【朝日新聞DIGITAL】6月30日 共産・小池氏「トヨタの内部留保、使い切るのに5千年」
小池晃・共産党書記局長(発言録)
史上空前の利益を上げている大企業への減税をやめれば、社会保障の財源ができる。大企業には十分体力はある。
トヨタ自動車の3月期決算を見てみたら、子会社も含めて連結内部留保は約20兆円。毎日1千万円ずつ使っていくとする。想像できませんが、使い切るのに5480年かかる。縄文時代ぐらいから使い始めて、ようやく最近使い終わる。
このお金を生かしたら、何ができるか。内部留保を賃上げに回す。正社員の雇用を増やす。そうすれば、トヨタの車はもっと売れるようになる。トヨタ自動車の未来を考えて、私は言っている。法人税の減税をやめて社会保障の財源に回せば、将来不安が取り除かれる。そういう人がトヨタの車を買うかもしれない。こういうのを、経済の好循環と言う。
安倍さんの経済政策は破綻(はたん)が続いています。3本の矢、新3本の矢、合計6本も放って一つもまともに当たっていない。(川崎市内の演説会で)
【JIJI.COM】(時事通信)6月29日 働き方改革法「過労死防止と矛盾」=遺族ら、成立に憤り
高収入の専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設を含む「働き方改革」関連法が成立した29日、過労死で身内を失った遺族らは「残念で悔しい」「憤りを感じる」と無念の思いを口にした。
遺族らは黒い服を着て、遺影を手に参院本会議を傍聴。討論や採決を厳しい表情で見詰めた。広告大手・電通の新入社員で過労自殺した高橋まつりさんの母幸美さん(55)も国会審議を初めて傍聴し、成立するとハンカチで悔し涙を拭った。
遺族らは、成立後に参院議員会館内で記者会見。幸美さんは「法は過労死防止と矛盾する内容。遺族として絶対納得できない」と語気を強めた。成立時には心の中でまつりさんに「これがあなたを追い詰めた日本の姿だよ。多数決の力で法案が通ってしまい、とても残念」と語り掛けたという。
全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表(69)は「高プロ導入で間違いなく過労死は増える」と改めて批判。その上で、「法成立で諦めず、遺族として社会に警鐘を鳴らし、犠牲者が出ないような健全な働き方のできる社会にしていく活動を続けたい」と意気込みを語った。(
【赤旗】6月27日≪主張≫介護保険の利用「使わせない」の姿勢を改めよ
安倍晋三政権が公的な介護費用を無理やり抑え込むため、軽度者が利用するサービスを中心に「使わせない」動きを強めています。今月半ば閣議決定された経済財政運営の基本方針(「骨太の方針」)や、先月まとめられた財務省の財政制度等審議会の建議では、利用制限を狙った制度改変の項目がいくつも記されました。10月からは生活援助の回数を事実上制限する仕組みまで開始しようとしています。介護現場の実態をあまりにも無視した乱暴なやり方です。国民の願いに反する改悪を加速することは、やめるべきです。
▼「重症化」を招く危険
今年の「骨太の方針」は来年秋の消費税増税と一体で社会保障費大幅カットを打ち出し、とくに医療・介護を削減の標的にして国民の負担増や給付減を次々と盛り込みました。介護分野では、「ケアプランの作成」「軽度者への生活援助サービス」などの見直し・検討を項目に挙げています。
「骨太の方針」に先立ちまとめられた財政審の建議では、より具体的な内容を示しています。現在無料のケアプラン作成は「利用者負担の導入」を求めるとしています。軽度者については要介護1・同2の「生活支援」(掃除や調理など)を介護給付の対象から外すことを要求しています。いずれも利用者と家族を直撃する中身です。
ケアプランは利用者がどのようなサービスをどの程度の回数で受けるかを決める計画です。その作成を有料化することは、新たに介護保険を利用しようとする人には大きなハードルとなります。
軽度者についても深刻な内容です。すでに要支援1・同2の人の訪問・通所介護については介護給付の対象外にされ、昨年度までに市区町村が実施する「総合事業」に丸投げされています。国が直接責任を持たなくなったことで、自治体によっては、専門職によるサービスを無資格者に置き換えたり、そもそも担い手となる事業者がいなかったりするなど矛盾が次々と噴出しているのが実態です。そんな中で、要介護1・2の生活援助まで介護保険から外し「総合事業」に移すことを迫るなど無謀という他ありません。
10月からは、訪問介護の生活援助で、利用回数を厳しくチェックし「過剰」とされた利用者のケアプランを自治体に設けられた会議が検証する仕組みが始まります。必要なサービスが削減されかねないと懸念の声が上がっています。
社会保障費削減ありきで、必要な医療・介護の公的支出を抑えるやり方は大問題です。安倍政権が強行した相次ぐ介護改悪は、特別養護老人ホームの入所条件を要介護3以上に厳格化するなど、「軽度者切り捨て」が際立っています。軽度者が必要なサービスを利用できなくなれば、早期に適切な支援が受けられなくなり、「重症化」を招く事態を広げる危険があります。利用者と家族の安心を脅かす改悪はただちに中止すべきです。
▼安心の仕組みの充実こそ
ドイツは最近、介護保険を改定し軽度者への給付を拡大しました。日本と制度の違いもあり単純比較はできませんが、「軽度重視」の流れは注目を集めます。介護保険料を負担しながら、いざというとき使えない制度では国民の信頼は得られません。安心の介護の仕組みを拡充することが必要です。