消費税をなくす全国の会です
住所
1991年6月29日結成
なくす会ロゴ

どんな会?
会報ノー消費税紹介
消費税Q&A
私の思い・私の怒り
ひろがる草の根
声の広場
声の広場から
あなたも消費税をなくす会に
入会のご案内
運動グッズ紹介
ビラ・署名用紙・学習資料(PDF)
私たちの見解・方針
草の根交流ニュース
GDP 戦後最大の落ち込み―政府がつくった慢性的な停滞構造(「赤旗」)、医療費2倍化法案―国民の苦難に追い打ちやめよ(同)
2021年6月5日
【赤旗日曜版】6月6日号 GDP 戦後最大の落ち込み―政府がつくった慢性的な停滞構造
 内閣府は5月18日、2021年1~3月期の実質GDP(国内総生産)が、前期比でマイナス1・3%(年蜜換算でマイナス5・1%)であったと発表しました。
 20年4~6月期(マイナス8・1%)以来、3期ぶりのマイナスとなったのは、個人消費と設備投資がともにマイナス1・4%と落ち込んだことによるものです。緊急事態宜言で、旅行、宿泊、飲食などが約2カ月半にわたり制限され、これによって個人消費が大幅に減少したことが大きく影響しています。
 今回の落ち込みを含めて、20年度の実質GDP成長率はマイナス4・6%と、リーマン・ショックが起きた08年度のマイナス3・6%を超えて戦後最大の落ち込みとなりました。
 しかし、すべてを新型コロナのせいにするわけにはいきません。日本経済は、14年度に消費税率8%への引き上げの打撃を受けてマイナス0・4%と落ち込んだ後、わずかなプラス成長を続けました。それも財政支出や東京オリンピック特需によるもので、経済の好循環によるプラス成長ではありませんでした。
 そのため、プラス成長は長続きせず、19年度には消費税率10 勿への引き上げを契機にマイナス0・5%に落ち込みました。経済基盤がもろいために、何らかのきっかけでたちまち沈み込んでしまうということです。
20年度のマイナス成長もその延長線上にあると考えられます。このよ「つに日本経済が停滞基調にある中で、不幸にも新型コロナウイルスの直撃を受け、それが戦後最大のマイナス成長となって表れました。コロナ禍は日本経済の脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにしています。
 今日の日本経済を考える際には、自然災害や感染症、消費税増税など、経済循環構造(生産、投資、雇用、消費の連鎖)の外からの影響を考える前に、日本経済が陥っでいる停滞構造に注目する必要があります。
1990年代からの長期にわたる、大規模なリストラや非正規労働者の増大などで雇用・所得環境が破壊され、そのために消費が慢性的に停滞し、それを起点に生産、投資、雇用、消費の連鎖が大きく崩されました。そこに、消費税や社会保険料負担の増大、年金などの将来不安が重なって、今日の日本の停滞構造がつくられました。つまり、停滞は人為的なものだということです。
 しかも、いったんこのよっな構造が出来上がると、そこからの脱出は容易ではありません。今回の1~3月期でのサービス業の倒産の増大による失業者の増大は、4~6月期のマイナス要因となります。
 米国などがいち早くコロナ禍の打撃から回復に向かっているのとは対照的に、日本はマイナス成長に沈み続けています。その原因は、ずさんなコロナウイルス対策はもとより、このような停滞構造をつくり、放置してきた政府の失敗にあるといわざるを得ません。 工藤昌宏(くどう・まさひろ東京工科大学名誉教授)

【赤旗】5月31日<主張>医療費2倍化法案―国民の苦難に追い打ちやめよ
 菅義偉政権が「高齢者医療費2倍化法案」を参院で可決・成立させる動きを強めています。75歳以上の医療費窓口負担に初めて2割負担を導入することを柱にした法案が、高齢者の健康と暮らしに大きな打撃を与えることは審議の中で明瞭になっています。法案に反対する署名は100万人を突破し、国民の不安と批判は広がっています。コロナ禍で安心の医療の充実を求める国民の声に逆らい、受診制限につながる法案に固執する菅政権の姿勢は重大です。
◆生活直撃の危険浮き彫り
 75歳以上の後期高齢者医療制度の窓口負担は2008年の制度開始以来、1割が原則です(「現役並み」所得の人は3割)。収入が限られ、病気やけがの頻度が多い高齢者にとって1割負担も決して軽くありません。いまでも経済的理由で受診をためらう高齢者は少なくない中で、「2倍化」の深刻な影響は計り知れません。
 2割負担の対象の年収は、単身世帯200万円以上、夫婦世帯320万円以上としています。菅政権は、負担能力のある人と主張しますが、政府が根拠にする調査はサンプル数が少なく高齢者の実際の生活を反映していません。実態も踏まえず「(負担増が)直ちに患者の健康への影響を意味しない」と繰り返すのは無責任です。
 政府が施行(早ければ22年10月)してから3年間の配慮措置を講じるのは、負担増の「影響が大きい」ことを認めているからです。しかし、膝の痛みなどで通院している場合(年3・2万円)は配慮対象にならず年6・4万円に倍増します。関節症と高血圧性疾患で通院する場合(年6・1万円)では、配慮措置でも年9・7万円へと負担が増え、3年が過ぎたら年12・2万円に膨れ上がります。容赦なく負担増を強いる法案の痛みは「配慮」では消せません。
 2割負担になる対象世帯も拡大される危険があります。法案は、所得基準を政令で定めるとしており、成立すれば政府のさじ加減で基準が決定されるからです。今回の法案づくりの過程では、政府は負担増の対象を年収170万円以上の所得水準にする案も有力な選択肢にしていました。財界などは、可能な限り対象を広範囲にすることを求め続けています。
 高齢者の医療費窓口負担だけにとどまりません。財務相の諮問機関、財政制度等審議会は21日発表の建議の中で、75歳以上の窓口負担2倍化の意義を強調するとともに、今回の「患者負担割合の見直しを踏まえ」「介護保険サービスの利用者負担を原則2割とすることや2割負担の対象範囲の拡大を図る」ことの検討を要求しました。「2倍化法案」を突破口に、介護の負担増も推進しようという企てを許すわけにはいきません。社会保障の各分野での国民への負担増を阻むためにも法案を廃案に追い込むことが強く求められます。
◆大企業などに応分負担を
 65歳以上の介護保険料は4月から全国平均で月6000円を超えました。2000年の制度発足時の2倍以上です。75歳以上の医療保険料も改定のたび上昇しています。高齢者も若者も国民の負担は限界です。コロナ禍でも大もうけしている大企業や富裕層に応分の負担を求め、社会保障財源を拡充し、国民が安心できる医療・介護の制度にすることが急務です。