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アベノミクスという言葉は、政策決定のプロセスで思考停止をもたらす(「日経」)
2017年1月21日

【東京新聞】1月21日<社説>首相施政方針 同盟を不変とする誤り
  日米関係は日本外交の重要な柱だが、「日米同盟」を「不変の原則」に祭り上げ、思考停止に陥っては、外交の選択肢を狭める。米国の軍事力に過度に依存しない、柔軟な外交政策の模索が必要だ。
 トランプ米大統領就任を強く意識した内容だった。きのう召集された通常国会冒頭に行われた安倍晋三首相の施政方針演説である。
 首相は演説前半で、昨年末の米ハワイ真珠湾訪問に言及し、かつて戦火を交えた日米両国が「和解の力により、強い絆で結ばれた同盟国になった」「これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそがわが国の外交・安全保障政策の基軸である。これは不変の原則だ」と強調した。
 これは「米国第一」を掲げ、もはや「世界の警察官」にはならない意思を明確にしたトランプ氏に対し、引き続き日本を含むアジア・太平洋地域への関与を求めるメッセージなのだろう。
 中国の海洋進出や北朝鮮の核・ミサイル開発など厳しさを増す地域情勢を考えれば、紛争を抑止する警察力としての米軍展開の必要性は当面、認めざるを得ない。
 そのために日本は、基地提供など日米安保条約に規定された義務を誠実に果たす必要はある。
 とはいえ日米同盟を「不変の原則」とすれば、同盟関係の維持自体が絶対的なものになり、政策の選択肢はおのずから狭まる。トランプ氏が求める軍事的な負担増も拒否できなくなるのではないか。
 首相は今年、多くの国で指導者交代による「大きな変化が予想される」と指摘し、「先の見えない時代」にぶれない軸を打ち立てることが最も大切だと強調した。
 そして「自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有する国々と連携する」「自由貿易の旗手として、公正なルールに基づいた、二十一世紀型の経済体制を構築する」と述べた。
 米国ですら、基本的価値を軽視し、保護貿易主義に傾斜する時代だ。首相の志は多としたい。
 首相が指摘したように、テロ、難民、貧困、感染症など深刻さを増す世界的な課題の解決こそが、日本が積極的にすべき非軍事分野の貢献である。
 その貢献に力を与えるのが、戦後日本の平和国家としての歩みに対する国際社会の高い評価と尊敬だろう。平和主義こそ、ぶれてはならない日本の軸であり、不変の原則だ。日米「軍事同盟」への過度の傾斜が、日本の外交力をそぐことに留意すべきである。

【日本経済新聞】1月19日<大機小機>アベノミクスとは何か
言葉というのは不思議なものだ。「3本の矢」とともにアベノミクスが華々しく登場して丸4年。いまや弓折れ、矢尽きても、言葉だけは健在のようだ。
4日の年頭会見で、安倍晋三首相は次のように述べた。「アベノミクスをふかいしながら経済をしっかり成長させていくことが私たちの使命だ」。しかし、「ふかす」対象としての「アベノミクス」とは一体何なのか。
4年前に船出したとき、アベノミクスの「第1の矢」、すなわち「異次元の金融緩和」には確かに実態があった。賛否は別として、従来の金融政策と異なる、新しい試みだったからである。公約どおり、4年間でマネタリーベースは140兆円前後から400兆円超まで3倍になった。
マネーを増やせば物価は上がり、日本経済の「宿痾(しゅくあ)」たるデフレを脱却する。これがシナリオだが、現状では消費者物価(生鮮食品を除く)はマイナス0・4%と、下落している。
昨年9月に日銀は長期金利をゼロ%近傍に誘導する新たな枠組みに移行した。何のことはない。「金利政策」への回帰である。1本目の矢はむなしく消えた。
2本目の矢、補正予算で「景気対策」は語るまでもない。むしろ古いタイプの政策だ。
安倍政権は「財政規律も守る」と言ってきた。消費税引き上げを先送りしても、経済成長の果実で財政健全化は達成可能ということだったが、この4年間に財政はさらに悪化した。国の長期債務の国内総生産比は安倍政権が誕生した4年前には143%、現在は156%である。
税収の落ち込みが懸念されるなか、2020年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の目標は赤信号だ。目標達成に向けたシナリオは見えてこない。
3本目の矢である成長戦略も、過去20年の歴代内閣が言ってきたことだ。会議はたくさん立ち上げたが、この4年間で一体何が実現したのか。
実体がなくても無害ならば、それでよい。しかし、アベノミクスという言葉は、政策決定のプロセスで思考停止をもたらす。もはや使わないほうがよい言葉である。(与次郎)

【しんぶん赤旗】16年12月11日 CEO(最高経営責任者)高額報酬 企業に増税―従業員の100倍なら10%増 米国で初―所得格差に対処
<ワシントン=洞口昇幸>米西部オレゴン州ポートランドの市議会は7日、最高経営責任者(CEO)の報酬が従業員の給与の中央値の100倍を超える企業に対し、市の事業税を割り増しする条例を可決しました。米主要メディアも「所得格差に対処する動き」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と注目して報じています。同紙によると、こうした制度は米国で初めてです。
 新条例は来年1月から実施。企業の従業員に払う給与額の中央値と比べて、CEOが受け取る報酬額が100倍以上ならば10%、250倍以上ならば25%の割増税が企業に課されます。
 ポートランド市は現在、CEOの報酬が非常に高額なことで知られる金融大手のウェルズ・ファーゴ、複合企業ゼネラル・エレクトリック、世界最大の小売業者ウォルマートを含む500以上の企業が割増税の対象となると見ています。年間250万~350万ドル(最大約4億円)の新たな税収が見込まれ、住宅や警察、消防など公益事業の財源になるとしています。
 企業の給与情報を扱う複数の専門サイトによると、ウォルマートのダグ・マクミランCEOの2016会計年度(15年10月~16年9月)の報酬は1940万4042ドル(約22億1206万円)、従業員の年収の中央値9万6588ドル(約1101万円)の約200倍です。
 条例を提案したスティーブ・ノビック市議は地元メディアに対し、条例でCEOへの法外な高額報酬が抑制されることも期待すると表明。さらに声明で「極端な経済的不平等は社会の最大の問題だ。所得上位1%、特に上位0・1%は40年前より、はるかに大きな富や収入を得ている」と指摘しました。
 米進歩系シンクタンク「政策研究所」は7日の声明で、新条例が「全米で野火のように広がった、生活できる賃金を求める運動のように、波のような行動を引き起こすかもしれない」と歓迎しています。

【日本経済新聞】1月19日<日本の政治 ここがフシギ>④ 不自由な選挙活動ー参加意識 損なう恐れ
 「これではルールを破らずに選挙運動をする方が難しい」。アイルランド国籍を持ち米国で博士号をとった憲法学者のマッケルウェイン・ケネス・盛東大准教授が、日本.で強い違和感を覚えたのは選挙制度だ。「選挙期間とそれ以外の期間にできることを、こんなに厳密に分けるのは諸外国でも珍しい。規制緩和が必要だ」と訴える。日本の選挙のルールブック、公職選挙法は全部で275条。公示日から投票日の選挙運動や日常の政治活動。一挙手一投足まで禁止事項が並ぶ。例えば選挙区内の住宅を一軒一軒訪ねて投票を依頼するコ戸別訪問」はダメだ。国立国会図書館の調査では、主要7力国(G7)でこんな規制があるのは日本だけだ。
< コーヒーはNG
米国でビジネス経験がある元参院議員の松田公太氏。2010年の出馬時、選挙事務所にエスプレッソマシンを置いて訪れた人にコーヒーを振る舞おうとしたところ、秘書に止められた。「公選法違反です。お茶はいいがコーヒーはダメ」公選法では有権者に有価物を渡すことは厳禁だ。許されるのはお茶と茶菓子まで。お茶もペットボトル入りをそのまま渡せば有価物。キャップを外したりコップに注いだりするのが常識だ。公示前に「事前運動」ができず、公示日から一斉に選挙運動をする日本のルールも珍しい。米国人弁護士でタレントのケント・ギルバート氏は「米大統領選は長すぎるが、日本の選挙は短すぎ。政策論争ではなく人気投票になりがち」と話す。日本で男子普通選挙が実現した1925年。有権者の買収など不正が横行し、政府は戸別訪問禁止など厳しい規制を設けた。確かに厳格な規則があれば選挙の公正性は確保される。しかし、元総務官僚で選挙部長を経験した片木淳早大教授は「戸別訪問禁止などは国民の選挙への参加意識を低下させる」と説く。
< 規制で現職有利
ネットも同じだ。米国では規制はなく候補者と有権者が交流サイト(SNS)で常に活動できる。日本もSNSで投票の呼びかけができるが、リアルな世界と同様、公示日から投票前日までだ。
有権者はSNSで候補の応援ができるが、メールを使うと違法とわかりにくい。横浜市立大の和田淳一郎教授は、「ネットではもっと自由にやればよい。メールの規制は緩和すべきだ」と話す。
「選挙の期間や手法を限定すると現職が有利」。マッケルウェイン氏は説く。常に選挙運動ができれば新人・元職と現職の差は縮み、規制が緩めば国民の政治参加も増える。でもルールを定める国会は現職が占める。変化の兆しは見えない。