【しんぶん赤旗】11月4日 年金受給資格期間短縮法案に対する―参院本会議 倉林議員の質問(要旨)
日本共産党の倉林明子議員が2日の参院本会議で行った、年金の受給資格期間を短縮する法案(年金機能強化法改正案)に対する質問(要旨)は次の通りです。
国際的にも異常に長い日本の年金受給資格期間を25年から10年に短縮する本法案は、最大118万人と見込まれている無年金者を救済する上で喫緊の課題です。現行法では2019年10月の消費税増税まで施行が延期されるのを、来年8月1日施行とするもので、消費税増税と切り離して前倒しすることには賛成です。
現行法の最大の問題は、受給資格期間短縮のための財源を消費税の増収分とセットとしている点です。受給資格期間短縮に必要な額は650億円にすぎず、歳出のごく一部を見直せば確保できます。消費税増税に頼らない恒久的な制度として実施すべきです。
無年金者救済のための課題は残されたままです。10年で受給資格を得た場合、受け取れる額は月1万6000円です。報酬比例部分がある人も含め、新たに年金を受け取る人の平均受給額は月2万1000円にすぎません。
年金生活者支援給付金として、低年金に最大月5000円を上乗せするとしますが、施行は消費税10%への増税時とされ、加入期間が10年の場合、加算額は満額の4分の1で、月1250円にしかなりません。生活者支援給付金に、保険料の納付期間を比例させるべきではありません。定額で月5000円加算すべきです。
12~15年に実施された年金保険料の10年後納制度では、納付人数は118万4747人、納付額は2396億円以上です。後納制度の有用性は明らかであり、恒久化を検討すべきです。
受給資格期間を短縮しても、残される無年金者は26万人に上ります。無年金から救済されても低年金の問題が残ります。すでに年金を受給している人でも、相次ぐ年金削減に加え、医療や介護の負担増・給付削減が続く中で、高齢世代の貧困・生活苦が深刻化しています。
それにもかかわらず、政府が今国会に「年金カット法案」を提出していることは大問題です。これ以上の年金カットは高齢者の貧困と生活苦を助長し、家族の生活をも圧迫します。年金のほとんどが消費に回っており、地域経済に直結する問題です。
政府が社会全体の所得と消費を底上げする具体策の一つとしている受給資格期間の短縮と、年金カットを一緒に提案するのは明らかな矛盾です。全ての世代が安心できる年金制度への改革こそ必要です。財源は消費税頼みでなく、「能力に応じた負担」の原則で、所得税の累進課税の強化、法人税の大企業優遇の見直しなどで確保できます。
【しんぶん赤旗】11月3日 年金受給資格短縮法案 消費税頼み転換を 倉林氏質問
年金の受給資格期間を25年から10年に短縮する法案が2日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員が質問に立ち、無年金者を救済する上で喫緊の課題だとして賛成を表明。そのうえで、新たに年金を受け取る人の平均受給額は月2万1000円にすぎないとして、抜本的な引き上げを主張しました。
倉林氏は、低年金者に最大月5000円を上乗せする制度が行われても、10年の加入期間では月1250円にしかならないとして、定額で5000円を加算すべきだと主張。保険料の後納制度によって保険料納付が増えており、恒久化を検討すべきだと迫りました。
塩崎恭久厚労相は、低所得・低年金対策は「社会保障全体で総合的に講じる」とごまかし、後納制度の恒久化については「世代間の助け合いの仕組みを揺るがす」と否定的な姿勢を示しました。
倉林氏は、受給資格期間短縮のための財源は650億円にすぎず、消費税増税に頼らなくてもできるとし、「消費税増税に縛られない恒久的な制度として実施すべきだ」と求めました。麻生太郎財務相は「消費税増税の増収分で安定的に手当てする」と、消費税増税に固執する態度を示しました。
倉林氏は、本法案と並行して提出されている「年金カット法案」について「高齢者の貧困と生活苦を助長し、家族の生活をも圧迫する」と批判。「全ての世代が安心できる制度への改革こそ行うべきだ」と主張しました。
【週刊現代】11月5日 「原発再稼働」はもう諦めよ! 新潟県知事選でハッキリしたこと
「政府の避難計画は絵に描いた餅だ。いや餅にもなっていない、米だ」そう唱えた候補が選挙で勝った。福島の事故以来、政府や電力会社に国民が抱えてきた違和感と怒りは、もう抑えられない。
総理が電話したのに負けた
新潟県知事選を制した米山隆一氏が言う。「今回の選挙では、柏崎刈羽原発の再稼働に反対する県民のみなさんの気持ちがハッキリと現れたのだと思います。しかもみなさんの思いは、決して『原発恐怖症』のような、極端なものでない。
我々が不安に感じているのは、安倍政権が福島第一原発の事故原因をキチンと調査しないまま、『惰性』で再稼働に向かっているように見えること。だからこそ新潟では、県民の6割超が柏崎刈羽原発の再稼働に反対しているのです」
巨大な白い軀体を持ち、世界最大821万kWの発電量を有する東京電力・柏崎刈羽原発。これを動かすか、動かさないか――その一点で争った選挙に勝ったのは、共産党、社民党などの推薦を受け、再稼働に慎重な姿勢を示す医師の米山隆一氏だった。
約52万8000票を獲得し、自民党推薦の森民夫前長岡市長に6万票以上の大差をつけた。
新潟県民は、政府与党と経済産業省、そして電力会社が進める「惰性」のような原発再稼働政策に、強烈なNOを突きつけた形だが、この県民の判断は、柏崎刈羽原発というひとつの原発の動向にとどまらず、国の原発政策にも影響を与え始めている。
振り返れば、'11年の福島第一原発の事故以降、政府は原発政策を根本的には議論せず、その場しのぎの弥縫策でやりすごしてきた。
原発を描いた『神の火』などの著作がある作家の髙村薫氏が言う。
「原発政策は合理性を欠いています。たとえば現在、経産省の長期エネルギー需給見通しでは、2030年に原子力発電が全体の発電量に占める割合は約20%になるとしていますが、この数字に信憑性があるとは思えません。いまの日本では新しい原発をつくることはできない。
しかも運転開始から40年を迎えた原発は廃炉にしていかなければならず、今後10年間で40年を超える原発は15基にのぼる。それで20%を目指すのはきわめて難しいと思います。こうした基本的な政策すら現実感を欠いているのです。
結局、政治家、有権者を含めて、原子力政策を真剣に考えていないということ。本来なら、自民党のエネルギー政策を白紙にしなくてはならない。必要なのは、すべてを一から見直すことです」
再稼働は諦める――原子力ムラの選択は「この道しかない」。
【日本経済新聞 電子版】10月28日 雇用、景気刺激なき改善 人手不足が成長阻む
雇用指標が一段と改善した。厚生労働省が28日発表した9月の有効求人倍率(季節調整値)は前月に比べ0.01ポイント上昇し1.38倍となり、1991年8月以来25年1カ月ぶりの高水準となった。総務省発表の完全失業率(同)も3.0%と前月から0.1ポイント改善した。ただ雇用の改善は非正規が中心で、業種的な偏りもある。賃金の上昇は依然として緩やかで、消費改善への波及力は乏しく、物価の下落も続く。
【日本経済新聞 電子版】10月28日 物価の低迷鮮明 消費不振と貸家増が下押し
総務省が28日発表した9月の全国消費者物価指数(CPI)は、食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合指数で前年同月横ばいとなった。2013年9月以来3年ぶりの騰落率だ。原油安の直接的な影響などを取り除いた基調的な指数でみても、消費不振などを背景に、物価の低迷が鮮明になっている。
落ち込みが目立つのが耐久財だ。テレビは前年同月比18.6%低下し、6月に下落に転じてから、その幅を広げている。
【しんぶん赤旗】11月1日<経済アングル>バナナの旅と税逃れ
バナナの旅を追いかけると、税逃れの構造が見えるといいます。
(略)
例えばイギリス国民が食べるバナナ。生産地は遠く離れた中米のホンジュラスです。/バナナはホンジュラスからイギリスへ。直接やってきます。実物の旅は単純明快です。/ところが、帳簿上のバナナの所有権は奇妙奇天烈な旅路をたそります。ホンジュラスを出て向かう先はなぜかケイマン諸島。さらにルクセンブルグ、アイルランド、マン島、ジャージー島、バミュウーダ諸島に立ち寄ります。その後でようやく、本来の目的地イギリスへ向かうというのです。/帳簿上でバナナが寄り道する場所はタックスヘイブンです。バナナの消費が目的ではありません。何しろ実物は来ないのですから。/目的は、タックスヘイブンの子会社に帳簿上の利益を落とし、生産地ホンジュラスと消費地イギリスの双方で課税を逃れること。バナナを売買する多国籍企業が利益を独り占めするための策略です。(以下略)
【週刊金曜日】10月21日 自治体が住民税の税額通知書に記載、違憲の指摘も―知らずに勤務先へ虎児番号
企業や団体の従業員のうち住民税を天引き(特別徴収)されている全員の個人場号(マイナンバー)が、居住する市区町村から勝手に勤務先に「通知」されることが明らかになった。個人番号の提示を拒否している人の分も含まれる。本人の知らないところで個人番号が官から民へ渡されることになり、憲法違反との指摘が出ている。(以下略)