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浮かれてる場合じゃない!「どアホノミクス」で今年ついに起きること(現代ビジネス)
2017年1月7日

【現代ビジネス】1月3日 浮かれてる場合じゃない!「どアホノミクス」で今年ついに起きること
二人の辛口論客が徹底討論 佐高 信,浜 矩子
安倍首相、黒田日銀、御用学者たちによる「チーム・アホノミクス」は、この国をどうしようと目論んでいるのか。大メディアの記者たちは、その目論みに気づいていて報じないのか、それとも気づいていないのか。二人の辛口論客が徹底討論!
ー安倍の本当の狙い
<浜矩子> アベノミクスは、すでにして行き詰まっていると言えます。屋上屋を重ねるように場当たり的な金融政策を続けているわけですが、いつそれが崩壊してもおかしくない。「アホノミクス」、いや「どアホノミクス」と言うべき状況です。
<佐高信> 事実、日銀の黒田東彦総裁は、すでに9月21日、アベノミクスの「総括的な検証」の記者会見で、「(金融緩和を)さらに強化して長短金利操作付き量的・質的金融緩和にした」と発言していますね。これは安倍政権の金融政策を抜本的に転換する発言で、端的にアベノミクスの失敗を意味している。
しかし、安倍総理はむろんのこと、黒田総裁自身もそのことを理解しているとは思えません。
<浜> おっしゃる通りです。もはや日銀は「チームアホノミクス」の中央銀行支部になっていると言わざるをえません。日銀が中央銀行の本来の役割を放棄してしまっているので、金融政策と現実の辻褄がどんどん合わなくなってきている。
<佐高> 安倍総理や黒田総裁がよく使う「マーケット」という言葉も、変な言葉だなと感じます。
<浜> あたかも「マーケットさん」や「市場さん」という人がいるかのごとく、「マーケットが求めている」「マーケットの言うことを聞かなければ」という言い方がなされていますが、危険な言葉ですね。「マーケット」という言い方をすることで、金に人格を与えてしまう。
安倍政権は、「自分たちは市場との対話の達人だから、自分たちの思惑通りに株も上がれば円も下がるのだ」と思いこんでいる。
しかし現実には、国民はマイナス金利政策が導入された途端に金庫を買って、そこに現金を詰め込むという自己防衛手段に出ています。株価と実体経済がまったく連動していないのです。
<佐高> 安倍総理が「デフレを打開するため」と言って掲げた、「一定の物価上昇率を目標として金融緩和を行う」というインフレターゲット論にも、私はそもそも疑念を抱いています。
<浜> 安倍政権は'13年4月に一度掲げた2%の物価上昇率目標について、「2年程度での実現」という方針を取り下げましたが、そもそも当初から本気でやる気があったのかどうか、私ははなはだ疑問ですね。
できもしない目標を掲げて、日銀による財政ファイナンス(政府の借金を引き受けること)を正当化する。そこに本当の狙いがあったのではないかと感じます。
<佐高> それはズバリ、政権が触れられたくないところかもしれません。彼らは「自由主義」と言うけど、2%目標というのは完全に統制経済です。
<浜> このところ、そうした統制的な考え方が多方面でまかり通っているように感じます。女性の役員比率などもお国が決めていく。「2020年までにGDP600兆円」というのは、今と比べて2割増えるわけですが、これは明らかに、そうすれば国防費を増やせるという算段でしょう。
自分たちの目的を達成するために、美味しそうなことを言って人を引き寄せる。その種の人々が本当は何を狙っているかを、我々は見透かし、見据えていく必要がある。国民には、安倍総理にすっかり安心して委ねてしまっている人が多いのが深刻なのですが。
<佐高> 安倍総理を支えている人の中には、経済が政治や社会とは別に自立していると錯覚している人も多い気がするんです。
安倍総理のブレーンである竹中平蔵(慶應義塾大学名誉教授)などは「経済は難しいものだから、自分たちにしかわからないんだ」という言い方をしますよね。専門性を強調して人々を寄せ付けず、好き勝手なことをやる。
<浜> 実はすごくシンプルな話でも、簡単にわかられては困るから複雑怪奇に見せる。日銀の記者会見なんかを見ていると、メディア側の責任もかなりあると思います。
説明を聞いて報じる側までもが、相手の繰り出した訳のわからない言葉で話してしまう。「フォワード・ルッキング」だとか「オーバーシュート型コミットメント」だとか。
記者たちは一般の人の代理として質問をぶつける役割がある。どうして「そんな言われ方をしてもわかりませんよ」と言わないのでしょうか。
ー落とし穴が待っている
<佐高> 経営者が本を読まなくなり、哲学を持たなくなったことも、問題だと思います。
私は日本興業銀行のトップだった中山素平が好きで、何度か取材しました。中山さんは昭和2年の金融恐慌を見ていて、ああいうことを二度と起こしてはならないという思いが彼の原点にはあった。
危機の時代には哲学が必要なのだとわかっている人でした。それがわからない今の経済学者や経営者は危うい。彼らはアホノミクスに期待し、すりよってしまう。
<浜> こんな情況になってしまったのは、ビジネススクールの存在が良くないのかもしれない。リーマンショックの後、ハーバード大学などは反省して、経営倫理をしっかり学んでもらう必要があると言い出しました。
しかし日本では、いまだに大学や高校での文系不要論がまかり通り、権力側は、さらにテクニックばかりを教える方向に持っていこうとしています。この傾向が進めば進むほど、技術は知っているけれど頭のなかは空っぽという人が増えていく。
実はそれは国家権力が望むところです。今の経団連の役員クラスに名を連ねている経営幹部たちにも、理念や倫理から発言する人がもういなくなってしまった。
<佐高> 今の日銀と安倍政権の関係で言うと、日銀は、小手先のテクニカルなことばかりやろうとしている。それが日本経済を殺すようなとてつもない結果をもたらす策であるわけですが、安倍総理がそのテクニカルなことの本当の意味がわかっているのかというと、まるでわかっていない。
<浜> 知的貧困が加速度的に進み、そこに悪い奴らがつけ込んでくる。知的貧困のどこにどうつけ込めばいいかということへの嗅覚を持っている人たちが、「三本の矢」などと言い出すわけです。
安倍政権は男性の支持、特に10代、20代の男子の支持が強いという調査結果があると聞きました。実際にそうなのだとすれば、それは彼らがいちばん自信をなくしていて、いちばん方向感を失っていて、いちばん不安感で一杯な層だからだと思うのです。
そういう不安でいっぱいの男子たちが、「強い日本を取り戻す」などと威勢のいいことを言われると、強さと力を掲げるメッセージに酔いしれてしまう。
<佐高> アホノミクスは富国強兵の「国」を「会社」に変えましたが、しかし人々に尽くさせるスタイルは変わっていません。ただ反面、人々のほうでも忠誠の対象を求めているようにも感じます。
<浜> 安倍総理は大日本帝国会社の総帥になった気分でいるでしょう。しかし、このまま現実から目をそらし続けていると、日本全体が、近い将来とんでもない落とし穴にはまってしまうでしょう。
(注)詳細は講談社+α新書『どアホノミクスの正体』\907(税込)をお読みください。

【しんぶん赤旗】1月6日<主張>兵器研究助成18倍 科学者の軍事動員を許さない
安倍晋三政権が昨年末に閣議決定した2017年度予算案で、大学や公的研究機関、民間企業に軍事技術の研究を委託する「安全保障技術研究推進制度
」(研究推進制度)に110億円を計上しました。「学問の府を軍事研究の場にするな」との研究者の批判に背を向け、防衛省の概算要求どおり、16年度(6億円)の18倍という異常な増額を盛り込んだことは重大です。
<米国の兵器開発に追随し>
 「軍学共同」の本格化の狙いは、最先端の軍事技術開発を進める米国に追随し、自衛隊の技術力を強化することにあります。「戦争する国」
を支える体制づくりの一環として、科学者を兵器開発に動員するために、札束で学術界の切り崩しを図ろうというのです。
 米国は、ステルス機や無人機、高エネルギーレーザー、全世界監視攻撃システムなど最新鋭兵器開発を進めています。自民党の「防衛装備・
技術政策に関する提言」(昨年5月)は、米国などとの国際共同開発への参加に向け、20年後、50年後を見通す戦略的な研究開発の推進を首相に求めました。大学の研究や民間企業の技術を軍事に取り込むため、先端技術を兵器に実用するまでの研究開発の拡大と、それにつながる基礎研究の推進を一体に追求し、研究推進制度を100億円規模へ大幅増額することを要求しています。
 防衛省の研究推進制度は、研究者の自由な発想に基づく研究を支援する文部科学省の科学研究費助成事業などとは違い、防衛省策定の「研究
開発ビジョン」などにもとづくテーマで募集されます。
 この2年間で大学9件、研究機関5件、民間企業5件の合計19件の研究課題が採択されました。「マッハ5以上の極超音速飛行が可能なエ
ンジン実現」「メタマテリアル技術による電波・光波の反射低減及び制御」など、将来戦闘機や無人機の高速化、ステルス化に向けた基礎研究が目立ちます。
 日本共産党の井上哲士議員は参院での質問(昨年12月)で、大学や研究機関などを軍事の下請けにする制度だと追及、これに対して防衛装
備庁の石川正樹審議官は、それらの研究が有人戦闘機と連携して攻撃する無人戦闘機の開発に直結することを認めました。
 同庁の渡辺秀明長官は「ジェットエンジンの耐熱材料開発もそうですが、研究の完成度を高め、技術を獲得するには製造試験装置を作るなど
ある程度の規模が必要になります」(「毎日」昨年10月27日付)と、予算の大幅増額の狙いが戦闘機の開発にあることをあけすけに語っています。
 この制度に対して、全国で科学者からの批判が広がっています。
 関西大学は昨年12月、防衛省の研究推進制度への申請を認めないなど、研究内容が軍事防衛目的である場合に、研究費などを一切受け入れ
ない方針を決めました。
<「学問の自由」阻害認めぬ>
 日本学術会議の検討会でも、防衛省職員のプログラムディレクターが委託先の研究の進行状況を管理することが問題視されました。山極寿一京
都大学学長は「研究者の中立性と自由な判断を阻害するものであり、到底受け入れることはできません」と批判しています。
 人類の平和・福祉に貢献すべき学術を軍事に利用し、「学問の自由」を阻害する防衛省の研究推進制度の廃止を強く要求します。