【All About】(Webニュース)8月16日 還暦人の不安は身体能力低下、年金制度崩壊、老後貧困
PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ フィナンシャル生命)が、今年、還暦を迎える1957年生まれの男女を対象に「2017年の還暦人」に関する調査を行いました。その結果から、還暦を迎えた人たちの意識や考え方を3つピックアップしてみました。
まず、還暦人が感じている不安について。
今年の還暦人が最も不安に感じているのは「身体能力の低下(病気や寝たきりなど)」で62.1%でした。続いて、「年金制度の崩壊」が59.5%、「老後貧困・老後破産(老後資金不安)」が53.6%でした。還暦を過ぎた筆者も、3つとも共感できる不安です。還暦人に限らず、40代以降の多くの人が感じている不安のような気がします。
そのほか、「自分の介護(50.9%)」は2人に1人、「親の介護(33.3%)」は3人に1人が不安だと答えました。「介護」は、自分自身と親の両方にかかわる問題なのですね。
還暦人は平均約68歳まで働き続けたいと思っている
次に、就労意向について。
59歳時点で就労している・していた人に対し、60歳以降、何歳まで働きたいかを聞いたところ「60歳まで」は11.9%と約1割でした。「61歳~64歳まで」は7.7%、「65歳~69歳まで」は41.0%、「70歳~74歳まで」は25.2%、「75歳~79歳まで」は7.1%、「80歳~84歳まで」は4.6%、「85歳以上まで」は2.5%と、約9割の人は60歳以降も働き続けたいと思っています。働き続けたいと思う年齢の平均は67.7歳でした。
今の60代は、老後とは程遠い若さと精神をもっている人が多いので、60歳でリタイヤしたい人がほとんどいないのは当然でしょう。
今後の生活に最低限必要な生活費は夫婦で月22.4万円、ゆとりある生活は月32万円
最後に、今後の生活費について。
夫婦2人で最低限必要だと思う金額は平均22.4万円/月、ゆとりある生活のために必要だと思う金額は平均32万円/月でした。おひとりさまは、同・15.7万円/月、23.9万円/月でした。
最低限必要な生活費は、サラリーマンなら公的年金で賄えそうですが(年金制度が崩壊しなければ)、ゆとりある生活を送るには、老後資金をしっかりと貯めておく必要がありますね。
還暦人の意識・考え方を3つ見てきましたが、いかがでしたか? 今、40代~50代の人が還暦を迎えるころには、3大不安が不安ではない世の中になっているといいのですが。
【 共同通信 47NEWS】8月19日 核廃絶の署名携え国連へ 高校生大使、長崎で出発式
今年で活動20年目を迎えた高校生平和大使は、核兵器廃絶を訴える署名をスイス・ジュネーブの国連欧州本部へ届けるため、全国から選ばれた22人が渡欧する。長崎市のJR長崎駅前で19日、出発式が開かれた。長崎県立長崎東高2年の溝口祥帆さん(16)は「被爆者の願いと署名を集めた仲間の思いを、しっかり伝えたい」と意気込んだ。
引率する長崎市の被爆者で、元教師の川副忠子さん(73)は、米ニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約の交渉会合を傍聴した。「条約は採択されたが、廃絶を達成するために、まだまだ頑張らなければならない」と活動の意義を語った。
【しんぶん赤旗】8月16日〈主張〉4~6月期GDP 所得と消費の対策欠かせない
2017年度が始まった最初の3カ月(四半期)である17年4~6月期の国内総生産(GDP)が発表になりました。個人消費や設備投資などを合計したGDPの伸び率は物価上昇を差し引いた実質で前期比1・0%増、伸びが1年間続くと換算した年率では4・0%増で、四半期ごとで見て6四半期連続のプラス成長となりました。しかし、GDPの約6割を占める個人消費は実質0・9%増と全体の伸びを下回り、生活実感に近い名目では0・8%増にとどまっています。国民の暮らしの立て直しが進まず、消費の低迷が続いているのは明らかです。
―消費主導にはまだ程遠い
GDPの伸びを主な項目ごとにみると、実質で個人消費(民間最終消費支出)は0・9%増、民間の住宅投資は1・5%増、設備投資は2・4%増、公共投資は5・1%増、輸出はこれまでの増加から一転して0・5%の減少となっています(輸入は1・4%増)。日本経済はこれまで輸出に依存した“外需頼み”が特徴でしたが、4~6月期はGDPの伸び1%のうち、内需が1・3%増、外需がマイナス0・3%となっています。
これは安倍晋三政権が16年度に実施した補正予算編成が公共投資や住宅投資などに表れているのに加え、これまで「アベノミクス」(安倍政権の経済政策)で大もうけを上げた大企業が「人減らし」のための設備投資に回しているためです。本来経済成長の中心になるべき個人消費は増加したとはいっても一時的な「買い替え」が中心で伸び悩みの状態です。茂木敏充経済再生相も「消費はまだ力強さに欠ける」と認めるほどです。
経済はかつて“消費が投資を呼ぶ”と言われたように、消費が増えてこそ生産も投資も増えます。どんなに生産しても売れなければ、経済は成長できず、破綻してしまいます。政権に復帰して4年8カ月たつ安倍政権は、低金利や財政などで大企業のもうけを増やせば、雇用や消費も増えると宣伝してきました。ところが大企業の利益は記録的に増えても生産や消費の拡大に結び付かないのは、もうけがため込みに回って、雇用や所得を拡大していないからです。「アベノミクス」が「『アベコべ』のミクス」と呼ばれるのは当然です。
安倍首相は雇用は増え始めているといいますが、増えているのは賃金の安い「非正規」の労働者が中心です。労働者全体の所得は減少し、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」も直近6月の現金給与総額は前年同月比0・4%のマイナスです。所得を拡大し、消費を伸ばす対策が求められます。
―白書も「低下傾向」を警告
見過ごせないのは、所得が伸び悩むだけでなく、安倍政権のもとでの税金や社会保険料の引き上げが、国民が消費に回す「可処分所得」を窮屈にしていることです。安倍政権がまとめた「経済財政白書」でさえ、「平均消費性向(注=消費に回す割合)は2014年以降低下傾向にある」と指摘しています。「白書」はその原因をあれこれあげますが、最も働き盛りの「40~50歳代の現役世代については(社会保障の)負担が増えている点は否めない」と認めています。
大企業のもうけを国民の所得に回させるとともに消費税など税金や社会保険料の負担軽減が、消費拡大にいよいよ必要不可欠です。
【music,jiニュース】8月20日〈書籍ニュース〉 『なぜイギリス人は貯金500万円で幸せに暮らせるのか? イギリス式 中流老後のつくり方』(著:井形 慶子)イギリス人は貯金がないのに、幸せな老後を過ごす。なぜ日本人は無理なの?
消費が冷え込んでいるという。不思議ではありません、将来が不安ですから……。その一方で自民党で年金支給開始を75歳からという政策が練られているという。(片山さつき氏、小泉進次郎氏らの名前が上がっています)
日本老年学会と日本老年医学会の、一般的に65歳以上とされる高齢者の定義を「75歳以上」に引き上げる提言に基づいているのでしょうが、この発言と支給開始年齢を引き上げることとはなんの関係もありません。
65歳になっても働けるということと65歳になっても働かざるをえないというのは、まったく別物です。もちろん一億総活躍だの働き方改革などというものに結びつけるのは論外です。
年金問題は一例です。将来の不安が解消されなければ消費にむかうわけがありません。社会保障のための原資としての増税という声もありますが、現在の政府の支出を考えてもとてもそのまま信用できるわけがありません。バラマキや恣意的な支出、天下り先への支出などを考えると、増税してもとても社会保障に回されるとは思えず、安心できる将来を考えることなどできません。
井形さんがこの本で記したように「平均所得を下回る人は61.2%に拡大」し、「長生きリスク」がいわれている日本人にとってイギリスの老後はどう見えるのでしょうか。
──イギリスで、リタイアして庭仕事に明け暮れる同世代のイギリス人の元エンジニアに「老後が心配ではないですか」と尋ねてみました。300万円ほどの貯金しかない彼は、今が楽しいのだからこの先も問題ないと自身たっぷり。
「どうしてかって、それはイギリス人は今日を生き、日本人はリタイア後を思いあぐねるからだ」と。──
日本人が「思いあぐねる」のは制度が機能せず、安心できないからです。その制度に振り回されて、自己防衛(?)しなければならない私たちにですが、この本で取り上げられたイギリス人のリタイア後の生活はいろいろなことを考えさせてくれます。
──自立して生きるイギリス人は人生は長く生きることより質──クオリティ・オブ・ライフだといいます。急場をしのぐための貯金と、暮らしのスケール。贅沢はできないけれど、幸せが感じられる毎日。それはどのようなものか。──
確かに大事なのはライフの中身です。では彼らの考えている「質」はどのようなものなのでしょうか。
まず大前提として心にとめなければならないのは「物事を悲観的に捉えず、いまあるものの中から常に最良の道を選択する合理的な考え」を持ち続けることです。
・どう生きたいのか、まずは自分1人で完結できる設計図を作る:これは自分で自分の人生を引き受けるということです。家族に依存する前に1人で生きることを考えることです。
・心に柔軟性を持つ:これは若さを保つことに繋がります。
・心配事は専門化の助けを借りる:思い煩うことをなくす。
・今日できることは明日にのばさない:行動力が生活に心地よい緊張感をもたらします。
・老後を助けあう友人を持つ:友人は家族であり、ヘルパーであり気兼ねなく話せるライフライン。
・生活保護も権利意識の強いイギリスでは大事な選択肢の1つ。
これらのアドバイスは井形さんが多くのイギリス人たちに取材する中で見出したものです。多くの写真も添えてある取材、というより訪問記からはイギリス人の確たる生き方が充分に感じとれます。
「自分の判断を信じ、思い描く人生を選択し続けるには、一人ひとりがあてがいぶちでない普遍的な暮らし、経済、人間関係の規範を見つけることよりほかない」ということなのでしょう。
──そういう視点から、住まい、介護、人づきあい、お金を見直してみれば、私たちを縛っている、「多額な預金がなければ老後は破綻する」という方程式がすべてではないと思えてきます。──
もちろん、これは個人の心がまえだけでできることではありません。私たちの生活を保障できる制度も絶対必要です。
ではイギリスの制度はどうなっているのでしょうか。社会保障が充実しているといわれているイギリスで老人たちはどのように生きているのでしょう。
──生活の苦しいイギリス人の大半は、老後になるとためらいもなく自分から生活保護を申請します。家や車を持っていても問題なく、市民税などの税金支払いも免除されます。家族がいなくて、全部自分の持ち金を使ってしまった人でも生活保護を受け、いよいよとなれば無料で老人ホームに入ることもできるのです。──
ここにはまだまだイギリスの制度の足元にも及ばない日本を思い知らされます。「クオリティ・オブ・ライフ」に必要なのは、質の内実に思いいたる私たち自身と、それを叶える社会制度です。たとえば、同じ自己責任とはいっても、それは当事者自らがいうイギリスに比べて、日本では強者(富裕層、権力者たち)の責任逃れのようになっています。まずはそこからただすべきではないでしょうか。
ところでこの本にトレイシー・ハイドが登場しています。映画ファンでしたら、『小さな恋のメロディ』のメロディ役だった彼女を思い出すでしょう。また音楽ファンはThe Bee Geesが歌ったバラードの主題「Melody Fair」やCrosby Stills Nash & Youngが歌った劇中歌「Teach Your Children」を思い浮かべる人もいると思います。彼女はこの映画以後は作品に恵まれず、映画界からは引退していました。その彼女が笑顔とともに登場しています。彼女がどのように考え生きてきたのか、ファンのかたでなくとも耳を傾ける価値があると思います。ぜひ読んで確かめてください。強さとはなにかを教えてくれているように感じました。(レビュワー 野中幸宏)