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消費税引き下げて インボイス中止を(「赤旗」3月16日)、働き盛りの所得減―非正規から正規へ流れつくれ(「赤旗」3月13日主張)
2022年3月20日
【赤旗】3月16日 消費税引き下げて インボイス中止を―建設アクションが署名提出
 建設関連の労働組合でつくる建設アクション実行委員会は15日、衆院第2議員会館で集会を開き、消費税5%引き下げとインボイス(適格請求書)導入中止を求める請願署名6万2569人分を衆参両院議長あてに提出しました。日本共産党、立憲民主党、れいわ新選組の国会議員が出席しました。
 開会あいさつで、埼玉土建の小峰大介副委員長は、「建設職人は消費税に苦しめられている。景気が悪いなか、資材やガソリン高騰が厳しい。消費税5%に下げてほしい」と強調しました。
 全建総連東京都連の堀井晶書記長は、「インボイスが強行されれば、値引きの強要や取引からの排除が起こってしまう。反対の世論を広げよう」と呼びかけました。
 各組合から、「ウクライナ侵略反対を訴えているが、建材、ガソリン価格への影響も懸念している」(神奈川)、「木材の高騰や入荷がないため工事を始められない。生活必需品値上げから国民を守れ」(千葉)、「災害の被災や病気など困難にある人をさらに苦しめるのが消費税だ」(埼玉)、「消費税増税の一方、富裕層が資産を増やし、格差と貧困を拡大させている」(東京)、「ダンプの一人親方なども苦境になる」(建交労)と発言がありました。
 日本共産党の笠井亮、宮本徹両衆院議員、武田良介、山添拓両参院議員があいさつ。笠井氏は「コロナ禍でとくに飲食と建設が困難になっている一方、大企業は内部留保が466兆円にのぼる。中小事業者支援と公平な税制が必要だ」とのべました。

【赤旗】3月13日<主張>働き盛りの所得減―非正規から正規へ流れつくれ
 働き盛りの世帯の年所得が25年間で100万円以上減少したことを示す資料を内閣府がまとめました。非正規雇用の若年単身世帯の割合が大きく上昇しているデータも盛り込まれています。この資料は3日の経済財政諮問会議に提出されました。四半世紀の間に国民の所得が大幅に落ち込んだことを政府が詳細にまとめたものとして注目されます。
 この深刻な事態をつくり出したのは歴代政府の悪政であり、政策の抜本的転換が急がれます。
◆若年層に深刻なダメージ
 今回示されたデータは、バブル経済崩壊後の1994年と2019年の世帯所得を年代別で比べたものです。税金などで再分配後の世帯所得の中央値(順位が真ん中の値)は、25年間に35~44歳で569万円から465万円と104万円減です。45~54歳ではさらに大きく、697万円から513万円と184万円も減りました。
 内閣府は、同じ25年間に40~59歳の世帯では共働きが増え、配偶者の所得は増えているにもかかわらず、世帯主所得の落ち込みを上回るほどではなく、世帯の所得が減少したと分析します。
 非正規化は、若年層にダメージを与えています。25~34歳の単身世帯では、200万円台の世帯所得の割合が上昇しました。その要因について内閣府は、「非正規雇用の『若年単身世帯』の割合が25年前から大きく上昇していることが影響」しているとしています。
 いわゆる「就職氷河期世代」を含む35~44歳の単身世帯の所得では、1994年に500万円台が最多でした。それが2019年には300万円台が最も多くなりました。この年代の非正規雇用者の所得分布でみると、200万円台の世帯数がいちばん多くなっています。
 自民党政権のもとで、働く人の4割、女性や若者の5割以上が非正規となっています。人件費削減を目的とした労働法制の規制緩和による非正規化は、日本経済をもろく弱くしてしまいました。この誤った政策を司令塔として推進してきたのが、経済財政諮問会議です。同会議に貧困と格差の拡大を分析した資料が出されたことを深刻に受け止めるべきです。
 経済財政諮問会議の経済界代表などの民間議員は、女性が非正規雇用にとどまる傾向の是正を課題にあげますが、これまでの労働法制の規制緩和への反省はありません。
 岸田文雄首相は所得向上など「人への投資」の強化策を盛り込むと表明しています。しかし、これまで首相が打ち出してきた政策は、まったく不十分なものです。エッセンシャルワーカーへの対策として打ち出された看護師などへの賃上げには、現場から「桁が違う」という批判の声が上がりました。賃上げした企業への減税も、中小企業が使いにくく、ほとんど効果のなかったものです。
◆規制緩和から転換こそ
 働く人の所得向上には財界応援政治と決別し、労働法制を抜本的に強化することこそ不可欠です。非正規から正規化への流れをつくるとともに、最低賃金以下で働くなど無権利状態のフリーランスやギグワーカーなど、新たな問題への規制と保護をしてこそ、消費も増え、「強くやさしい」日本経済への道を開くことができます。