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〝18年11月から後退〟政府が認定―決定要因は、昨年10月の消費税率の引き上げ
2020年9月5日
【赤旗日曜版】9月6日<経済 これって何?〉〝18年11月から後退〟政府が認定
 内閣府に設置されている景気動向指数研究会(学者、エコノミストなど7人がメンバー)は、7月30日の会合で〃今回の景気拡大は2018年10月に終わった。11月から景気は後退局面に入った″と認定しました。
 政府は19年1月に、「景気拡大の長さが74ヵ月と、いざなみ景気の73ヵ月を超え、戦後最長となった可能性がある」との「見解」を示していましたが、「戦後最長の景気回復」は幻となってしまいました。
 同研究会がよりどころとしている景気動向指数(一致指数)の動きを見ますと、今回の判断は妥当だと思われます。一致指数は景気が良くなれば数値が大きくなり、悪くなれば小さくなります。指数は18年10月を直近のヤマとして、以降、はっきりとした下降に転じています。
 景気が後退局一画に入った原因は三つあります。三一つを遠因と近因、決定因とに分けてみると分かりやすいでしょう。
 第一の原因(遠因)は、安倍内閣が14年4月に実施した消費税率の引き上げ(5%→8%)です。安倍内閣下(12年12月以降)の景気動向指数の動きは、14年3月に一つのヤマがあり、翌4月に大きく落ち込んで、以降17年初めまで底ぱい状態が続いています。
 この背景にあるのは、4月の消費税増税により家計消費が大きく落ち込み、元に戻らなかったことです。ちなみに19年の家計消費の水準は、なお増税前である13年の水準を下回っています。
 消費の落ち込みにもかかわらず、この時の景気は後退局面入りと認定されるには至りませんでした。動向指数は底ばいからやや回復という動きとなっています。これはこの間、中国、アメリカなど海外諸国の景気が好調で、輸出が増え、日本の景気を底支えしていたからです
 18年春頃から米中貿易摩擦が発生します。その影響を受けて、日本から中国への輸出が伸び悩み、やがて減少するようになりました。18年11月から日本の景気が後退局面入りすることになった、これが第二の原因(近因)です。
 ただし、それだけなら、まだ景気は何とか持ちこたえていたかもしれません。しかしそこに、安倍内閣が19年10月に実施した消費税率の再引き上げ(8%→10%)が加わります。これが第三の要因(決定因)となりました。19年10月以降、家計消費はさらに落ち込み、景気後退局面入りを決定づけました。
 今年2月まで、政府は「景気は緩やかに回復している」(月例経済報告)と、誤った景気判断を続けてきました。その結果、景気が後退局面に入っているのに消費税を再増税する大失政を犯してしまったわけです。
 さらに、今年に入ってからはコロナ禍による戦後最悪の景気悪化です。日本経済はしばらく出口の見えない厳しい状況が続きそうです。 山家悠紀夫(やんべ・ゆきお 暮らしと経済研究室)

【AERA dot.】9月3日 何も学んでいなかった安倍政権 「やっている感」が通用しなくなった理由―政治学者・御厨 貴
 突然の辞任表明をした安倍晋三首相。政治学者・御厨貴氏は安倍政権を恩人政治で助かってきたと評する。
 安倍政権は“本当のレガシー”がない。同じ長期政権でも、佐藤栄作は沖縄返還をやった。安倍さんはとにかく「わが内閣はこれをやる」といって、それを達成したということがなかった。大きなことで成功したことはなかった。達成感なく終わってしまいましたね。
 憲法改正は、機運をつくったが、できなかった。経済でも社会保障でも大きな課題に挑戦しないが、小さな課題をつくってはそれをこなしていく。これは安倍側近と官邸を担う官僚たちが非常にうまくやった。「やっている感の政治」だった。
 だけど、これがコロナでうまくいかなくなる。コロナにどう取り組むかを示しきれなかった。「やっている感」の政治をやっていくことができなかった。大きい目標を出して、みんなでがんばろうということはなかったから。
 彼は国民に対する立ち位置がわからなくなったんだと思う。だから、健康上の理由もあったんだろうけど、ある時期から記者会見をやってこなかった。一番やらないといけない時期なのに。
 自慢の外交は、いろいろなことに手をつけたけど、どれもこれも息切れしてしまった。日ロでも日韓でも日朝でも、結実したものはないですよね。アメリカとはトランプ大統領と気が合うとはいうけれども、そのわりにアメリカが何かしてくれることはない。
 ただ、長いということが必ずしも尊ばれることではないけど、7年8カ月の間、首相が同じだったということは、国際的に日本の信用を高めた。民主党政権だって1年に1人代わったし、小泉首相以降も3年で3人代わったわけだから。それに比べると、「安定感」はあった。
 さらに、彼は選挙に強い。民主党から政権奪還し、国政選挙で計6回勝った。だから、安倍さんには自民党の議員は全員恩義がある。安倍さんを批判したり、降ろしたりという動きがほとんど出なかったのは、これです。恩人政治みたいなもんでね。それで助かってきた。
 しかし、終わり方を見て、1年で首相を辞任したときの経験を何も学んでいなかったと思ったね。幕引きをしっかりできない人なんだと。首相は任期中だけが重要なのではなく、自分が辞めて、その後どうするのかも大事。だから、これから後継者がどうなるかで、混乱を生むわけです。(談)
(本誌・吉崎洋夫)※週刊朝日  2020年9月11日号