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草の根交流ニュース
介護も医療も崩す政治やめよ
2018年8月4日

【赤旗】8月3日《主張》利用者負担増―介護も医療も崩す政治やめよ
 介護保険の新たな負担増が今月から始まり、一定額以上の所得のある人の介護サービス利用料の本人負担が2割から3割へ引き上げられました。医療制度でも、自己負担額に上限を設けた「高額療養費制度」が改定され、負担が増える高齢者が生まれることになります。どちらも国民の暮らしに大きな打撃です。お金のことを心配して本来必要とされる介護サービスをあきらめたり、医療機関にかかるのを控えたりする人たちがさらに広がる危険があります。国民から介護や医療を遠ざける負担増はやめるべきです。
▶3割負担は介護で初実施
 今回の介護保険3割負担の実施は、安倍晋三政権が昨年の通常国会で強行した介護保険法改悪にもとづくものです。いままで2割負担だった一定額以上の所得(1人暮らしの高齢者で年収280万円以上など)の人のうちで、1人暮らしで年収340万円以上などの人の利用料をさらに3割へと上げました。負担が増える人は12万人になるとされています。介護保険で本格的に3割負担が実施されるのは初めてです。
 もともと介護保険は2000年の制度発足以来、サービス利用料負担は10年以上にわたって原則1割が続いてきました。その原則を掘り崩し、次々と負担を上げてきたのが安倍政権です。
 皮切りは15年8月からの2割負担導入でした。この時、安倍政権は“2割負担になるのは余裕のある人たち”という都合のいいデータをでっち上げ、負担増を正当化しようとしました。法案審議中の国会ではデータねつ造が発覚し大問題になったにもかかわらず、あくまで負担増を強行したのです。
 2割負担実施後、「認知症の人と家族の会」が行った調査では、「生活がなりたたなくなる」などの意見が相次ぎ、介護施設を退所せざるを得ないという悲痛な声まで寄せられました。厚生労働省の委託調査でも、2割負担の利用者で介護サービスを減らした人の35%が「介護に係る支出が重い」ことを理由に挙げていました。1割負担の人で費用負担を理由にサービスを減らした利用者は7・2%にとどまっていることと比べても、その影響は極めて深刻です。
 負担増によって引き起こされた事態をまともに検証もせず、利用抑制を一層拡大しかねない3割負担を強行した責任は重大です。負担増の中止・撤回こそ必要です。
 安倍政権下で、財務省の財政制度等審議会などが介護利用料の「原則2割負担化」を繰り返し提起し、今回の負担増を、その「突破口」にしようと狙っていることは大問題です。国民の願いに逆らう負担増計画は断念すべきです。
▶社会保障拡充の道こそ
 8月から始まった医療の高額療養費制度の改定も、70歳以上を中心に医療の自己負担額はアップし、家計に重くのしかかります。こちらも毎年のように負担増につながる改定が行われています。入院時の食事代の値上げも4月から実施され、患者と家族の重荷になっています。医療も介護も保険料は上がり続け、このままでは国民の暮らしは立ち行きません。
 社会保障拡充へ向けた政治の実現が急がれます。軍事費を過去最大に突出させる一方、社会保障費をカットしてきた「安倍政治」をストップさせる時です。

【日本経済新聞】8月4日〈経財白書〉財政再建の分析甘く
 内閣府が3日公表した2018年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は物価や賃金の上昇が鈍い背景を分析した。その上で、人がより付加価値の高い業務に従事できるようなITの活用や人材投資が必要と結論づけた。再建が遅れている財政の分析やリスク点検は不十分な内容になった。
 白書は賃令変化の影響を受けやすいサービス価格の上昇が米国に比べて鈍い点などを指摘した。物価上昇のためには継続的な賃上げで消費者の購買力が高まり、予想物価上昇率を上げる必要があると分析。継続的な物価上昇にはまだ時間がかかることを印象づける内容となった。
 日本経済新聞のインタビューで茂木敏充経済財唾・再生相は「『もはやデフレではない』と書ければよかったが……」と白書作成の経緯を明かし太。脱デフレの物差しとする4つの統計指標はプフスだが、後戻りリスクを考慮して脱デフレ宣言はなされていない。茂木氏は「(脱デフレの)頂上は間違いなく視野」と歩みを評価しながらも、物価や賃金の伸びは「緩やか」と力不足との認識を示した。
 物価上昇の前提となる継続的な賃上げのため、白書は人材投資の重要性を説く。IT人材の不足など産業の変化に人材が追いついていない実体などを紹介。社会人の学び直しの効果を示し、茂木経財相は「国としても(個人の学び直しを)支援していく」と述べた。
 白書は1947年の創刊時、目的を国民と一緒に問題を考えて解決するためと説明した。茂木氏は「白書の役割は当時と変わっていない」との認識を強調。今回は経済専門家や企業人、若者など幅広い読者を意識して装丁に帯を付けるなど読者が増える工夫を凝らしたと説明した。
 今年の白書は人材投資などの重要性を説く一方、財政再建や金融政策などの課題の分析は不十分だった。教育無償化などにより財政再建が遅れるなか、大和総研の熊谷亮丸氏は「財政や社会保障のあるべき姿について、掘り下げが足りない」と指摘。「国民に評判の悪い政策などにも踏み込めていない」とみる。
 世界経済のリスクとみられている貿易摩擦についての分析もほとんどなかつた。世界の中で日本がどんな立ち位置をとるべきか、大局的な視点を示してほしかったとの指摘も出ている。