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<社説>ふるさと納税 「官製通販」見直しを(「朝日」)、<主張>閉幕した東京五輪―強行が命の危機を加速させた(「赤旗」)
2021年8月14日
【朝日新聞DIGITALE】8月13日<社説>ふるさと納税 「官製通販」見直しを
 ふるさと納税による寄付の膨張が止まらない。昨年度に全国の自治体が受け入れた寄付額は前年度を4割も上回り、過去最高の6724億円にのぼった。
 自治体間の過剰な競争を抑えるため、返礼品を「寄付額の3割以下」にするルールが導入され、19年度は7年ぶりに減少に転じた。だが、ルールは早くも骨抜きになっている。
 例えば、コロナ対策で農水省が始めた農林水産品の販売促進の補助金を使えば、返礼率を大幅に高めることができる。20年度に寄付額が急増したのはコロナ禍での「巣ごもり消費」に加え、ルールの形骸化も影響しているだろう。
 ふるさと納税は、寄付額の多寡にかかわらず、自己負担は実質2千円だ。高所得者ほど返礼品を多く受け取れるうえ、税の優遇も大きい。コロナ禍による格差の是正が政策課題になるなか、不平等な仕組みをこれ以上放置することは許されない。
 総務省によると、寄付額の45%が返礼品の購入費や、返礼品を選ぶ民間のポータルサイトへの手数料などに費やされている。昨年度の寄付額から換算すると、全体で約3千億円の税収が失われることになる。
 コロナ感染が特に広がっている東京などの都市部は、ふるさと納税で寄付する人が多い。財源の流出が続き、感染対策の費用をまかなえないような事態になっては困る。
 ふるさと納税の当初の趣旨は、寄付を通じて故郷に貢献してもらうことだった。しかし現状では「官製通信販売」になってしまっている。NTTグループの昨年の調査では、「出身地への貢献」のために制度を利用した人は12%しかいなかった。
 自治体間の財政力の格差を是正するのであれば、いまの地方税や地方交付税のあり方が妥当かを、正面から論じるべきだ。
 そもそも寄付とは、見返りを求めないものである。返礼品を受け取らずに、災害の被災地に寄付をする人もいる。ふるさと納税を続けるのであれば、返礼品をなくすなど抜本的に制度をつくり変える必要がある。
 しかし見直しの議論は進んでいない。ふるさと納税は菅首相が総務相時代に創設を決めた。反対した幹部が「左遷」されたこともあり、制度の欠陥を指摘されても、総務官僚らは見て見ぬふりを決め込んでいる。
 地方自治は「民主主義の学校」と言われる。返礼品を目当てに、自分が暮らす自治体から受けた行政サービスに対する負担を回避する制度は、地方自治の精神を揺るがす危うさがある。制度の生みの親である菅首相には、政策の誤りを認め、欠陥をただす責任がある。

【赤旗】8月10日<主張>閉幕した東京五輪―強行が命の危機を加速させた
 コロナの爆発的感染拡大のさなかの開催となった東京オリンピックが閉幕しました。期間中、新規感染者数は急激に増加し、必要な患者が入院できない深刻な状況を引き起こしました。緊急事態宣言下での五輪が感染抑止に完全に逆行し、国民の命の危機を加速させたことは疑う余地がありません。感染リスクを高めるとの専門家の警告や「五輪よりも命」と中止を求める世論に背を向け、開催に突き進んだ菅義偉政権、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)などの責任は極めて重大です。
◆期間中に感染者は激増
 多くの国民が不安と懸念を抱え続けた五輪でした。JNNの世論調査(9日報道)では「五輪が感染拡大につながった」との答えが60%に達しました。「朝日」世論調査(同日付)でも「安全、安心の大会にできなかった」は54%を占め、五輪で自粛が「ゆるんだ」の回答は6割を超えました。
 開会日の自衛隊ブルーインパルス飛行やマラソンなどを見るために各地で人が押し寄せ、開会式や閉会式でも新国立競技場周辺は多くの人でごったがえしました。
 世界最大級のスポーツの祭典を開催すること自体、政権が率先して“お祭りムード”をあおるものです。いくら無観客にして「テレビ観戦」を呼びかけたり、不要不急の外出や旅行をしないでと訴えたりしても、国民に危機感は伝わりません。強い行動制限を促す緊急事態宣言と相反する五輪開催という誤ったメッセージを発信したことが、感染抑止の取り組みの大きな妨げになり、感染急拡大に拍車をかけたことは明白です。
 東京の新規感染者数は開会日(7月23日)の1359人から今月5日には5042人に跳ね上がりました。全国の感染者数も1万5千人を超す最悪の数字となっています。医療機関のひっ迫の影響で自宅療養中に容体が急変し、命を失う人も出てしまいました。
 変異したデルタ株の急速な広がりに対処できず、ワクチン接種の遅れも打開できていません。「安全・安心の大会」は破綻がみえていました。にもかかわらず開催に踏み切ったことは、国民の命と引き換えにしたギャンブルという他ありません。24日からのパラリンピック開催は、間違った楽観的な発信を続行することになります。今こそ中止を決断し、感染抑止に全力を集中する時です。
 命の軽視は猛暑下での開催にも共通しています。男子マラソンは札幌に会場変更しても100人余の出場者の約3割が棄権する異常事態になりました。巨額な放映権料を握る米国のテレビ局の要求で夏開催が動かせない問題とともに、アスリートの最高のパフォーマンスが発揮できる「理想的な気候」と欺いて招致した日本政府などの対応が改めて問われます。
◆ゆがみ拡大させた菅政権
 これまでも五輪にはスポンサー企業の利害に左右される商業主義が指摘されてきました。コロナ禍は五輪そのものにはらむ数多くの矛盾を改めて浮き彫りにしました。安倍晋三前政権や菅政権は「国威発揚」「政権浮揚」のために五輪の政治利用を企て、ゆがみを拡大させました。命を脅かし、人間の尊厳などを掲げる五輪憲章の理念までも投げ捨てる大会を強行した菅政権の歴史に残る暴挙は厳しく追及されなければなりません。