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所得税法等改定案衆院審議入り(「赤旗」)、森氏後任人事 社会の在り方変えねば(「東京」)、首相長男の接待 「別人格」では通用しない(「西日本」)
2021年2月13日
【赤旗】2月10日 所得税法等改定案衆院審議入り―清水議員(共産党) 税制の応能負担を主張
 衆院本会議で9日、所得税法等改定案が審議入りしました。日本共産党の清水忠史議員はコロナ対策の拡充や消費税減税、負担能力に応じた税制改革を求めました。(要旨―下記)
 コロナ対策では、自身の感染した経験に触れ、医療・検査体制の強化を主張。コロナ患者を受け入れていない医療機関も含めて減収補てんするほか、全額国庫による高齢者・医療施設への一斉検査の速やかな実施を求めました。また、「緊急事態宣言が延長される中、事業者へのさらなる支援は待ったなしだ」と述べ、事業規模に応じた協力金の支給や持続化給付金などの再給付を迫りました。
 清水氏は、「今回の税制改定は企業のデジタル化や脱炭素に向けた投資減税を措置しているが、優先して行うべきはコロナ禍で苦しむ国民、事業者の負担軽減だ」として、消費税を5%に戻す緊急減税を求めました。
 品目ごとに税率と税額を細かく記すインボイス(適格請求書)の実施について、財務省の見込みでは161万者が課税を選び、1事業者あたり15万4000円もの新たな税負担になると指摘。対象の個人事業主がコロナ禍で打撃を受ける中、10月予定の対象事業者登録の開始の延期を求めました。菅義偉首相は「消費税は社会保障のために必要な財源だ」と述べ、減税を否定しました。
 清水氏は、富の集中による格差の拡大を問題視し、証券税制や研究開発減税といった富裕層・大企業向け優遇税制の見直しを主張しました。
▼清水議員の発言要旨
 私は昨年末、新型コロナウイルスに感染し、あらためて医療体制の強化の必要性、すぐに検査が受けられる体制の重要性を痛感しています。
 いま多くの医療機関が力をあわせ、地域医療を守っていますが、経営は深刻です。コロナ患者を受け入れていない医療機関を含めて、減収補填(ほてん)に踏み切るべきです。クラスターが発生している高齢者施設と医療機関を感染から守ることは急務です。全額国による直接の費用負担で、職員、入所者・入院患者への一斉の定期的検査の実施を求めます。
 緊急事態宣言が延長され、事業者へのさらなる支援はまったなしです。全国で苦しむ事業者に事業規模に応じた協力金を支給すべきではありませんか。
 コロナの影響は1年以上に及びます。このままでは雇用も地域経済も崩壊しかねません。再度、持続化給付金などの直接支援を行うべきです。
 今回の税制改正は「ポストコロナに向けた経済構造の転換」を掲げ、企業のデジタル化やカーボンニュートラルに向けた投資への減税を措置していますが、優先すべきはコロナ禍で苦しむ国民、事業者の負担軽減です。
 いまこそ消費税の減税です。消費税は食料品、生活必需品や光熱費など暮らしに不可欠な支出にも課税されます。消費税率を5%に戻す緊急減税を決断すべきです。経営が悪化し、納税猶予を適用している中小企業などに消費税の納税免除の措置を強く求めます。
 インボイス制度の問題も重要です。今年10月1日から対象事業者登録が始まります。消費税の仕入れ税額控除方式として実施されれば、年間の売り上げが1000万円に満たない小規模事業者は、取引先の意向次第で、消費税の課税業者となるか、商取引から排除されるかの選択を迫られます。対象となる個人事業者の多くは、スナックや居酒屋などの飲食業、建設業の一人親方や職人、フリーランスなど打撃をうけている人たちです。10月からの登録開始は延期すべきではありませんか。
 コロナ禍のもとで格差が拡大しています。優遇措置を抜本的に見直し、所得1億円超の高額所得者ほど税負担が軽くなる、いびつな税制にメスを入れるべきではありませんか。
 大企業優遇税制も見直すべきです。一部の大企業に多額の恩恵がおよぶ研究開発減税をなぜ温存するのですか。460兆円も内部留保をためこむ大企業への減税策は抜本的にあらためるべきです。

【東京新聞】2月13日<社説>森氏後任人事 社会の在り方変えねば
 東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長後任人事が白紙に戻った。女性蔑視、意思決定や人事の不透明さなど国際社会に通用しない組織の在り方と決別しなければ、大会開催の資格はない。
 女性蔑視発言で辞任を表明した森喜朗氏の後任には日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏が浮上し川淵氏も受諾の意向を示したが、選定過程の不透明さが批判され、選考委員会を設けて一から議論する方向となった。
 看過し得ないのは森氏が川淵氏を実質的に「後継指名」した経緯だ。批判を受けて去る森氏が、気心の知れた友人に禅譲するなど、国内外の世論もスポーツ界も到底、納得できるものではあるまい。
 川淵氏も森氏を相談役に就ける意向を早々と表明するなど、発想が民意と大きくずれており、見識を疑われても仕方がない。
 国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が女性の共同会長を置く案を提案したが、森氏が拒否したという。女性の任用に最後まで後ろ向きな姿勢には、あきれるばかりだ。
 森氏の女性蔑視発言を機に、森氏個人や組織委の問題点が次々と噴き出した。ただ、それらは日本社会にも同様に残る深刻な課題であることも、あらためて認識する必要がある。
 「性の平等」は、国際的に見て遅れが著しい。社会の指導的地位に就く女性の割合を「二〇二〇年までに30%」とする国の目標は達成できず「二〇年代に30%程度」と先送りされた。
 海外では、一定割合の女性を任用する「クオータ制」や男女同数にする「パリテ」が進んでいる。
 また、開かれた場での民主的な議論より、根回しや密室での意思決定を尊ぶ風潮は政界や会社など日本の至る所で見られる。権力者の独善を是認するシステムだ。
 組織委の抜本的な出直しは当然としても、森氏の発言や組織委の対応の背景には、日本社会の因習があることを見過ごしてはならない。一掃しない限り、組織や社会が真に活性化し、国際的に通用することはないだろう。
 振り返れば森氏に加え、大会招致を主導した安倍晋三首相、東京都の猪瀬直樹知事、日本オリンピック委員会の竹田恒和会長ら当時の責任者全員がスキャンダルにまみれ、表舞台を去った。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響も深刻だ。今の日本に大会を開催する余力や資格があるのか、問い直すべき時に来ている。

【西日本新聞】2月9日 首相長男の接待 「別人格」では通用しない
「官民癒着」と疑われても仕方ない接待を受けていた総務省官僚の不謹慎とともに、菅義偉首相の政治姿勢が厳しく問われる疑惑である。徹底的な調査で真相を明らかにすべきだ。
放送行政を所管する総務省の幹部4人が昨年10~12月、放送事業会社「東北新社」に勤める首相の長男や同社幹部から東京都内の料亭などで接待を受けていた-と週刊文春が報じた。帰宅時にはタクシー券や手土産まで受け取っていたという。
国家公務員倫理規程は利害関係者の接待を受けたり、金品を受領したりすることを禁じている。費用を自己負担する会食でも1万円超の場合は事前届け出が必要なのに無届けだった。
4人のうちの1人とされた情報流通行政局長は衆院予算委員会で、長男と会食したことや費用を負担していなかった事実を認めた。その上で「利害関係者ではないと認識していた」と釈明したが、本当だろうか。
菅首相は第1次安倍晋三政権で総務相を務め、ふるさと納税制度の旗振り役だった。今なお総務省内に強い影響力を持つとされる。首相が看板政策に掲げる「携帯電話の料金値下げ」や「デジタル行政の推進」なども同省絡みの案件だ。
長男は首相が総務相時代の大臣秘書官だった。かつて仕えた大臣が首相に上り詰めたという状況下で、その秘書官だった長男から公務員倫理に背く接待を受けたのは、まさに首相本人に対する配慮ではなかったか。
そうだとすれば、首相の身内や友人が絡んで官僚の「忖度(そんたく)」が批判された安倍前政権の森友・加計(かけ)学園問題と同様の構図である。菅内閣は安倍政権の継承を掲げるが、こんな「負の遺産」まで丸ごと引き継いでいるとすれば看過できない。
さらに理解に苦しむのは、疑惑に対する首相の対応である。国会で疑惑をただされた首相は当初「私と長男とは完全に別人格だ。長男にもプライバシーがある」「本来このような場(国会)でお答えすべきことではない」などと反論していた。
こんな答弁が世間に通用するだろうか。さすがにその後は「私自身は全く承知していない。総務省が事実を確認してルールに基づいて対応すべきだ」と軌道修正したが、人ごとのような姿勢は変わっていない。
共同通信社が6、7両日に実施した世論調査によると、この問題で首相の説明に「納得できない」は62・0%で「納得できる」(30・8%)の2倍以上に達した。最高権力者が、接待疑惑の渦中にある身内を「別人格で民間人」と言い募るのは無理だ。首相の誠意ある説明と国民が納得する対応を求めたい。