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年金法案の審議―国民の不安と不信は消えない
2016年11月27日

【しんぶん赤旗】11月25日<主張>年金法案の審議―国民の不安と不信は消えない
「年金カット法案」と厳しい批判を浴びている国民年金法等改定案について、安倍晋三政権と与党が今国会で成立させるため、衆院を通過させる動きを強めています。物価が上がっても年金が引き下げられる新たな仕組みを盛り込むなどした「カット法案」は、年金を暮らしの柱にしている高齢者に打撃となるものです。衆院厚生労働委員会での政府の説明は極めて不十分で、国民の不安や疑問にこたえていません。政府・与党は「成立ありき」で法案を強行することをやめるべきです。
「引き下げ」は際限がなく
安倍政権の「カット法案」は、毎年の年金額を決める際に、新ルールを導入することなどが柱です。現在のルールは、物価が上がれば年金額は最低でも据え置かれ、減額にはなりませんが、新ルールは(1)物価が上がっても賃金が下がれば引き下げ(2)物価よりも賃金が下がった場合は、賃金に合わせて引き下げ―も付け加えます。
与党は「万一、不測の経済状況が起きた場合の備え」とめったにないかのように言います。しかし、今年度、物価は0・8%上昇し、賃金は0・2%下落しました。今年度の年金額は据え置かれましたが、仮に新ルールだった場合は、年金は引き下げになります。
安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、異常な金融緩和などで物価を引き上げることを目標にしています。大企業は空前のもうけを上げ、内部留保をため込む一方、労働者の実質賃金は低迷しています。2019年10月には消費税率の10%への引き上げも計画されています。新ルールの施行は、21年です。物価が上がり賃金が下がる経済状況が引き起こされ、それによって新ルールのもとで年金が削られることは、現実の危険として大いにありうるものです。
法案では、物価と賃金の両方が上がっても年金が抑制される「マクロ経済スライド」の仕組みを強め、物価・賃金が上がらなかった年の「カット分」を翌年以降に繰り越すことも盛り込まれています。
ただでさえ少ない年金が目減りし続ける―。出費を抑えるため必死にやりくりしている多くの高齢者から「これ以上どう切り詰めるのか」と切実な声が上がります。なかでも深刻なのは、年齢を重ねるほど利用機会の増加が避けられない医療や介護などの負担増です。
安倍政権は、いわゆる「団塊の世代」が75歳以上になる25年に向け、医療や介護の負担増・給付減の制度改悪を推進しています。保険料や利用料負担を次々と求めることと並行して、年金の減額・抑制をすすめれば、高齢者の暮らしは行き詰まり、いまでも深刻な格差と貧困をさらに広げかねません。高齢者の暮らしの実態を無視した「年金カット法案」は徹底審議で廃案にすることこそ求められます。
暮らし温める政策こそ
年金削減によって高齢者の暮らしが苦境に立つことは、現役世代の暮らしも不安定にします。親の医療や介護の費用が年金でまかなえなければ不足分は子どもや孫の出費増につながります。高齢者の購買力が落ちて、消費が減ることは経済を冷え込ませ、現役世代の賃金や雇用にもマイナスです。全世代に深刻な影響を与える年金改悪を中止し、暮らしを支え、温める経済・社会保障へ切り替えることがいよいよ必要です。

【朝日新聞】11月26日<視点>TPPに続き数の力
「私が述べたことを全くご理解頂いていないようであれば、こんな議論を何時間やっても同じですよ」
安倍晋三首相はこの日の委員会で「強行採決は行わないと約束を」と求める野党議員に言い放った。その後、採決は強行された。
背景に、萩生田光一官房副長官の「田舎のプロレス」発言のように、数を持たぬ野党を軽んじ、数で押し切ればいいという自民党内の空気がある。年金問題は国民の生活にとって極めて重要なテーマだが、議論は不十分だった。与党は数を持つ責任ゆえに、野党に対してもっと真摯に向き合う必要があるはずだ。
ある自民党国対委員長経験者は「権力は恐れおののき使うもの」と語る。野党のためではない。国会運営でおごりを見せれば、民意といる形で自分にはね返ってくると知っているからだ。ところがいまの自民党は数の力にまかせ、野党の背後にもいる多くの国民の存在を忘れているようだ。(国会担当キャップ・園田耕司)

【全国商工新聞】11月28日<視点>社会保障の変質狙う安倍政権―あらゆる分野で負担増に 改悪許さぬ運動広げよう
今、あらゆる世代、各層で「貧困」が社会問題となり、私たちの暮らしは深刻さを増し、命を落としてしまう事態も生まれています。
安倍内閣は、財界・大企業の要求に最大限応えた「経済・財政再生計画」を打ち出し、社会保障分野を企業のもうけの手段に変質させる社会保障の総改悪を狙っています。
2017年は医療・介護分野をはじめとした国民負担増計画が次々予定され、さらに年金、生活保護も加えて社会保障のあらゆる分野に及ぶものです。
(中略)
社会保障の大改悪をストップさせるために、国民の切実な実態を告発し、世論を高めていきましょう。(以下、略)
(中央社保協・事務局長 山口 一秀)

【東洋経済】ONLINE 11月27日号 「駆け付け警護」は自衛官の命を軽視しすぎだ―南スーダンで多くの隊員が死ぬかもしれない
政府は11月18日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣される新たな陸自部隊に安全保障関連法に基づく「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」の実施任務を付与した。
結論から記すと、これらの任務で交戦を行った場合、自衛隊部隊は他国の軍隊ならば出さないような被害を出す可能性が高い。すなわち、他国の軍隊の何倍もの比率で戦死する可能性がある。戦死しないまでも、手足がなくなる、あるいは視力を失うなど重大な後遺症が残る被害を受ける隊員が他国よりも多く発生する可能性がある。なぜだろうか。
自衛隊は軍隊ではない
実際の戦闘での戦傷はハリウッド映画のようなきれいなものではない。手足が吹き飛び、腸が腹部からはみ出し、火傷で全身が焼けただれ、眼球に砲弾の破片が食い込む。顔を銃で撃たれれば、顎から鼻までの部位がごっそり無くなる。まるでスプラッター映画やゾンビ映画のような凄惨な状態となる。
当然ながら、重症を負った兵士たちは激痛に苛まれる。これがリアルな戦場だ。これを果たして日本の政治家や国民がどれだけ理解しているだろうか。
政治家も、メディアも国民も自衛隊を軍隊だと認識しており、軍隊と同じ能力があると無条件に思い込んでいる。だが軍隊と自衛隊は決定的に違う点がある。自衛隊は武装こそ軍隊と同じだが、平時の通常の法制に縛られており、まったく実戦を想定していない。誤解を恐れずに申せば、サバイバルゲームのマニアをいきなり戦場に放り出すようなものだ。そんな馬鹿なことがあるかと憤慨する向きもあるだろうが、実際にそうなのだ。
(中略)
ここまで見てきた通り、自衛隊の装備は、とても実戦を想定したものとはいえない。防衛省、自衛隊は戦車や機動戦闘車など見栄えの良い高価な兵器を買うことには熱心だが、軍隊として備えるべき地味な装備や訓練にはカネをかけてこなかった。
「平成28年度防衛省行政事業レビュー外部有識者会合」資料では、「個人携行救急品を全隊員分確保した場合、約13億円が必要となるが、限られた予算においては現実的な金額ではない。よって、即応隊員分等の最低限必要となる分を確保し、有事等の際において追加で必要となる隊員分の取得方法について検討を実施している」としている。
隊員の身を守るのに最低必要な装備ですら、カネがもったいないから調達しないと言っているのである。10式戦車の単価は12.6億円だ。戦車を1輛減らせば13億円など簡単にひねり出せる。そもそも、わざわざ新たに10式戦車を開発、調達する必要はなく、90式戦車の改良と延命で十分だった。連隊規模で戦車が揚陸して戦車戦が発生する状況は防衛大綱でもほとんどありえないと述べており、優先順位が高いはずがない。
これでよしとしているのは、やはり自衛隊が実戦を想定していないからだろう。そして隊員の命は使い捨てと思っているからだろう。しかし、今一度しっかり現実を見つめ直さなければならない。惨事が起きてからでは遅いのである。
(清谷 信一 :軍事ジャーナリスト)