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10兆円予備費認めぬ―第2次補正予算成立 紙氏が反対討論
2020年6月13日
【赤旗】6月12日<主張>第1四半期GDP―消費不況の長期化は明らかだ
 2020年1~3月期の国内総生産(GDP)の改定値がこのほど発表され、物価変動の影響を除いた実質で前期比0・6%減、このペースが1年間続くと仮定した年率換算では2・2%の減となりました。先月発表の速報値よりは上方修正されていますが、マイナス成長は2期連続で、民間最終消費支出や輸出は悪化か横ばいとなっており、昨年10月の消費税増税や今年からの新型コロナウイルスの感染拡大による日本と世界の経済の落ち込みを改めて浮き彫りにしました。検査・医療体制の強化と併せ、強力な経済対策を実行することがいよいよ重要です。
▼2期連続のマイナス成長
 実質GDPは、消費税増税後の昨年10~12月期が前期比1・9%減、今年1~3月期が速報値で前期比0・9%減、改定値が0・6%減で、2四半期連続のマイナス成長です。GDPの2期連続マイナスは、欧米では「リセッション(景気後退)」とみなされます。コロナ・ショックの影響が表れる今年4~6月期はさらに大幅な落ち込みとなり、戦後最悪のリーマン・ショック後の09年1~3月期(年率17・8%減)の下落幅を上回るとの見方も、強まっています。
 1~3月期のGDPの改定値を費目別にみると、全体の5割強の民間最終消費支出(個人消費)が昨年10~12月期の前期比2・9%減に続き、0・8%減と消費不況の深刻さを浮き彫りにしています。このほか、民間住宅投資も前期の2・3%減が1~3月期は4・2%減と大幅に落ち込みました。コロナ禍による世界経済の悪化で、これまでの“頼みの綱”だった輸出も、前期の0・4%増から一転、マイナス6・0%と大幅な落ち込みを示しています。
 こうした指標にもかかわらず、GDPの改定値が速報値より上方修正となったのは、民間企業の設備投資が、速報値の0・5%減から一転1・9%増へと反転したためです。
 GDP以外の最近の経済指標を見ても、消費関連では総務省の家計調査で4月の実質消費支出が前月比11・1%減と過去最大の落ち込みを示しています。輸出関連では4月の財務省・国際収支速報で海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支の黒字額が、前年同月比で84・2%もの大幅減となっています。アメリカ向けの貿易が大きく縮小したほか、コロナによる訪日外国人客の激減が反映しています。
 日本経済の悪化は、企業の倒産件数や解雇・「雇い止め」の件数の急速な悪化でも明らかです。民間信用調査機関の東京商工リサーチによると、コロナ関連経営破綻は5月の83件に続き、6月は10日までに43件と急増しています。厚生労働省発表の4月の毎月勤労統計調査でも、現金給与総額(名目賃金)が4カ月ぶりのマイナスです。休業要請による営業時間短縮で、労働時間が短くなっていることが反映しています。
▼経済立て直す抜本策を
 2020年度の第2次補正予算案が審議中ですが、雇用と暮らしへの支援をこれ以上遅らせることはできません。安倍政権に日本経済を立て直す抜本的な対策を取らせるとともに、大企業にも社会的な責任を果たさせ、不当な解雇や「派遣切り」などをやめさせることが必要です。

【赤旗】6月13日 10兆円予備費認めぬ―第2次補正予算成立 紙氏が反対討論―参院本会議
 総額約32兆円の2020年度第2次補正予算案が12日、参院本会議で採決され、自民党、公明党などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党は、予算の3分の1を占める10兆円の予備費は財政民主主義の大原則を侵すものだとして反対しました。日本共産党の紙智子議員が反対討論に立ちました。
 紙氏は、同予算案には、世論と論戦に押されて雇用調整助成金の上限引き上げや家賃支援給付金などが盛り込まれており、「不十分さや問題点はあるものの賛成できる」と表明。同予算案に反対するのは、「10兆円もの予備費が計上されているという一点からだ」と強調しました。
 巨額予備費の使途を政府に白紙委任することは、「憲法が定める財政民主主義の大原則に反し、国会の監視機能の否定につながる」と指摘。政府が使途の大枠を示した5兆円については、予算を修正し、国会で議決すべきだと求めるとともに、残り5兆円を削減し、速やかに第3次補正予算を編成し国会提出せよと迫りました。
 紙氏は、巨額予備費は、コロナ禍で国民が苦境にあえぐなか、安倍政権が国会を延長せず、臨時国会も開かないことを可能にしていると批判。「『国会を止めるな!』の声に応えることが、政治に求められている責任だ」と述べ、医療・検査体制の強化、雇用と暮らしと生業(なりわい)の再建などを提言しました。

【東京新聞】6月13日 コロナ補正、わずか5日でスピード成立 批判相次ぎ検証が不可欠
 二〇二〇年度の第二次補正予算は、国会提出からわずか五日でスピード成立した。困窮者を助けるための迅速な審議は、甘い制度設計と背中合わせの懸念をはらむ。特に一次補正で始まった持続化給付金は事務委託の再委託や外注を繰り返す手法に批判が噴出。国会は十七日に閉会の予定だが、予算の執行が問題視されているだけに、継続的なチェックが必要との指摘も出ている。 (渥美龍太)
▼不信
 「申請してからそれっきり。なぜ振り込まれないのかが分からない」。居酒屋「樽(たる)八」(東京)を経営する遠藤浩さん(60)は、五月中旬に持続化給付金を電子申請した後に返信がなく、不安が募る。経営は緊急事態宣言の解除後も売り上げが戻らず、六月は前年比で六割減。資金繰りは緊急融資が七月にずれ込み、自分の給料も出ないような状況だ。事務委託を巡る騒ぎには「何をしているのだろう」と不信感をにじませた。
 持続化給付金は初日の申請者のうち五千件以上が今も振り込まれないなど、国会審議を通じて次々と問題が明らかになった。事務の受託団体が電通にほぼ丸ごと再委託し、その後のお金の流れが見えないなど予算の執行への批判が強い。
 明治大の田中秀明教授(財政学)は「日本の予算は執行段階のチェックが甘いことが非常に大きな問題。特に精査のための時間がほとんどない補正予算には顕著だ」と解説する。
▼改善
 持続化給付金以外も、コロナ対策は執行の遅れや不備が相次いだが、国会の議論を通じて問題が周知され、一定の改善もしている。
 雇用を維持する企業への助成金は、手続きが煩雑との批判を受けて書類を減らし、中小企業向け特例も拡充した。社員ら七人を抱える藤寿司(東京)の藤田幸生社長(42)は「助成金の書類の束と膨大な記入欄を見たときは厳しいと思ったが、大幅に減ってからは自分でもできそうだと考えた」と話し、書類と格闘中だ。
 二次補正に盛り込まれた家賃支援も、与野党の議論を経て方向性が決まった。深刻な問題だっただけに「遅すぎる」(中小企業団体幹部)との批判も多いが、前進をしたのも事実。そのコロナ対策を巡る議論が続いた国会は、十七日に閉会する予定だ。
▼監視
 ただ、異例の十兆円の予備費は政府裁量の余地が大きいため、野党側は「財政民主主義の否定だ」と追及し、大幅な会期の延長を求めている。
 実際に予算執行を巡る問題は広がり続け、解決のめどが立っていない。持続化給付金の事務受託法人などは今後、経済産業省から異例の中間検査を受ける。このほか「Go To キャンペーン」は、事業費の二割近い最大三千億円の委託費の巨額さに批判が集まり、委託先選びをやり直す事態に陥っている。
 法政大の小黒一正教授(財政学)は今後の予算チェックについて「予備費は使途の詳細などの国会報告義務を強化し、民間委託の問題は与野党が合同で契約の透明性を監視する体制をつくるべきだ」と提案。その上で「会計検査院の検査機能強化など、長年の課題も前に進める必要がある」と話している。