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琉球新報<社説>共謀罪法案可決強行 成立させてはならない 解散して国民に信を問え
2017年5月20日

【東京新聞】5月17日〈社説〉日本の平和主義 「改憲ありき」が透ける
 戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法九条改正は、自民党結党以来の「悲願」ではある。しかし、安倍晋三首相の九条改正論は、内容にかかわらず、憲法の改正自体を目的とする姿勢が透けて見える。
 まずは、自民党の政権復帰直後のことを振り返りたい。安倍首相は二〇一三年一月、本紙のインタビューに「憲法改正は衆参両院ともに三分の二の賛成があって初めて発議できる。極めて高いハードルだ。現実的アプローチとして、私は九六条の改正条項を改正したい」と答えている。
 憲法改正がしやすいよう、発議要件を「二分の一」以上に緩和した上で、具体的な改正に取り組む段階論である。しかし、「姑息(こそく)な手段」などと猛反発に遭い、首相もその後、言及しなくなった。
 首相が次に持ち出したのは、大地震など自然災害や、武力攻撃を受けた場合に政治空白を避けるための「緊急事態条項」追加だ。
 衆参両院の憲法審査会では、その是非についても各党が見解を表明したり、参考人から意見を聞くなど、議論を続けている。
 しかし、自民党の改憲草案が緊急事態の際、内閣が法律と同じ効力の政令を制定できることや、一時的な私権制限を認める内容を盛り込んでいることもあり、議論が前進していないのが現状だ。
 そこで、首相がこの五月に持ち出したのが九条一、二項を残しつつ、三項を設けて自衛隊の存在を明記する新たな改憲論である。
 国防軍の創設を盛り込んだ党の改憲草案よりも穏健に見えるが、歴代内閣は自衛隊を合憲と位置付け、国民の多くも自衛隊の存在を認めている。わざわざ憲法に書き込む必然性は乏しい。
 一連の経緯を振り返ると、首相の改憲論からは、改正を必要とする切迫性が感じられない。あるのは、首相在任中に憲法改正を成し遂げたいという「改憲ありき」の姿勢だ。東京五輪の二〇年を改正憲法施行の年と期限を区切ったのも、自らの在任期間を念頭に置いたものだろう。
 そもそも憲法の改正は、多くの国民から求める声が湧き上がったときに初めて実現すべきものだ。
 憲法に縛られる立場にある行政府の長が、この部分を変えてほしいと指定するのは、立憲主義はもちろん、憲法の尊重・擁護義務に反し、幅広い合意を目指す憲法審査会の努力をも踏みにじるものである。党総裁との使い分けも、正当な主張とはおよそ言えない。

【ハフンポスト】5月19日 共謀罪、著名人も反発 佐野元春「検閲は地雷だ」 小林よしのり「創造力が減退する」
「共謀罪」の構成要件を改めて、「テロ等準備罪」を新設する組織的犯罪処罰法改正案が5月19日午後、衆院法務委員会で可決された。民進党や共産党が抗議する中で、与党が質疑を打ち切って強行採決に踏み切った。
 犯罪を計画段階から処罰する趣旨を含む組織的犯罪処罰法改正案は、「共謀罪」法案とも呼ばれている。法案の可決を受け、著名人が共謀罪に対する考えをSNS上などで発信した。
 委員会で参考人として意見を述べた漫画家の小林よしのりさんは19日、自身のブログを更新。共謀罪が可決されたことに対して、「監視社会になっていくこと確実である」とつづった。さらに「自由が萎縮して、公共の狭まった世界では、人々の活力が奪われて行くし、創造力も減退していく」と、自身の考えを述べた。
 脳科学者の茂木健一さんもTwitterに投稿。「賛成された議員の方が、共謀罪の法的な含意と技術的細部を理解されて賛成されたことを望みます」とコメントした。
 共謀罪をめぐっては、これまでにもタレントやアーティストもSNS上で自身の考えを語っている。
 シンガー・ソングライターの佐野元春さんは5月17日、自身の公式Facebookで、アメリカの作家スーザン・ソンタグの言葉を引用しながら、アーティストの立場からこのようにつづっていた。
「検閲は地雷だ。表現が規制されることほどきついことはない。政府は言う、普通の人には関係ない。しかし判断するのは権力を持つ者、警察だ。ダメと言われたらそれでアウト」
 劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチさんは15日、「断固、サミットへの手土産なんかのために共謀罪を強行採決されてはならない。どんでもない未来が待っているかもしれないのだから」とTwitterに投稿。法案への反対の立場を示していた。
 タレントの松尾貴史さんは12日、Twitter上で「強行採決されたら、すでにやらかしてしまっている秘密保護法その他とセットで、国民を黙らせる仕組みは完了という状態になってしまう」と述べていた。
 お笑いコンビ・ロンドンブーツの田村淳さんも11日、Twitter上で言及。「憲法9条の改憲も気になるけど、共謀罪の方が気になる。このまま共謀罪は通るのかな」と、法案の行く末を注目していた。

【琉球新報】5月20日 <社説>共謀罪法案可決強行 成立させてはならない 解散して国民に信を問え
 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」法案が衆院法務委員会で強行採決され、与党や日本維新の会の賛成多数で可決された。
 捜査機関が団体や市民生活のあらゆる分野を常時監視し、取り締まりの対象とする監視社会を招く恐れがある。
  安保関連法によって憲法9条をねじ曲げ、特定秘密保護法によって国民から情報を隠し、共謀罪法案によって国民を監視する。安倍政権は、日本をこれまでとは違う社会に変質させようとしている。議会制民主主義が機能しない中で、憲法違反の悪法を成立させてはならない。この際、解散して国民に信を問うべきである。
  監視社会はごめん
 沖縄県民は戦中と米国施政下で監視社会を経験している。そんな社会の再来はごめんだ。
  元県議で沖縄社会大衆党の委員長を務めた瑞慶覧長方さんの父長真さん(当時48歳)は1944年5月、糸満の海で、溺死体で見つかった。投身自殺だった。
  44年の初めごろから「長真はそういう(社会主義の)本を持っているらしい」とのうわさが流れてきた。ある日、2人の特別高等警察官(特高)が突然自宅に現れた。本棚をひっくり返し、裏の小屋にあった種まき用の大豆が入った大きなかめに手を突っ込んで、社会主義に関する本を徹底的に探し回った。抜き打ちで数回家宅捜索が行われたが「本」は見つからなかった。
  特高による尋問で長真さんは日ごとに憔悴(しょうすい)していった。当時11歳の長方さんはなすすべがなかった。ある晩、父はふらりと家を出たまま帰らぬ人となった。治安維持法によって家族の日常が奪われてしまった。
  米国統治下の56年、琉球大学の学生らが「ヤンキー・ゴー・ホーム」とシュプレヒコールを上げながらデモ行進したとして、米国の圧力によって退学処分になった。大学は当時、米軍によって監視されていた。表現、思想信条の自由はなかった。
  安倍晋三首相は1月の国会答弁で、処罰対象は「そもそも犯罪を犯すことを目的とする集団」としていたが、2月には「そもそもの目的が正常でも、一変した段階で一般人であるわけがない」と説明を変えた。線引きが曖昧だ。
  対象は際限なく広がり、労働組合など正当な目的の団体であっても、捜査機関が「組織的犯罪集団」として認定すれば処罰対象になる可能性がある。かつて石破茂氏が秘密保護法案への反対運動をテロになぞらえたことがある。辺野古新基地建設に反対する市民運動も対象になる恐れがある。
  現代の治安維持法だ
 治安維持法の下で言論や思想が弾圧された反省を踏まえ、戦後日本の刑法は犯罪が実行された「既遂」を罰する原則がある。
  しかし共謀罪法案は、実行行為がなくても犯罪を行う合意が成立するだけで処罰する。捜査機関が恣意(しい)的に運用する恐れがあり、日本の刑法体系に反する。犯罪実行前に自首した場合は刑を減免する規定があり、密告を奨励する社会になりかねない。
  対象犯罪を676から277に絞ったとしても、拡大解釈される可能性は否定できない。治安維持法も拡大解釈され、全く歯止めが利かなくなった。
  安倍政権は安保法によって、自衛隊による海外任務を拡大させ、憲法違反の集団的自衛権行使を認めた。秘密保護法によって国に不都合な情報を隠し国民の知る権利を侵している。今度は共謀罪法案によって国民を監視する。おとり捜査や潜入捜査、室内盗聴、GPS捜査など捜査手法の拡大を合法化する可能性もある。
  これだけの重要法案でありながら30時間の審議だけで議論が深まるはずがない。強行採決した法務委の責任は重い。主権者の国民を代表する国権の「最高機関」という自覚が足りない。委員会審議のやり直しを強く求める。

【東京新聞】5月20日 「恣意的運用」国際視点から警告 国連報告者、首相に書簡 「共謀罪」採決強行
 プライバシーの権利に関する国連特別報告者ケナタッチ氏が、「共謀罪」法案に対し、プライバシーや表現の自由を制約する恐れがあると強い懸念を示す書簡を安倍晋三首相あてに送付した。法案の「計画」や「準備行為」の文言が抽象的で恣意(しい)的に適用されかねないなどと警告しており、国際的な視点から問題点を明示された形だ。
 書簡は十八日付で、法案で対象となる犯罪が幅広くテロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいると指摘。どんな行為が処罰対象となるか不明確で、刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があるとした。
 さらに書簡は、プライバシー保護の適切な仕組みが欠けているとして、懸念事項を列挙。「国家安全保障のために行われる監視活動を事前に許可するための独立機関の設置が想定されていない」と問題視した。
 政府は、犯罪の計画だけで強制捜査はできないが、令状がいらない任意捜査は必要性などがあれば認められる、としている。これに対し、書簡は「法案では令状主義の強化が予定されていない」と批判する。
 その半面、「警察がGPS(衛星利用測位システム)や電子機器を使った捜査で裁判所に令状請求する際、司法の監督の質が憂慮される」とも記述。政府側が歯止めとして強調する裁判所のチェック機能にも疑問を呈した。
 ケナタッチ氏は、情報技術(IT)に関する法律の専門家で、マルタ共和国出身。国連の人権理事会が二〇一五年七月、プライバシー権に関する特別報告者に任命した。 (辻渕智之)

【神奈川新聞】5月20日 「政権は退場を」 共産・志位委員長
 共産党の志位和夫委員長が19日、横浜市中区の桜木町駅前で演説し、組織犯罪処罰法改正案の強行採決に対し「強い憤りをもって抗議する」と訴えた。
 志位委員長は「法案の一番の問題点は心の中を処罰すること。憲法で認められた思想信条の自由を侵すことは明白だ」と主張。「『廃案にせよ』という声を国会に集結させてほしい」と呼び掛けた。
 さらに、憲法改正の動きや加計学園問題、閣僚の相次ぐ失言などに触れ「安倍政権はボロボロの暴走車。退場してもらうしかない」と批判した。