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GAFA支配①元従業員「憎悪を助長」、②行動操るスマホゲーム、③米の諜報機関が後押し、④世界で進む規制強化
2021年12月5日
【赤旗】11月30日 GAFA支配① 元従業員「憎悪を助長」
 GAFA (ガーファ)と呼ばれる米国企業のグーグル、アップル、フェイ滴プック(現メタ)、アマゾンはデジタル化の進展とともに世界屈指の巨大企業に成長しました。個人や社会に対する新たな形の支配が問題になっています。(日本共雄党政策委員会湯浅和己)
 GAFA の売上高の合計は100兆円を超えます。2021年8月に4社の株式時価総額の合計は7兆500億が(約770兆円)に達し、日本の全上場企業の時価総額の合計を上回りました。
<情報を収集>
グーグルの基本ソフト「アンドロイド」が組み込まれたスマートフォンやタブレットは世界で30 億台。iPhone (アイフォーン)などを販売するアップルの全製品の利用台数は16 億5000 万台。フェイスブックのグループ全体の利用者は35 億人を超えています。
 問題は、強力な市場支配力を持ったGAFA が人工知能(AI )を使って世界中の利用者からあらゆる個人情報を独占的に集め、分析し、行動を予測し、人々に影響を与えてコントロールしているという点です。
 GAFAは新自由主義の政策を進める国家権力や諜報機関と深く結びついています。時にはそれらと一体となって個人情報やプライバシーを守る法律を骨抜きにし、個人を監視下に置き、社会全体を新たな形で支配しようとしています。 
<紛争あおる>
 21年10月、米上院の公聴会にフェイスブックの元従業員が出席して証言しました。同社がアルゴリズム(データ処理の手順)を変更した結果憎悪を助長する投稿が拡散されやすくなり、「子どもたちを害し、分断をあおり、われわれの民主主義を弱めている」と。エチオピアなどでは民族の紛争をたきつけているとの見方を示しました。
 「社内で何が起きているか、社外の人はほとんど知らない。フェイスブックの幹部は重要な情報を国民から隠している」
 元従業員は、フェイスブックのデータにアクセスする権限を社外の専門家に与え、調査できるようにすべきだと指摘しました。
 GAFA4社の21年4~6月期決算は前期に続いて窒削の大もうけを計上しています。4社の純利益の合計は286億㌦(約3兆円)にのぼりました。なかでもグーグルとフェイスプックの純利益は倍増しました。
<資産が急増>
 GAFAの創業者の資産も急増しています。アマゾンの創業者ジェク・ベゾス氏の資産はコロナ危機が深刻化した20年3月から7月までに1・9倍に増え、2124億㌦(約24兆円)に。フェイスプックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO) の資産も20年3月から8月までに倍増し、1000億㌦(約11兆円)に達しました。
 GAFAは膨大な消費者データを蓄積する一方、それらの消費者に商品を売る機会を世界中の事業者に提供し、巨額の広告料・手数料収入を得ています。
<もうけ助長>
 現行税制の抜け穴もGAFAのぼろもうけを助長してきました。インターネットを通して事業を展開し、進出先に「物理的拠点(支店や工場)を持たないなどの理由で、海外であげた収益への課税を免れてきたのです。
 しかし21年10月8日、こうした税逃れに対抗して新たなルールを創設することで136カ国・地域が合意しました。①法人税に15%の世界共通の最低税率を設ける②GAFAなど巨大グローバル企業の全世界利益のの一部を市場国に配分して課競ずる―いうものです。これで税収が年1500億㌦(約17兆円)程度増えると経済協力開発機構(OECD)は試算します。
 最低税率の導入は、30年以上続いた法人税減税競争への歯止めにつながる歴史的な転換です。わが国をはじめ各国で行われてきた不公平税制をただす運動が政府や国際社会を動かした成果です。‘
 「15%では低い」などの課題はあります。すべての巨大グルーバル企業の税逃れを許さず、より安定的で公正な国際課税ルールを確立し、迅速に実施する必要があります。 (つづく)(4回運載です)

【赤旗】12月1日 GAFA支配② 行動操るスマホゲーム
 インターネットでどんな情報を閲覧したか。誰とどんな通信をしたか。何を買ったか…。スマートフォン(スマホ)を使う人は、意識していなくても、膨大な個人情報を日々新たに生み出しています。
 そうした個人情報の一つに位置情報があります。スマホの位置情報は全地球測位システム(GPS)などによって把握されます。IT(情報技術)企業はスマホ利用者の位置情報を収集、分析、活用して収益を得ます。スマホゲームの中にも、利用者の位置情報を集め、利用者の行動を操る道具とされているものがあります。
<誘導される現実>
 愛くるしいピカチュウをはじめ、不思議な生き物が登場するゲームの「ポケットモンスター(ポケモン)」。そのポケモンから派生した「ポケモンGO」は2016年の発表以来、150以上の国と地域で展開され、ダウンロード数が10億を超えるほどの大人気となっています。
 ポケモンはもともと日本の任天堂が生み出したゲームでした。しかしポケモンGOは、グーグルから独立した「ナイアンティック社(ナ社)」が開発したスマホゲームです。
 ポケモンGOの特徴は、スマホの位置情報を活用することにより、現実世界そのものを舞台としてプレーする点にあります。実際の街を歩いてポケモンを捕まえたり、バトルさせたりします。
 ポケモンGOを楽しむためには、現実世界に設定されたポケストップに行かなければなりません。ポケストップとは、ポケモンを捕まえたり、成長させるためのさまざまなアイテムが出てくる場所のことです。ポケストップの多くは公園や駅周辺にありますが、ナ社とスポンサー契約を結んだ企業の店舗もポケストップに設定されます。
 このため、ポケモンGOをプレーしながら街を歩くと、必然的にコンビニやファストフード店に近寄ることになります。それらの企業の店舗がポケストップに設定されているからです。その店で思わず、飲食料などの現実の商品を買う人も出てくるでしょう。
<天然資源の人間>
 ナ社はポケストップの位置をコントロールすることで、プレーヤーの群れを操り、スポンサーが展開する店舗に導いています。ポケモンGOがスポンサー企業の集客と売り上げに貢献する仕組みになっているのです。
 ポケモンGOの真の顧客は、無料でゲームを楽しむプレーヤーではなく、商品をより多く売らんとする企業です。ナ社は16年以来、マクドナルドやセブンイレブン、ファミリーマートなどと契約を結んできました。ナ社はこれらの企業が支払うスポンサー料から収益をあげています。
 ポケモンGOの恐ろしい真実は、世界で数億人が遊ぶゲームを、「監視資本主義」のための道具に変換したことです。
 ポケモンGOをプレーするためには、スマホの位置情報をナ社に提供しなければなりません。ナ社はポケモンGOで遊ぶプレーヤーの動きから、消費者の行動に関する多くの情報を得ます。いつ、どこへ、どのようにして行ったか。そこにどのくらいの時間いたか。他には誰がいたか。
 ナ社は、ポケモンGOから集めた人々の行動情報をすべて集積、分析して、スポンサー企業を増やすなど、さらなる収益実現のために生かしています。
 ナ社にとってプレーヤーは、行動情報を供給し続ける「人間という天然資源」です。(つづく)

【赤旗】12月2日 GAFA支配③ 米の諜報機関が後押し
 10月28日、インターネット交流サイト(SNS)世界最大手の米フェイスブックは、社名を「Meta(メタ)」に変更すると発表しました。利用者の投稿の扱いなどをめぐって批判が強まる中、社名変更はそれをかわすための窮余の策と受けとめられています。
 フェイスブックをめぐっでは、昨年の米議会襲撃事件の際、破壊活動が本格化するまで、暴力をあおる投稿を制限しなかったことに批判の声があがりました。フェイスブックの約5千万人の個人情報が、2016年の米大統領選でドナルド・トランプ候補(当時)陣営に利用されたことも報じられています。
 最近でも、米ワシントン・ポスト紙(21年10月25日付)は、フェイスブックのザッカーバーグ氏がベトナム共産党の要求を受け入れ、反政府派の投稿を検閲することを認めていたとする証言を紹介しています。
<行動巧みに誘導>
 スマートフォン(スマホ)はその便利さ、手軽さから身近な存在となり、生活のあらゆる場面に関わっています。私たちはスマホで本を注文し、疑問に思うことを検索し、目的地までの経路を調べ、他人の投稿に「いいね!」をクリックし、好みの動画を見ます。
 グーグルやフェイスプックはそうした情報を蓄積して、利用者の趣味、交友関係、思想、支持政党まで分析することができます。グーグルは検索履歴から、フェイスブックは投稿や「いいね!」の履歴から、個人の行動に関する情報を独占的に蓄積し、解析しています。アマゾンも購入・閲覧履歴から個人情報を集積します。
 世界の数十億人分の個人情報が吸い上げられ、人工知能(AI)によって分析されて、スマホの画面に購買意欲をくすぐる商品を表示するために活用されています。各人の好みに合わせて表ホ内容を変える「ターゲティング広告」です。
 グーグルやフェイスブックやアマゾンは、あたかも自分の自由意思で判断しているかのように利用者の行動を巧みに誘導し、支配しているのです。
 「われわれの生活に関するあらゆる情報が収集・販売されるのは正常で不可避なことだと認めてしまったら、われわれは情報以上のものを失う。人としての自由を失うのだ」
 アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は21年1月、個人情報の収集に依存するフェイスブックやグーグルの事業構造をこう批判しました。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック〈現メタ〉、アマゾン)の一角を占める巨大企業からの本質を突いた指摘です。
<監視や規制回避>
 新自由主義のイデオロギーに染まった権力や、「テロとのたたかい」-を叫ぶ米国の諜報(ちょうほう)機関にも、GAFAは積極的に接近しています。
 GAFAは新自由主義の流れに乗り、法律や規制からのあらゆる「自由」を要求しています。そしてプラットフォーム(インターネツト上で売り手と買い手を結びつけるビジネス)やアルゴリズム(AIによるデータ処理の手順)を制限するような外部からの監視や規制を「表現の自由」の名のもとに避けることに成功してきました。
 1996年に米国で成立した「通信品位法」230条は、ウェブサイトは発行者ではなく仲介者だという考え方を制度化しました。利用者が発信した情報に関する訴訟からウェブサイトの所有者を保護する法律で、フェイスブック、グーグル、ツイッターを守る要塞(よっさい)となっています。
 さらに、GAFAの異常な成長を米諜報機関が後押ししています。デジタル情報の収集・分析を行う米国家安全保障局(NSA)のマイク・マッコーネル第13代長官は2010年にこう述べました。
 「国の重要なインフラを守るために、―情報が公的機関と民間機関、機密と非機密との間を速やかに行き来できるように民間企業との効果的なパートナーシップを築かなければならない」
 NSAの元長官キース・アレクサンダー氏は20年9月、アマゾンの取締役に就任しました。「9・11テロ」を契機に強まったGAFAと米諜報機関との蜜月は、現在にいたるまで継ぎ目なく続いています。(つづく)

【赤旗】12月3日 GAFA支配④ 世界で進む規制強化
 米国では近年、GAFA(グーグル、アップル、フェイスプック〈現メタ〉、アマゾン)の市場独占が公正な競争を妨げ、消費者の利益を損ねているとして規制を強化する動きが活発化しています。
 GAFAの企業分割や、競合企業を消し去るための先手買収の防止などを求めた反トラスト法(独占禁止法)改正案が米連邦議会に提出されています。独禁法違反を間う州当局による訴訟も相次いでいます。
 バイデン大統領も7月、プラットフォーマー(インターネット上で売り手と買い手を結びつける企業)による市場独占で商品価格の高騰や賃金低下が起きているとして、政府機関に監督強化を指示する大統領令に署名しました。
<データの消去権>
 欧州連合(EU)ではインターネット上の消費者の権利保護を強めるため、新たにデジタルサービス法とデジタル市場法制定を進めています。
 デジタルサービス法案はプラットフォーマーへの監督・調査などを規定。欧州委員会が立ち入り検査する権限や、データベースとアルゴリズム(データ処理の手順)にアクセスする権限を持ちます。また、インターネット交流サイト(SNS)でのヘイトスピーチなど違法な投稿内容の削除を事業者に義務づけます、違反した場合は最大で世界売上高の6%の罰金を科し、事業分割を命じることもできます。
 デジタル市場法案では、プラットフォーマーが自社サイトで自社サービスを優遇して他社を締め出す行為などを禁止。違反には最大で世界売上高の10%の厳罰を科します。
 2018年に施行されたEUの「一般データ保護規則」(GDPR)では、人工知能(AI)などの自動処理のみで重要な決定をくだされない権利、企業が蓄積したデータを消去させる権利などが明記されています。データ消去権はEUから台湾、韓国などに広がっています。
<逆行姿勢の日本>
 デジタル化が進む中、多くの国が国民のプライバシーを守るための法律や監督機関を整備しています。ところが日本政府は正反対に規制を弱めてデジタル化を促進する姿勢です。20年の個人情報保護法改定は個人の権利や利益を守るどころか、個人情報を企業が使いやすくするものでした。
 政府はマイナンバーカードに固執し、機能拡大を狙っています。マイナンバーカードを健康保険証として本格運用し、運転免許証や大学の学生証、在留カードとも一体化しようとしています。国民の資産を把握するため、預貯金口座や国税・年金情報とマイナンバーをひもづけることまでたくらんでいます。
 さらにこの仕組みを都道府県、政令市に義務づけ、市町村にも広げようとしています。岸田首相は21年11月16日、新たに発足させたデジタル臨時行政調査会の初会合で、国・地方の制度やルールを「デジタル時代に合ったものに作り直していく」と述べました。
 地方自治体が持つ機微な個人情報がマイナンバーによって国や警察、医療機関、年金機構などの持つ個人情報と結び付けられれば、個人のプライバシーは丸裸にされます。それをしゃにむに進めようとしているのが、強力な権限を握るデジタル庁です。国民の個人情報が特定企業によって簡単に「利活用」されるよろになれば、喜ぶのはGAFAです。
 プライバシーを守る権利は、憲法が保障する基本的人権です。国民のためのデジタル化を進めるためには、信頼される政権のもとで、個人僧報やプライバシーを保護するルールや体制を強める必要があります。
 日本共産党は▽マイナンバーカードやデジタル庁の廃止▽日本版GDPRの制定▽情報の自己決定権などを含む個人情報保護法と条例の抜本的強化▽行政と企業を国民の立場で監視・監督する第三者機関の設置▽事業者の個人情邦漏えい事実の消費者への通知義務▽十分な被害救済▽罰則の強化―などを求めています。これこそ、GAFAから個人の自由を守り、民主主義の発展に資する真のデジタル化を実現する道です。(おわり)