消費税は消費需要を萎縮させる―国会で証言(「赤旗」)、「菅総理長男の接待官僚の行く末」(AERA)、他2
2021年2月27日
【赤旗】2月23日 国債膨張で歳出切迫―特例公債法改定案 清水氏に参考人
(前略)
山田氏は、消費税は消費需要を萎縮させるうえ逆進性のある税金だとして減税を主張。「中小・零細企業など生活関連産業は消費税を払うのが大変だ。税率の引き下げはプラス面で非常に大きい」と述べました。
【赤旗】2月17日 マイナス4.8%成長でも3万円台―実体経済と乖離した株高
▼2月15日に内閣府が発表した国内総生産(GDP)速報値によれば、昨年10~12月期の実質成長率は年率換算で12・7%となりましたが、これはコロナ禍で4~6月が大きく落ち込んだ反動が続いているにすぎず、今年1~3月期は再びマイナスとなると予測されています。
▼金融緩和と日銀マネー
この実体経済と乖離(かいり)した株高の原因は、大きくいって二つあります。
一つは、世界各国の中央銀行がコロナ対策として大規模な金融緩和を実施したことです。昨年1年間に、アメリカ、日本、ヨーロッパ(ユーロ圏)の中央銀行が市場に供給したマネーの総額は740兆円を超えました。コロナ禍での企業の資金繰りなどのために金融緩和が必要なことは確かですが、格差拡大によって富が偏在しているもとでは、供給されたマネーの相当部分が大企業や富裕層の余剰資金となり、株式市場などに流れ込みます。これが、株価を引き上げたのです。
もう一つは、日銀マネーの株式市場への直接投入です。昨年1年間だけで、日銀は上場株式投資信託(ETF)を7・1兆円も購入し、これによって株価を引き上げたのです。このような中央銀行による株価への直接介入をしている国は欧米にはなく、日本だけの異常な政策です。
こうした株高によって恩恵を受けたのは、ごく一握りの大株主です。米誌フォーブスが毎日集計している世界のビリオネア(10億ドル以上の資産を保有する大富豪)の一覧表によれば、日本のビリオネア(現時点では42人)の資産が、コロナ禍で多くの国民が苦しんできた最近11カ月の間に、12兆円から24兆円に倍増しています。
ビリオネアの一人、ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏の場合、家族4人で保有する株式の時価が、11カ月で2・8兆円も増えています。同社の最近1年間の世界全体の連結売上額が約2兆円、連結当期純利益は1000億円程度ですから、柳井氏の資産増加額が企業実態とかけ離れたものとなっていることは明らかです。
(垣内亮 日本共産党政策委員会)
【AERA.dot】2月23日 古賀茂明「菅総理長男の接待官僚の行く末」
国会では菅義偉総理の長男菅正剛氏による総務省幹部接待疑惑の追及が続いている。長男が勤める東北新社の関連会社が放送法の許認可事業を行っているにもかかわらず、その所管省である総務省の幹部が何回も長男の接待を受けていたというのだから、疑われて当然。霞が関の官僚たちも「これは相当ヤバい」と見ているだろう。私がこの話を聞いた時の感想も、「まるで昭和の接待」だ。
当時は、盆暮れの付け届けやゴルフ接待、さらには視察と称した温泉旅行まであった。平成に入ってもノーパンしゃぶしゃぶ事件などの官僚の接待不祥事が続いたが、それががらりと変わったのが、2000年頃。国家公務員倫理法施行もあり、企業訪問の際に出されたお茶を飲んでいいのかと議論されるほど、一時は官僚たちも襟を正した。
ところが、徐々に官僚や企業の意識も緩み、とりわけ、安倍晋三政権になると官僚の倫理観は極端に劣化した。国家戦略特区の規制緩和で獣医学部を新設しようとする加計学園のトップと直接の責任大臣である安倍総理自身が一緒にゴルフや宴会を繰り返し、官邸官僚のトップである総理秘書官までお相伴にあずかっていたのに、安倍総理が「問題なし」と言い張ったのである。官僚たちは、「へえ、そうなんだ」と思ったのだろう。
今回の接待ではお互いに贈収賄の意図があったと見るのが自然だが、一方で、この程度のことで贈収賄の立件をするのは極めて難しい。世論の手前、無罪放免とはいかないので、新事実が出てこない限り、立件のハードルが低く罰則もはるかに軽い国家公務員倫理規程違反で処分して終わりという可能性が高い。
それにしても、彼らがこんなに危ないとわかり切った接待を受けたのはなぜだろう。菅氏は、意に沿わない官僚を左遷すると公言した。その怖さを一番よくわかっているのが総務官僚だ。菅氏が何の実績もない長男を大臣秘書官にするほど溺愛していることも知っている。菅氏の長男の機嫌を損ねると大変だし、逆に覚えめでたくなれば引き立ててもらえるという心理が働いた可能性は高い。
彼ら忖度官僚は菅派だということも知られている。彼らの背後に菅氏の影を感じる総務省は厳しい処分を下せないとの懸念もあるが、私はむしろ、菅氏は厳正な処分を望むと見ている。支持率が大きく下がり、菅降ろしの声も聞かれる中、官僚たちのことを考えるゆとりはないはずだ。次官級の総務審議官などは、夏の人事で次官になれず退官という可能性もある。
しかしそこで終わりというわけではない。ちょうど、安倍総理元秘書官だった柳瀬唯夫氏が加計学園問題で事実上嘘をついて大きな問題となった後、経産省で次官目前だったのに退官させられたケースがある。柳瀬氏は、退官後複数企業の社外取締役などを務め、ほとぼりが冷めてからNTT本社執行役員とNTT直下のグローバル持株会社副社長に就任した。社会的地位も高く高額の報酬を得て悠々自適の生活を楽しんでいるわけだ。
今回問題となった総務官僚たちも、この夏の人事で退官したり、出世が遅れるという不利益を受ける可能性が高いが、時間が経てば、必ずそれを補うに余りある破格の処遇が用意されるだろう。我々はしっかり監視していかなければならない。
【赤旗】2月26日 経済的権利の男女格差-日本 世界80位に低下-賃金・職業などで遅れ
世界銀行は23日、経済的な権利をめぐる男女格差を調査した年次報告書を公表し、日本は190の国や地域のうち、昨年の74位から80位に低下しました。世界がジェンダー平等社会の実現に向けて前進する中、日本の男女格差解消のための取り組みの遅れが浮き彫りになりました。
調査は、2019年9月から20年10月までの期間を対象に、職業や子育てなどの8分野における、女性の権利に関わる法律や規定を評価したもの。日本は、報酬額の男女間格差などをみる「賃金」や、職場での性差別・ハラスメントを罰する法律に着目した「職業」の各分野で達成度が半分にとどまり、順位が低下。主要7カ国(G7)の中では最下位となりました。
また「子育て」の分野では父親の育児休暇について、19年に育児休暇を利用した父親がわずか7・5%だったことを指摘。ジェンダー平等の実現には、職場と家庭内の負担を分け合うことが不可欠だと強調しました。
一方、新型コロナ感染拡大により、失業、家事・子育ての負担増大、ドメスティックバイオレンスなどで多くの女性が深刻な状況におかれる中、約30カ国の政府が、女性の権利を守るための法律改定に踏み切ったと指摘しました。