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税・社会保険の負担増え、消費減る 平成時代の働く世帯
2018年6月2日

 【朝日新聞DIGITAL】6月3日 税・社会保険の負担増え、消費減る 平成時代の働く世帯
 平成の約30年間で、一般的な働く世帯の税と社会保険料の負担が月に約3万4千円、率にして36%増えたことが分かった。この間物価は1割上がったが、消費に回した額は逆に約4千円減少。年金や医療などの負担で、働く世代の暮らしが先細った姿が浮き彫りになった。
▼「重税感」増す日本の仕組み 所得再分配の効果、下位に
 大和総研の是枝俊悟研究員が朝日新聞社の依頼で試算。家計調査などをもとに、働く人がいる2人以上の世帯の月平均の実額(名目)を1988年と2017年で比較した。
 89年4月に税率3%で導入された消費税の負担は、8%の17年で月1万9711円。88年にあった物品税を差し引いても、間接税の負担は9471円、率にして52%増えた。
 一方、所得税や住民税による直接税負担は月1612円(4%)減った。消費税導入や5%への税率引き上げに伴い、所得税などが減税されたからだ。直接税と間接税を合わせた税負担全体では7859円(13%)増だった。
 税より負担が増したのが、年金や医療などの社会保険料。17年は月5万6869円で、88年よりも2万5946円(84%)増えた。年70兆円増えた社会保障費を賄うために保険料が値上げされたからだ。
 社会保険料は、税金に比べて使い道が見えやすく、引き上げに国民の理解が得やすい。安倍政権が消費税率10%への引き上げを2度延期するなど、政治が不人気な増税を避ける一方、社会保険料に高齢化のしわ寄せが集中している形だ。
 17年の税と社会保険料の合計は月12万6966円。収入に占める負担割合は5ポイント上昇して26%になった。
 この間、収入も月5万2570円(11%)増え、53万3820円になった。ただ内訳をみると、2万4479円(6%)増だった世帯主の収入に対し、配偶者の収入が2万1128円(49%)増。女性の社会進出に加え、夫の収入が伸び悩む中で共働きが増えたことも背景にあるとみられる。
 消費(税を除く)は17年、月28万5439円で88年より1%、3618円減った。消費者物価は消費税の影響を除いて約1割上がっており、消費は実質的に1割強減ったことになる。
 家計へ負担増を強いた国も借金が増えた。増税が進まない中、税で賄う社会保障費の3割部分が増加したためで、18年3月末の国債の発行残高は、29年前の5倍強の853兆円になった。
 一方、膨れあがったのは企業部門が持つ現金だ。財務省の法人企業統計によると、企業の現預金(金融・保険除く)は16年度末、過去最高の211兆円で、88年度末より4割以上増えた。法人税率が42%から23・2%に引き下げられたこともあり、平成に生まれた富が企業に流れ込む構図になっている。(大日向寛文)

【朝日新聞DIGITAL】5月31日 なお疑惑、幕引き許されない 森友問題、佐川氏ら不起訴―大阪社会部長 杉林浩典
 1年以上にわたって国政を揺るがせた森友学園問題で、大阪地検は財務省前理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)氏ら国側の当時の関係者をいずれも刑事罰に問わないと判断した。8億円に及ぶ国有地の値引き、国会をだました悪質な文書改ざんと意図的な廃棄。どれもが何ら罪にあたらないことに、正直、釈然としない思いを感じる。
 財務省は不起訴処分を受け、週明けに調査結果を公表する。政権はこれで一連の問題に区切りをつけたい構えだ。だが現段階で言えるのは、検察は現行法の枠内で犯罪に認定しなかっただけであり、社会の良識や公務員倫理に照らして問題がなかったとの免罪符まで与えたわけではないということだ。
 最も重要なのは、9割近い金額がどのような経緯で差し引かれたのか、文書の改ざんと廃棄はだれの指示でなぜ行われたのか、そのプロセスの解明にある。国の会計経理を監督する会計検査院も昨秋、地中ごみの積算根拠の不十分さを指摘したが、文書廃棄を理由に調査を阻まれていた。検察も不起訴を理由に経緯の詳細を明らかにしておらず、さまざまな疑惑はなお解消されないままだ。
 国権の最高機関である国会は財務省の隠蔽(いんぺい)行為に翻弄(ほんろう)され続けてきた。今こそ党派の枠を超え、調査の先頭に立つべきではないか。検察に資料提供を求め、3月の証人喚問で捜査を理由に核心を語らなかった佐川氏らを再招致する。重要法案を審議する通常の委員会とは別の場を立ち上げる方法もある。過去にはロッキード事件で調査特別委員会が設けられた例もある。
 国有地売却で過大な値引きが行われたのなら、被害者は税金を負担する国民だ。公文書の改ざん・廃棄は民主主義への明らかな背信行為である。政治と官僚組織への信頼を回復させるためには、中途半端な幕引きは許されない。

【赤旗日曜版】6月3日 実質GDPがマイナスに―アベノミクスのゆがみも限界
 内閣府は5月16日、今年1~3月期の実質GDP(国内総生産)が、前期(昨年10~12月期)比でマイナス0.2%になったと発表しました。
 主な項目では個人消費がマイナス(0.001%滅)となったほか、住宅投資(2.1%減)、設備投資(0.1%減)もマイナス、輸出はプラス0.6%でした。
 マイナス成長の原因は内需の柱(個人消費、住宅投資、設備投資)が軒並み落ち込んだこと。個人消費では耐久消費財が停滞、住宅投資も3期連続で大幅に減りました。プラスとなった外需(輸出)は変動幅が大きく不安定です。
 2008年のリーマン・ショック、14年の消費税率8%への増税を契機に内需は慢性的に停滞しています。それを不安定な輸出と財政支出で補って、何とか小数点以下のプラス成長を維持してきました。16年7~9月期からは設備投資に研究開発費を新たに計上するなど、GDPをかさ上げ(約20兆円分)する操作も加わりました。
 GDPは16年1~3月期から17年10月~12月期まで8期連続でプラス成長を記録しましたが、実態は、このように“作られたプラス“でした。
 こうした操作も息切れ1してしまったようです。
 問題は、マイナス成長の中身です。とくに個人消費の停滞は、国民の雇用・所得環境の悪さ、生活の質の劣化、さらには将来不安の高まりを示しています。
 その根底には安倍晋三首相の経済政策=アベノミクスがあります。
 安倍内閣は発足時から「企業が世界で一番活躍しやすい国」をつくるとし、大企業の収益を優先する経済政策を取ってきました。その結果、大企業の収益は過去最高を更新し続けています。
 しかし、対照的に国民生活は追い詰められています。雇用不安、賃金停滞、増税、社会保険料増大、医療費自己負担・介護サービス利用料の引き上げ、年金や医療・介護に対する将来不安の高まりなど国民生活は圧迫され続けています。
 企業が収益を増やした主な要因は①国内の労務コスト削減(非正規労働者、低賃金、長時間労働への依存)②海外収益の増大③政府・日銀の企業収益増大策(超低金利政策、財政支出の増大、法人税の大幅減税など)―の三つです。
 政府・日銀の企業収益増大策は国民負担の増大に直結し、暮らしを犠牲にしています。低金利政策による円安誘導策は生活関連物資の輸入価格の上昇に、財政支出・法人税減税は消費税増税や社会保障の給付減・負担増につながっています。
 安倍首相は「力強い経済成長が実現した」(生産性向上国民運動推進協議会、2月15日曰)と成果を誇りますが、アベノミクスこそが国民生活を苦しめ、曰本経済を停滞させる元凶になっていることが浮き彫りになっています。
 日本経済を再生させるには、大企業を優遇し国民生活に背を向ける政治の転換が避けられません。工藤昌宏(くどう・まさひろ 東京工科大学名誉教授)