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「一部の日本人の無知・無魂・無涙が、五輪開会式の醜聞を生んだ」―浜矩子(AERA)、臨時国会応じぬ与党 こんな時こそ徹底審議を(「毎日」社説)、異議あり 東京五輪―あまりに不平等な大会―正木照夫さん(「赤旗」)
2021年7月31日
【AERAdot.】7月27日 浜矩子「一部の日本人の無知・無魂・無涙が、五輪開会式の醜聞を生んだ」
 経済学者で同志社大学大学院教授の浜矩子さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、経済学的視点で切り込みます。
 日本人は本当に賢くて、本当に優しい。何かにつけてそう思う。だが、事あるごとに、日本人は本当に愚かで、本当に優しさに欠けるとも思う。
 東京五輪の開会式が数時間後に始まる。このタイミングで本稿を書いている今、我が日本人観は、完全に「愚かで優しさ欠如」の方に傾いてしまっている。一体、何人の五輪関係者が辞任や解任に追い込まれれば、醜聞に終止符が打たれるのか。
 激烈な女性蔑視ぶりを露呈した政治家。人気タレントの容姿を侮蔑することがショーアップ効果につながると思ったコピーライター。同級生いじめの「実績」を語ったミュージシャン。ユダヤ人大量虐殺をコントの題材にしたお笑い芸人。何とも、吐き気がするラインアップだ。
 この人々に共通するものが三つある。三つの無だ。無知・無魂・無涙である。
 無知は人間を無神経にする。知るべきことを知らないままでいると、とんでもない形で他者を傷つけることになりかねない。魂なき者には、無知の怖さがわからない。そして、自分の無知を恥じることを知らない。
 涙なき者ほど、哀れな存在はない。他者のために流す涙を持ち合わせていない者たちには、自分の惨めさがわからない。もらい泣きすることができない。それほど、悲しいことはない。
 類は友を呼ぶとは、よく言ったものだ。似た者同士がお互いを呼び寄せる。この力学が濃密に働く中で、辞任・解任ラッシュにつながる演出チームができあがってしまったのだろう。
 三つの無の「類友チーム」と、本当に賢くて本当に優しい日本人を一緒にしてはいけない。両者は別種の人々だ。有知・有魂・有涙の日本人は、無知・無魂・無涙の日本人よりも遥(はる)かに多いはずだ。三つの有の人々の賢さと優しさが、三つの無の軍団の愚かさと優しさ欠如を抹殺してくれる。そうに違いない。
 三つの有の日本人と、三つの無の日本人の最大の違いはどこにあるか。それは、三つの有の日本人には、三つの無の日本人を哀れむ能力があるということだ。三つの無からの解放。三つの有の日本人は、そのために祈ることができる。神よ、三つの無の日本人を救いたまえ。
浜矩子(はま・のりこ)/1952年東京都生まれ。一橋大学経済学部卒業。前職は三菱総合研究所主席研究員。1990年から98年まで同社初代英国駐在員事務所長としてロンドン勤務。現在は同志社大学大学院教授で、経済動向に関するコメンテイターとして内外メディアに執筆や出演 ※AERA 2021年8月2日号

【毎日新聞】7月27日<社説>臨時国会応じぬ与党 こんな時こそ徹底審議を
 立憲民主党など野党4党が臨時国会の早期召集を求めている。ところが政府・与党はこれを拒否する姿勢を続けている。
 自民党の森山裕国対委員長は「今、臨時国会を開く必要性があるのか」と語っている。全く理解できない発言だ。むしろ今こそ、国会での徹底審議が必要な時期だと言うべきである。
 東京都に4度目の緊急事態宣言が発令された後も、新型コロナウイルスの感染拡大は収まらない。そんな中で、東京オリンピックが始まった。ワクチン接種も混乱が続いている。
 国会は、政府がさまざまな政策の現状や見通しを広く国民に説明する場でもある。その機会がなくなれば国民の不安は募る一方だ。
 菅義偉内閣の支持率が下がり続けているのは、こうした説明軽視の姿勢も大きな要因のはずだ。
 にもかかわらず、政府・与党が臨時国会を拒むのはなぜか。結局、菅首相が野党から追及されるのを避けたいだけではないのか。
 秋までには衆院選がある。その事情も大きい。菅政権は衆院選直前にコロナ対策を中心とした補正予算を成立させ、それをテコに選挙を戦おうとしているようだ。
 確かにコロナの影響が一層深刻になる中、収入減となっている人たちへの経済支援は急務だ。補正予算が必要と言うのなら直ちに編成して国会で審議すればいい。
 国会が休会しているからでもあろう。大半の衆院議員は今、近づく選挙に備えて地元に張り付いている。自らの選挙を優先する姿に国民はさらに失望するだろう。
 今回の野党の要求は憲法に基づくものだ。臨時国会について、憲法53条は衆参両院いずれかの総議員の4分の1以上の要求があれば「内閣は召集を決定しなければならない」と定めている。
 ただし召集の期限は明記されていないことから、これまでも自民党は野党の要求を拒否してきた。
 だが召集要求に応えるのは「憲法上定められた法的義務だ」とする地裁判決も出ている。
 自民党は、憲法を改正して大地震などの緊急事態に際しても「国会の機能をできるだけ維持する」と訴えている。コロナ禍の緊急時に臨時国会を開かないのはご都合主義というほかない。

【赤旗】7月31日 異議あり 東京五輪―あまりに不平等な大会
―和歌山「正木道場」館長・拓殖大学柔道部師範・八段正木照夫さん
 コロナ禍で行われる今大会は、公平な条件で競うという観点が欠けているように思えてなりません。
◆有利な日本勢
 柔道では日本勢が多くのメダルを獲得しています。各選手ともに体がよく絞れ、スタミナ十分。試合に向けた稽古や調整がうまくいったのだと思います。それもそのはず、柔道日本代表は選手村に入らず、トレーナーや栄養士などのスタッフを引き連れてチームが用意したホテルに宿泊しているのです。食事、治療、練習を好きな時間に行える、まさに最高の環境です。
 それに比べて選手村に入った各国の代表選手はどうでしょうか。感染対策のため同行できるスタッフも限られ、食堂が混み合うと食事時間をずらすこともあるといいます。外出も許されず、練習時間も限られます。その上、選手村でも感染者が出ていることが精神的なストレスになるでしょう。
 日本の選手は柔道のほかにレスリング、卓球、バドミントンなどが選手村に入らず他の施設を拠点にします。それを大手新聞やテレビ局は「地の利」などと表現し、好意的に報道していました。自慢できるようなことなのか。私は疑間に感じます。
 いくつもの金メダルを期待される競技は強化費も潤沢で、高級なホテルに陣取ることができますが、そこで他に差をつけるのは、公正・平等をうたうスポーツの精神にてらして、正しいでしょうか。
 私は高校教員時代に選手、指導者、審判員として何度も国民体育大会(国体)に出場しました。国体では、出場者が
泊まる宿すべてに「大会標準献立レシピ集」という冊子が配られ、宿はそれに従って大会期間中の朝食とタ食をつくりま
す。すべての宿で同じ日に同じ食事を提供し、選手間で食事による有利不利がつかないようにしているのです。
 スポーツが持つ平等な精神は、こんなところにも表現されているのだなと感心したものです。
◆仕切り直して
 今大会はメダル至上主義・勝利至上主義にとらわれ、スポーツの精神をないがしろにしているように見えます。
 コロナ禍では来日前の練習環境から国や地域、協会ごとに格差が生まれていました。感染拡大がおさまらない中で強行した五輪は、競技の公平さにも大きなゆがみをもたらしています。
 そもそも、東京では1日の感染者数が3000人を超える大変な事態で、他国ならロックダウンも検討されるような規模だとききます。それなのにオリンピックは続き、大手新聞やテレビは誰が頑張った、誰が金メダルといった話題を前面に出し、まるで感染の危険を隠しているかのよう。一人の国民として、この状況はおかしいと感じています。
 今からでも中止してワクチンが行き渡ったあとの世界選手権などで仕切り直しとすべきではないでしょうか。(聞き手・山崎賢太)