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消費税増収分の使途変更の問題点―湖東 京至元静岡大学教授・税理士
2017年11月4日

【全国商工新聞】11月6日号 消費税増収分の使途変更の問題点―湖東 京至元静岡大学教授・税理士
特定支出に限定できぬ
福祉人質に増税を脅迫
安倍首相は総選挙で2019年10月から消費税を10%に引き上げることを宣言し、増収分を保育料や教育費の無償化に回すと説明しました。元静岡大学教授で税理士の湖東京至さんは「増収分を子育てや教育に使うのはまやかし」と異議を唱えています。増税分の使途変更の問題点とともに、税金の使い道のあるべき姿について湖東税理士が解説します。
 安倍首相は消費税を10%に引き上げることを公約して衆議院を解散、総選挙に打って出ました。自民党は消費税の増収分のうち2兆円を使って、「未来を担う子どもたちに保育、教育の無償化を実現します」と公約しました。公明党も「幼児教育や年収590万円までの世帯の私立学校の授業料の無償化など教育負担の軽減に取り組む」と公約しました。
 とんでもない思い上がり、国民をごまかすのはいい加減にしてもらいたいものです。
目的税ではない
 ごまかしの第一は、消費税を特定の支出に充てることはできないことです。国の税金は、法人税も所得税も相続税も消費税も、すべて一般財源に入ることになっています。一方、ある目的に使わなければならない税金を目的税といいます。たとえば、温泉旅館に泊まると1人150円の入湯税を取られます。この入湯税は市町村民税ですが、温泉町の環境整備や温泉源の保護管理などに使わなわなくてはなりません。これが目的税です。
 消費税をはじめ法人税や所得税は目的税ではありません。ですから、何々に使うということを政府や与党が決めることはできない仕組みになっています。何に使うかは、予算審議を経て国会が決めるのです。それを消費税を10%に引き上げることを前提に選挙公約で使い道を公約するなど、政治の私物化に他なりません。
 消費税を8%、10%に引き上げることを決めた2012年6月21日の3党合意の際、その使い道を社会保障や子育て・保育などに充てるとしていました。けれど実際には5%から8%に引き上げられた後、社会保障の充実
や子育てに使われなかったことは周知の事実です。使われたのは大企業に対する法人税減税の穴埋めです。だから安倍首相も今度は消費税増税分を子育て、教育に使うと言わざるを得なかったわけです。しかし、もともと財政の仕組みから公約を守ることはできないのですから、カラ約束になることは見え見えです。ごまかされてはなりません。
憲法に基づいて
 税金は何に使うべきなのか考えてみましょう。使い方の基本は憲法に求められます。憲法は平和主義(前文)、生存権の保障(13条、25条など)をうたっています。ですから、軍事費や無駄な公共事業に税金を使うことは憲法に違反します。安倍首相が憲法を変えると主張するのは、やましい税金の使い方をしているからに他なりません。
 憲法によれば、国に入った税金は消費税であれ、法人税や所得税、相続税であれ、平和社会建設のためと福祉社会建設のために使わなければなりません。繰り返しますが、消費税の増税分を子育て・教育の無償化に使うなどとわざわざ言う必要はありません。わざわざ言うのは、「子育てや教育の無償化をしたければ消費税引き上げに賛成しろ」と脅迫しているのと同じです。

【東洋経済オアンライン】10月31日 データで見る「日本のケア労働の遅れた実態」 APECで感じた「日本の常識・世界の非常識」
 もっと根本的な施策を、あと数年でやらなければ、置いていかれる――。
 9月末、ベトナム・フエで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)、女性と経済フォーラムに参加した。ひとつのセッションをモデレートするため会場に入り、登壇者と意見交換した。そこで抱いたのは冒頭の感想だ。
 日本国内では、いまでも女性リーダーを増やす施策は「女性に優しい職場づくり」と位置づけられることが多い。また、そうした施策を「女性優遇」と批判する声もある。そんな中、働く場における女性支援は何のためにやっているのか――。よくわからなくなることもあるかもしれない。
 しかし、企業や政府、業界団体で女性リーダーを増やす施策に取り組む人は、迷っている余裕はない。ぐずぐずしていると、国際社会の常識から取り残されてしまうだろう。なぜなら意思決定権者に女性を増やすことは、もはや国際競争の一要素になっているからだ。
   (略)
日本の「男女のケア労働時間格差」は大きい
 加藤さんは、男女別に加えて、経済発展段階別のデータを見せてくれた。それによると、先進国における男女のケア労働時間格差は、およそ2倍。つまり、女性は男性の倍の時間、家事育児介護をしている。一方、途上国ではその差が5倍、6倍に上っている。そして日本における男女の家事育児時間格差は、統計により異なるが、3~5倍に上る。
 つまり日本は、国全体の経済水準は先進国だが、家庭内の仕事分担を見ると、日本は男女格差が大きく、先進国並みになっていない。先に示した、マッキンゼー報告書の内容に照らせば、もっと男性が家庭責任を果たせるようになれば、女性の社会進出が促進され、日本全体の経済発展につながるといえそうだ。日本国内だけを見ていると「男性は長時間労働だから家事ができなくても仕方ない」とあきらめてしまいがちだが、ほかの国と比較することで、もっと差を縮めることができるのではないか、という視点が生まれる。
 もう1度、おさらいする。①男女平等は経済成長のエンジン、②職場においては年齢・性別・職場滞在時間ではなく成果に基づくフェアな賃金を支払い、③家庭においては男性の家事育児分担を進め、男女ギャップを縮める――。
 やるべきことは、シンプルではっきりしている。そして、④男性リーダーが本気を出せば、3年で結果が出るはずだ。3年後の2020年、日本はどうなっているだろう。