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カジノ法案 それが「美しい日本」か―東京新聞社説
2016年12月10日

【日経ビジネス】ONLINE 12月9日 カジノ法案という“増税策”
カジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案(カジノ法案)が、12月6日の衆議院本会議で可決され、7日から参議院で審議入りした。
 衆議院での審議時間は、わずか6時間足らずだった。
  この点(審議の時間が十分でなかったこと)について
「国会軽視だ」
「審議不足だ」
 という批判の声があがっている。
 国会を言論の府であるとする建前からすれば、もっともな批判だ。
 とはいえ、与党が3分の2以上の議席を占め、与党外からも賛成にまわる勢力(維新の会)が合流している以上、どんな手順で議論を進めたところで、採決の結果は動かない。与党側が、審議を尽くしたという外形を整えるために、それなりの審議時間を費やしたのだとしても、結果として法案が変更なしに可決されるのであれば、実質的に何が変わるわけでもない。
 つまるところ、われら有権者が、政権与党に単独で議決可能な数をはるかに上回る議席を与えている以上、いま起きていることは、与党側の自由裁量権の範囲内のお話だ。別の言い方をすれば、現今の国会の状況は、先の選挙において、わたくしども選挙民が、与党側に対して「強引な手法で審議を省略して採決に持ち込んでもかまわない」というお墨付きを与えたことの、必然的な帰結なのだ。
 そんなわけなので、私個人としては、採決について、いまさらどうこう言おうとは思っていない。
 議席を持っている勢力が、議席数に相応する権力を振り回すのは、制度上、仕方の無いことだ。
 ただ、法案成立に至る過程が正当であるのかどうかということとは別に、現在審議されている法案の中味に関しては、私なりに色々と思うところがある。今回はそれを書いておくことにする。
 私が賛成しようが反対しようが、それが、法案の内容や成立時期に影響するわけではないことはよくわかっている。それでも、現在、自分のアタマの中にある考えを書いておくことには、一定の意味があると思っている。というのも、たとえば10年後に、この法律がこの国の姿を変えている時点から振り返って読み返してみれば、これから私が書くことは、それなりの意味を持っているはずだからだ。
 いまのうちに書いておけば、あとになって
「ほら、オレの言っていた通りじゃないか」と言うことができる。
 その10年後の繰り言に説得力を与えるために、いまから布石を打っておくということだ。
 私がカジノ解禁法案に反対する主たる理由は、この法案が、「統合型リゾート(IR)整備推進法案」というその名称が示唆している通り、賭博のもたらす弊害から目をそらして、賭博が生み出すであろう利益と権益だけを手に入れようとする人々が立案した絵空事であるように見えるからだ。
 「統合型リゾート」という名称は、その中核がカジノである点を意図的に隠蔽(でなければ黙殺)した言い方に聞こえる。
 「統合型」という言葉だけでは、何と何を統合するのかがはっきりしない。
 が、実質的にそれは「飲む」「打つ」となにやらの統合になるはずだ。
 ヘタをすれば、もっとヤバいものを含んだ「なんでもアリ」の「インテグレート」になる可能性をはらんでいる。
 その種の、これまでわが国には存在していなかった大掛かりな「悪場所」を新設するために、私たちの国会は、あえて法律を変えてまで環境を整えようとしている。
 30年前の日本であれば、こんな法律が国会を通過することはあり得なかった。
 というよりも、検討すらされなかったはずだ。
 というのも、わが国の経済が成長過程にあり、国民と企業が、自分たちの国の成長と繁栄を信じていた時代なら、賭博場のもたらすであろう利益や海外の賭博系企業による資本投下をあてにするまでもなく、自分たちの自前の力で遊休地の開発を立案し、独自に投資を募って、新しいプランを実行することができたに違いないからだ。

【朝日新聞】デジタル 12月7日 カジノ「人の不幸を前提に成長戦略」 法案反対派が会見
カジノ解禁法案が衆院で可決され、カジノ導入が現実味を帯びてきたことを受け、弁護士や消費者団体でつくる「全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会」は6日、法案に反対する声明を出した。「ギャンブル依存や多重債務問題が懸念され、有効な手立てが講じられると思われない」とし、参院での否決を求めた。
 東京都内で記者会見した協議会代表の新里宏二弁護士は「ギャンブルで自殺する人もいる。人の不幸を前提に成長戦略を描くのは愚かなことだ」と批判。韓国のカジノの周辺で風俗店ができるなど環境が悪化して若い世代が流出した例を挙げ、「カジノはバラ色の未来を約束せず、地域を崩壊させる」と批判した。
 声明では、世論調査で国民の多くがカジノ解禁に消極的な中で、法案を提案した議員がカジノの弊害への具体策を明らかにしないまま採決を強行したとして、「不誠実きわまりない姿勢で許しがたい」とした。
 また、副代表の柴田武男・聖学院大学教授(金融市場論)は「カジノでチップを買って換金すれば、マネーロンダリングは容易にできる」と指摘。多重債務者の支援団体も「貸金業法の改正で多重債務者が減ったのに、また再燃する恐れがある」と懸念を示した。
 一方、カジノを含む統合型リゾート(IR)を推進する各地では、法案通過を喜ぶ声が相次いだ。湾岸部への誘致を目指す大阪府の松井一郎知事は6日、「IRができれば、試算では大阪、関西にはプラス1千万人が訪れてくれる。ぜひ参院でも可決してもらいたい」と期待感を示した。長崎県佐世保市のテーマパークのハウステンボスも「日本で最初のIRを設置できることになれば喜ばしい。地域の活性化に貢献していきたい」とのコメントを出した。(工藤隆治) 

【東京新聞】12月7日<社説> カジノ法案 それが「美しい日本」か
カジノを解禁する統合型リゾート施設(IR)の整備推進法案が衆院を通過した。ギャンブルの副作用を直視せず、まともな議論を欠いたまま成立を図る動きは異常である。参院の良識は大丈夫か。
 昨年四月、自民党などが議員立法として提出した法案は、ホテルや国際会議場、商業施設などを併せたIRの整備を促すものだ。カジノはその目玉となる。
 政府が制度設計を進め、施行後一年以内をめどに実施法案をつくると定めている。刑法の賭博罪の歯止めを外し、民間資本の参入に道を開くことになるが、問題だらけというほかない。
 カジノは国の監視、管理下で運営されるというが、政官業の癒着の温床になりかねない。外国資本も進出するに違いなく、公正な統制が利くのか疑念が拭えない。
 国内外の犯罪組織が利権に群がったり、マネーロンダリング(資金洗浄)に悪用したりするおそれが強いことは明らかだ。家族連れで出かけた先で賭場が開かれ、暴力団員が出入りしている。そんな光景を想像せざるをえない。
 最も気がかりなのは、ギャンブル依存症の拡大だ。日本では競馬や競輪などの公営賭博に加え、遊技扱いのパチンコやパチスロが身近にあって、患者は多い。
 厚生労働省研究班の三年前の調査では、依存症が疑われたのは推計五百万人を超え、成人の5%近くを占めた。1%前後にとどまった諸外国に比べて格段に高かった。犯罪に走ったり、自殺に追い込まれたりする悲劇も絶えない。
 カジノの合法化は、治安悪化や人心荒廃に拍車をかけることにならないか懸念が募る。法案そのものが有害性を認め、排除する手だてを講じるよう定めているのだから、なにをか言わんやである。
 推進派は、観光や地域経済の振興といった効用ばかりを力説する。しかし、浮き沈みの激しいカジノ市場に地方財政を委ねるのは危険ではないか。皮算用に乗るのではなく、冷静に検証すべきだ。
 賭博とは胴元が儲かり、ばくち打ちは損をする仕組みで成り立つ。胴元が納める税金は、カジノがもたらす諸問題の対策に回るだけではないか。社会福祉の底上げにつながるとは思えない。
 社会が抱え込みかねない負の側面と向き合わず、法案を押し通そうとする自民党や日本維新の会などは、国民の不安と不信を招いていることを自覚すべきだ。人間を不幸に陥れるばくちで経済成長をという発想自体がゆがんでいる。

【しんぶん赤旗】12月7日 消費税増税でも年金低下―参院委でカット法案 倉林氏が追及
日本共産党の倉林明子議員は6日の参院厚生労働委員会で「年金カット」法案について、消費税増税で物価が高騰しても年金が逆に下がる「悪夢」を招くものだと追及しました。
 法案には、▽年金の伸びを物価・賃金の伸び以下に抑制する「マクロ経済スライド」の未実施分を翌年以降に繰り越して実施する▽物価が上昇しても賃金が下がれば賃金に合わせて引き下げる―という改定ルールの改悪が盛り込まれています。
 倉林氏は、ルール改悪の影響が予想されるのは、2019年10月予定の消費税10%の引き上げの後だとして、「消費税増税で物価が上がるのに年金は上がらない。逆に実質賃金が下がり、年金も下がる。消費税増税でも年金を下げられる仕組みを前もってつくるものだ」とただしました。
 塩崎恭久厚労相は「消費税増税対策でない」というだけで下げられる仕組みを否定できませんでした。
 倉林氏は、年金額は10年間下がり続けており、今回の改定が行われれば「高齢者にとって悪夢そのものだ」と批判。塩崎氏が「低年金者に年6万円の福祉給付金を出す」と答えたのに対して、6万円給付は40年間保険料を納めた人だけで、10年納付ではわずか月1250円だと反論しました。
 政府が「将来年金確保法案」だと宣伝していることについて倉林氏が、現在示されている将来の年金水準より年金が増えるのかと迫ると、鈴木俊彦年金局長は「上昇させるものではない」と認めました。
 倉林氏は「今より低い水準になるのは明らかだ」と批判しました。(論戦ハイライト)

【しんぶん赤旗】12月3日 医療費 70歳以上 負担上限引き上げ― 一般外来 1.2万円が5.7万円に
厚生労働省は11月30日、医療保険制度の見直し案を公表しました。このうち、医療費の自己負担に上限を設けている「高額療養費制度」の見直しについて見てみると―。
 見直し案では、70歳以上の負担上限額を現役世代と同水準に引き上げ、高齢者は受診が多いため設けている外来の負担特例も廃止し、18年8月までに段階的に引き上げます。
 医療費が月額100万円かかった場合、年収370万円未満の負担上限額(月額)は、外来が現行1万2000円から5万7600円に、入院も現在の4万4400円から5万7600円にそれぞれ引き上げます。
 年収370万円以上の「現役並み所得」とされる人は、年収に応じて新たに三つの区分を設定。外来は現在の4万4400円から最大25万4000円に、入院も現行の8万7000円から最大25万4000円にそれぞれ引き上げます。
 低所得の住民税非課税の人についても、外来の負担上限を現行の8000円から所得に応じて1万~1万5000円に引き上げる案を示しています。
 見直し対象者は約1400万人。非課税世帯の外来見直しを加えると2220万人に影響が及びます。
 高齢者への負担増について厚労省は「世代間の公平」を理由にあげています。しかし、高齢者は収入が少ない一方、医療負担の支出が多くなっています。
 高齢者ほど傷病数も通院率も高くなり、75歳以上では外来受診者のうち5割が毎月診療を受けています。入院期間も1カ月以上の入院は、75歳以上が3割を占めています。
 現役世代でも負担上限額は重いのに、それと同じ負担を強いれば、いっそうの受診抑制を引き起こして重症化が進み、かえって医療費を増やすことにしかなりません。