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コロナ対策財源にEUで再注目―金融取引税の導入
2020年10月10日
【赤旗日曜版】9月27日 コロナ対策財源にEUで再注目―金融取引税の導入
 新型コロナウイルス対策の財源として金融取引税が注目されています。
金融取引税は株や債券、通貨などの金融取引に課税されます。取引額に課税するため、取引回数が増えるほど負担が増
えます。短期売買が抑制され、金融市場を安定させる効果があります。課税対象となる金融取引の範囲や税率によって税収効果も期待できます。
 この間、欧州連合(EU)は新型コロナ対策の財源候補として、金融取引税を挙げました。
 EUでは以前から金融取引税導入の動きがありました。きっかけは大手金融機関の暴走が問題となった2008年の金融危機です。金融業界への批判を背景に、EUの執行機関である欧州委員会(EC)が11年9月、金融取引税導入を加盟国に提案しました。
 課税対象は株や憤券だけでなく、デリバテイプを含めた金融取引全般です。デリバテイプは『派生的」という意味で、株式なとの金融商品をもとにリスク管理の手法を駆使した取引です。株式などの将来の売買条件をあらかじめ決めておく先物取引などがあります。
 税率は取引額の0.1%で、デリバティプ取引は0.01%で、各国の判断で引き上げ可能。納税義務は金融機関に課せられ、事業会社、個人は原則対象外。税収見込みはEU全体で570億ユーロ(当時の為替相場で約6兆3千億円)です。
 EU全体での導入はイギリスなど一部の国の反対で見送られ、13年1月、フランス、ドイツ、イタリアなど11カ国での先行導入がEU財務相理事会で了承。具体的な制度設計などの議論が続いています。この間、フランスが12年8月、イタリアが13年3月、株取引などに限定して金融取引税を導入しました。
 金融取引への課税は1970年代に提案された通貨取引への課税(トピン税)が出発。固定相場制から変動相場制への移行に伴う相場の乱高下を防ぐ目的です。
 近年は、気候変動などの地球的課題に対する国際的な議論の中で光が当てられました。
 国連は2000年、深刻化する貧困、感染症、環境問題などの解決のだめ、15年までの目標(国連ミレニアム開発目標)を掲げました。
 その財源策として、06年にフランスなどが主導して「革新的資金調達に関するリーディンググループ」を設立。各国政府と専門家やNGO(非政府組織)が連携し、新しい課税制度を探求してきました。国際協力に基づく「国際連帯税」として、航空券税とともに、主要通貨の取引に課税する「グローバル通貨取引税」が掲げられました。
 日本でも08年、超党派の「国際連帯税の創股を求める議員連盟」が設立され、専門家やNGOと連携してシンポジウムや政府要謂を実施。謹員連盟と連携する「グローバル連帯税推進協議会」(座長・寺島実郎日本総合研究所会長)の最終報告書(15年)も、金融取引税を有力案として提案しています。丸井龍平(まるい・りゅうへい 日本共産党国会譲員団事務局)

【文春オンライン】10月6日 「パンケーキ食べたい」のは一体誰なのか? 菅首相の気さくアピールに隠れる‟国民総忖度社会”の恐怖
「パンケーキ食べたい パンケーキ食べたい」。
 かつて「ぐるナイ おもしろ荘」(日本テレビ系)で踊りながら歌った若手芸人のことではない。菅首相と新聞記者のことである。
 総裁選で“菅さんの気さくな人柄”としてさんざん重用されたパンケーキがまたしても登場したのだ。
『菅首相と番記者の“パンケーキ懇談会”…朝日新聞、東京新聞が「欠席しました」』(デイリースポーツ10月4日)
 菅義偉首相が先週土曜、東京・原宿のパンケーキが有名な店で、内閣記者会所属各社の首相番記者と懇談会を行った。これがSNSで話題となった。欠席した社もあったという。
《朝日新聞は同日配信記事で「朝日新聞の記者はこの懇談会を欠席しました」と、東京新聞も「欠席しました」とした。ともに日本学術会議問題などを会見などで説明すべきだとの考えを伝えている。》
SNSを意識した「声明」で政権との距離をアピール?
 これが面白いと思うのは朝日も東京もWEBのみで書いていること。つまりSNSを意識した「声明」なのだろう。つるんでパンケーキ食べてないよという。
 しかしこれだけパンケーキが政治利用されたら、普通のおじさんでパンケーキ好きな人も「可愛さ狙いか」と今後思われないか。気軽に食べられない。菅首相のパンケーキ殺し。
 今回に似たケースを思い出した。昨年の11月20日、内閣記者会に加盟する各報道機関の官邸キャップと首相による「キャップ懇談会」が開かれた。食事会である。
 当時は、桜を見る会の疑惑について説明すべきという声が多い状況。そんななか非公開の場で当時の安倍首相が記者たちにその場で“説明”しようとした会だと言われた。
「キャップ懇談会」の欠席がSNSで話題に
 毎日新聞はこの食事会を欠席。するとSNSで注目されて話題になった。
《SNSを通じて読者の反応がリアルタイムで返ってくるため、記者も「見られている」意識をより強く持つようになっているのだ。》(『汚れた桜 「桜を見る会」疑惑に迫った49日』 毎日新聞「桜を見る会」取材班)
 そう、今や報道する新聞記者も「見られている」のである。
新聞記者に課せられた今後の課題とは
 私は記者が首相や政治家に一切接触するなとまでは思わないが、その行為がどう見られているか、どう目に映るのか、いちいち考えるのも新聞記者の今後の課題だと思う。あえて言うなら重要なパフォーマンス。
 そうでなくても、つい先日まで政権に対して厳しそうなことを言ってきた共同通信社の前論説副委員長の柿崎明二氏が「首相補佐官」になった。メディアに対してもえげつなく取り込みを図るように見える菅政権。こういうことが続くほど報道する側も世の中に見られているのだ。
 さて権力側が「取り込みを図る」のは別の表現で言うなら「忖度をさせる、空気を読ませる」ということだろう。
 菅首相が日本学術会議の新会員について候補者6人を任命しなかった件。そこに手を突っ込んでくるのかという驚きだが、実はこれを予言しているような記事があった。
『「値下げおじさん」は大衆に優しい? 消費増税に言及、弱者切り捨ての恐れ 菅義偉官房長官』(東京新聞WEB9月11日)
 これは自民党総裁選の期間中の記事。東京工業大の中島岳志教授(政治学)は菅氏についてこう述べている。
《安倍政権下で成立した特定秘密保護法やテロ等準備罪(共謀罪)を使えば、政府批判や行動監視を強めることもできるといい、「これまで官僚に使われていた忖度の手法は今後、国民の側に向けられる可能性がある」と指摘する。》
 今まで「忖度」という言葉は官僚だけのものだった。しかしこれからは国民の側も政府に忖度する事態になるのでは……という可能性を指摘していたのだ。
一般国民にまで広がる可能性を感じる「忖度」の輪
 今回の日本学術会議の件を思い出してほしい。
《任命されなかった6人の経歴をみると、法学者や歴史学者がほとんどだ。特定秘密保護法や安全保障関連法の制定や共謀罪の新設に反対した人が含まれている。》([社説]なぜ学者6人を外したのか 日本経済新聞10月3日)
 ここでも出てきた特定秘密保護法や共謀罪というキーワード……。
 これらに反対した学者が任命されなかったと各所で言われているが、依然として菅首相は任命しなかった理由を説明していない。つまり、
《(任命拒否の理由として)思い当たる節はないか? そう考えさせることで、そんたくさせる仕組みになっている。研究業績に秀でた人を推薦する日本学術会議法の趣旨に反した人事だ》(岡田正則・早稲田大教授 毎日新聞10月2日)
 恐ろしい。
 忖度させるシステムは官僚から学者に広がってきた。どんどん一般国民にまで近づいていないだろうか。
パンケーキよりも「冷や飯」を食う恐怖
 菅氏はかつて導入を主導した「ふるさと納税」を巡って問題点を指摘した官僚を「左遷」したと言われている。さらに今回の総裁選でも、
《霞が関では「菅さんににらまれたら出世できない」と公然と語られるほどだ。閣僚経験者は「みんな菅政権になったときの『冷や飯』を恐れている」と話す。》(『自民議員、冷や飯恐れ雪崩』朝日新聞デジタル9月3日)
 菅首相はパンケーキより冷や飯おじさんなのである。
 こちらを報じるほうが大事だろう。
 ちなみに加藤勝信官房長官の答弁手法は論点ずらしの「ご飯論法」と言われている。「朝ご飯は食べたか」という質問に対し、「ご飯」をわざと狭い意味にとらえ、「(パンを食べたにもかかわらず)ご飯(白米)は食べていない」と質問側の意図を曲解して回答をはぐらかす手法である。
 冷や飯とご飯論法のタッグはお似合いだが、このメシの不味さについてはもっと報じられるべきだ。官僚だけの問題ではどうやらなくなってきたのだから。
 もっと言えば、菅首相について最近報じられるエピソードとして「官房長官時代から朝、昼、晩と幅広い分野の人々と面会を重ねてきた菅首相」(朝日新聞9月24日)というのがある。情報収集に懸命だという。
 加藤官房長官は23日の記者会見で「首相は官房長官時代から様々なチャンネルから意見を聞いてきた。その姿勢は変わっていないのだろう」と話した。
 しかし今回の日本学術会議の任命拒否の件を見ると、気に入らない意見は聞きたくない姿勢にも思える。こんな情報収集術では台無しだ。
菅新首相は多くの意見に耳を傾けられるか
「どの声もしっかり聞いてほしい。なるほど、そうかの気づきを多くを得るために」
 日経コラム「春秋」(10月3日)はこう書いた。同感だ。
産経新聞の一面コラム「産経抄」は、
「菅内閣が任命を見送ったことで大騒ぎしているが、つくづくバカらしい。」
「任命されないと、なぜ学問の自由が侵されるのかも理解できない。」
「会員に支給される特別職国家公務員としての手当が、まさか欲しかったわけでもあるまいが。」
 と書いた(10月3日)。
 産経師匠、今回はそんなのんきな話ではないと思います。
(プチ鹿島)