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GDPの落ち込み―暮らし支える強力な支援急げ(「赤旗」)、コロナ対応の失敗が浮き彫りにした日本の「危機の本質」(DIAMONDonline)、公平な税への改革―法人税引き下げ競争の終結を(「赤旗」)
2021年5月22日
【赤旗】5月20日<主張>GDPの落ち込み―暮らし支える強力な支援急げ
 新型コロナ感染の急拡大による日本経済の激しい落ち込みが浮き彫りになっています。内閣府が発表した2021年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価変動を差し引いた実質で、20年10~12月期に比べて1・3%落ち込みました。年率換算で5・1%の下落です。マイナス成長は20年7~9月期以来、3四半期ぶりです。20年度は、19年度比で4・6%減となり戦後最悪の落ち込みです。コロナ禍で苦境にあえぐ国民の暮らしを支え、日本経済を立て直すための抜本的な対策がいよいよ急務です。
◆コロナ封じ込めの戦略を
 1~3月期GDPがマイナスになった最大要因はGDPの半分以上を占める個人消費の冷え込みです。個人消費は前期に比べ1・4%減少しました。1月初めに東京など4都県を皮切りに発令された2度目の緊急事態宣言は3月下旬まで続きました。この間、外出・外食の自粛要請などにより消費支出に大きなブレーキがかかったことで飲食・宿泊業を中心に大きな打撃を受けています。
 民間企業の設備投資も1・4%のマイナスで、鈍い状態となりました。輸出は2・3%の増加ですが、前期(11・7%増)よりも大幅に鈍化しました。
 深刻なのは、4月末に3度目の緊急事態宣言が発令され、対象地域の拡大や期間延長が繰り返されていることです。4~6月期が2期連続でマイナス成長に陥る危険は極めて高く、底が見えない「コロナ不況」に突入しかねない状況です。書き入れ時の大型連休に休業や事業縮小をせざるを得なかったサービス業などは厳しい事態に立ち至っています。コロナによる解雇や雇い止めも相次いでいます。
 コロナ対応で無為無策を重ね、感染悪化の「人災」を引き起こした菅義偉政権の責任は重大です。コロナを封じ込めるという戦略目標を明確にし、ワクチンの安全・迅速な接種、大規模な検査、十分な補償と生活支援を本気で実行することが不可欠となっています。21年度予算の予備費の活用だけでなく、補正予算案を編成し必要な対策を講じることが急がれます。
 20年度GDPの落ち込み幅がリーマン・ショック当時の08年度の3・6%減を超えて戦後最悪となったことは、深刻です。これまでの延長線上の経済対策では日本経済が危機から脱却できないことを示しています。
 日本経済はコロナ禍の以前から厳しい消費不況に直面していました。とくに14年4月と19年10月の2度にわたる消費税率の引き上げは、安倍晋三前政権による大失政に他なりません。コロナへの緊急の対応を強めるとともに、経済政策を大本から改めることが一層必要になっています。
◆消費税の減税を決断せよ
 消費税率を5%に戻すことを一刻も早く決断すべきです。コロナ禍で、世界では消費税(付加価値税)の減税に踏み切っている国々が生まれています。日本でも実施が切実に求められます。
 消費税減税は所得の低い人の暮らしを支えるためにも有効な政策です。コロナで生活苦を強いられている国民に恩恵が行き渡ります。コロナ禍で莫大(ばくだい)な利益をあげる大企業・大資産家に応分の負担を求めることは、不公平税制をただす上でも重要です。

【DIAMONDonline】5月19日 コロナ対応の失敗が浮き彫りにした日本の「危機の本質」
コロナ・パンデミックは日本にとって「津波」
 日本の新型コロナウイルスの感染状況を「さざ波」と評した人がいる。
 確かに欧米やインドなどに比べ日本の累計感染者や死者の数は桁違いに少ない。しかし欧米との比較だけでは問題の本質を見誤る。
 すでに死者は1万人を超え、感染の恐怖は人々の生活様式までを変えた。経済的困窮に苦しむ人々や自死を選ぶ人々が増え、コロナ感染が続く限り経済回復も望めない。
 今の日本のコロナ対応のまずさは、一言で言えば政治の機能不全を国民に示している。コロナ・パンデミックは実は「さざ波」などではなく、日本の本当の危機を露呈した「津波」だと認識すべきだろう。
行き当たりばったりの対策「根拠なき楽観論」またも
 いつの間にか日本は先進民主主義のなかでの劣等生になってしまったようだ。
 実質経済成長率は105位(IMFまとめ、2020年)、労働生産性はOECD加盟37カ国中21位(2019年)、公的債務のGDP比はG7中最下位、さらには男女平等度120位(世界経済フォーラム「世界男女平等ランキング」、2021年)、報道の自由度67位(国境なき記者団「世界報道自由度ランキング」、2021年)、そして群を抜く少子高齢化――。
 これらの数字だけで日本の力を判断するつもりはないが、第二次大戦後、奇跡的な復興を遂げて世界第2の経済大国となり、「日の昇る国日本」「Japan As No.1」と言われた30年前との落差は大きい。
 当時、日本が「特別」だと思ったのは、結局は根拠なき楽観論だったのだろう。高成長を支えた国内外の環境が変わり制度やビジネスモデルが限界に来て日本は変わらなければならなかったが、変化を嫌い旧態依然としたままできた。
 それにはさまざまな要因があるにしても、最大の原因は政治が指導力を発揮して政府と一体で国全体を新たな方向へと動かしてこなかったからだ。
(以下略)

【赤旗】5月17日<主張>公平な税への改革―法人税引き下げ競争の終結を
 コロナ危機に対応し経済回復の財源を確保するため、不公平な税制を見直す動きが各国で相次いでいます。かつて大企業減税競争の先頭に立った米国、英国政府が、公平な負担を求める声を受けて法人税率を引き上げる方向に転換しつつあることは重要です。「底辺への競争」と批判された国際的な法人税引き下げ競争を終わらせることは世界的な課題です。
◆再分配機能の回復こそ
 1980年代、米国のレーガン政権、英国のサッチャー政権は、大企業、富裕層の税負担を減らせば投資が増え、税収増につながるという新自由主義の主張に基づいて減税を行い、各国が追随しました。「100年に1度の危機」といわれた2008年のリーマン・ショックで大企業減税が一段と加速し、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の法人税率は1981年の48%から2020年には23%にまで下がりました。
 しかしその結果、所得を再分配する税の機能が弱まり、格差が拡大しました。大企業がため込んだ過剰な資金は設備投資や雇用、賃上げにつながらず、内部留保を膨らませただけでした。税源が浸食され、財政の悪化を招きました。公的医療や社会保障も弱体化し、パンデミックに弱い社会になっていたことがいま浮き彫りになっています。この方向を転換することが迫られています。
 世界銀行は昨年まとめた研究報告で、主要国の大企業が「過剰な企業貯蓄」を増やした要因は法人税減税だったと結論づけました。03年から17年にかけて法人実効税率を10%以上引き下げた日本、英国、イタリアでは特にこの傾向が顕著だったといいます。
 米国のバイデン大統領は4月に行った施政方針演説で、トランプ前政権による減税は大企業経営者の私腹を肥やしただけだったとして、大企業と富裕層に公平な負担を求める方針を明らかにしました。同政権は連邦法人税の増税や所得税の最高税率の引き上げを提案しています。多国間交渉で法人税の国際的最低税率を設定することも支持しています。
 英国政府は年間利益25万ポンド(約3800万円)以上の企業の法人税率を現行の19%から2023年4月に25%に引き上げることを決めています。50年ぶりの法人税増税です。利益が基準に満たない企業の税率は据え置きます。
 国際社会ではOECDが主導し約140カ国が参加して国際課税の新しいルールをつくる交渉が大詰めです。多国籍企業課税の導入と法人税率の世界的最低基準づくりが7月の合意をめざして進んでいます。
◆応分の負担は当然の方向
 日本の法人実効税率は安倍晋三前政権のもとで37%から29・74%へ段階的に引き下げられました。その間、大企業の内部留保は約1・4倍に膨らみました。一方で消費税率は2度の増税で5%から10%へ引き上げられました。