がいよいよ現実のものになりつつあります。
 白書は、「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これに輸入および備蓄を適切に組み合わせる」ことで食料の安定供給を確食料危機経済が描く保すると述べるものの、抜本的な増産の方向を示してはいません。 
◆穀物価格高騰
 人口増加に伴う食料需要の増加が進む一方、気候変動のほか、家畜の伝染病や植物の病虫害の発生などが食料生産を不安定にしており、白書も、「(食料需給が)中・長期的にはひっ迫が懸念され」ると指摘しています。特に21年以降、米国やカナダにおける高温・乾燥による不作、ロシアのウクライナ侵略の影響による供給不安で、小麦をはじめ穀物の国際価格が高騰しています。穀物価格の国際的指標とされるシカゴ商品取引所で3月8日、小麦の先物価格が14年ぶりに史上最高値を更新しました。トウモロコシ、大豆なども値上がりました。国連食糧農業機関(FAO) が公表している世界の食料価格指数は3月、1990年の統計開始以来の最高を2カ月連続で更新しました。その後、やや下がったものの、なお高水準にあります。
◆自給率向上を
 穀物の国際価格の上昇を受け、政府は4月、輸入小麦の売り渡し価格を17・3%引き上げました。小麦の輸入は国家貿易で、政府が一手に輸入した後、製粉会社へ売り渡します。売り渡し価格は、国際相場の変動を受け、毎年4月と10月に改定されます。
 国際的に、小麦のほか、食料全般が値上がりしています。進行する円安と相まって、輸入食料も値上がりし、国内の食料価格を高騰させています。
 日本の食料自給率は20年度に史上最低の37%(37・15%=確定値)まで落ち込みました。そのうえ、主な食料の輸入元が偏っており、特に米国への依存が顕著です。農林水産省が5日発表した21年度の食料自給率が38%(37・99%=速報値)へ小幅上昇したとはいえ、食料自給率の向上は、もはや放置できない課題です。
 しかし、政府の食料・農業・農村基本計画は、10年先を見据えて食料自給率の目標や農政の基本施策を定めるものでありながら、自給率目標を引き下げたうえ、達成年限も先送りして、食料自給率向上に本格的に取り組む姿勢を示していません。