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物価を上げれば消費が増えるという逆立ちした政策はもう終わりにすべきです
2016年10月1日

【日本経済新聞】9月30日 デフレ脱却、黄信号か 東京都区部の物価下落
政府と日銀が目指すデフレ脱却に黄信号がともり始めた。総務省が30日発表した消費者物価指数(CPI)によると、8月の生鮮食品を除く総合指数は前年同月比0.5%の下落で、6カ月連続で前年同月を下回った。
 原油安による電気代やガソリン代の下落が物価全体を押し下げる構造は従来と変わらず、食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は0.2%の上昇だった。だが上がり幅は13年10月(0.3%上昇)以来で最小。市場関係者は、先行指標として公表される東京都区部の9月の動向に注目している。
 総務省は東京都区部のCPIを、9月中旬時点の速報値として公表する。食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合指数は9月、0.1%下落した。前年同月を下回るのは2年11カ月ぶりだ。(以下略)

【しんぶん赤旗】9月27日<経済アングル>
21日の(日銀)金融政策決定会合後に公表した「目で見る金融緩和の『総括的な検証』(略)という文書には、物価に関する人々の予想度合いを(略)国際比較したグラフまで登場しまた。(略)
日銀は物価上昇のために努力しているが、国民が期待してくれないから物価が上がらないと言いたいのでしょうか。
(略)
しかし、物価が上がらないでほしいと庶民が願うのは当たり前です。(略)物価を上げれば消費が増えるという逆立ちした政策はもう終わりにすべきです。

【琉球新報】10月1日<社説>首相無責任発言 住民の苦しみに向き合え
米軍北部訓練場内のヘリパッド建設地周辺の騒音について安倍晋三首相は国会で「環境基準に満足している」と答弁した。
 騒音に苦しむ住民への一片の思いやりもなく、明確な根拠も示さぬ無責任な発言だ。「環境基準に満足」とする根拠の明確な説明を首相、政府に要求する。
 ヘリパッドは東村高江に近い訓練場内に6カ所が計画され、2カ所は2014年7月までに完成した。
 完成とともにオスプレイが飛来し、6月に沖縄防衛局がヘリパッド周辺で行った調査では夜間(午後7時~翌午前7時)の騒音発生回数が383回を数え、14年度の月平均の約24倍にも激増しているのである。
 既設2カ所でこのありさまだ。6カ所に増えれば、騒音も2倍、3倍に増えないか。辺野古新基地の建設により新基地、ヘリパッド間をオスプレイが飛び交う。騒音の激増は火を見るより明らかだ。
 防衛局が同村に設置する騒音測定器3器はいずれも既設のヘリパッドから1・5キロ以上離れている。専門家は「測定器を増やし、継続的な調査」が必要と指摘する。
 防衛局は専門家の意見に従い、測定器を増やし、適正な設置場所を選定すべきだ。オスプレイ特有の低周波音の健康被害など、専門家が納得する騒音実態の調査を行い、公表する責任もある。
 首相は今国会の所信表明でも、ヘリパッド移設で北部訓練場の過半返還を実現し、「基地負担軽減に尽くす」と強弁していた。
 日本政府がオスプレイ運用を隠蔽(いんぺい)した北部訓練場返還とセットのヘリパッド建設については、米軍自ら海兵隊「戦略展望」で基地機能強化を認め、歓迎している。
 基地機能強化を隠蔽し、騒音悪化の実態に耳をふさぐ首相発言、政府の対応は容認できない。
 政府はヘリパッド建設に対する訓練場内での市民の抗議活動に、刑事特別法による逮捕を検討しているとされる。
 県議会では池田克史県警本部長が、抗議活動には「極左暴力集団も参加している」と述べた。
 所信表明で首相はヘリパッド建設の年内完了を表明している。米国との約束を実現するためには、反対する市民の逮捕も辞さない政府の強権的な姿勢が強まっている。
 基地強化に反対するのは市民の正当な権利だ。強権発動は火に油を注ぐことにしかならない。

【しんぶん赤旗】9月19日 後期医療 保険料暴騰の危険 来春から特例軽減廃止
安倍政権は2017年4月から、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度について、低所得者の保険料を最大9割軽減している特例措置(特例軽減)を段階的に廃止しようとしています。75歳以上の6割近い916万人が対象で、保険料は2~10倍に跳ね上がります。低所得者を狙い撃ちにした大負担増です。
 後期高齢者医療制度は、同制度の導入を担当した厚労省課長補佐(当時)が「医療費が際限なく上がっていく痛みを高齢者に直接感じてもらう」と放言したように、高齢者を囲い込んで負担増と差別医療を押し付ける制度です。「まるでうば捨て山だ」と怒りの世論が広がるなか、導入時(08年4月)に設けざるをえなかったのが保険料の「特例軽減」であり、最大7割の軽減措置をさらに最大9割まで軽減しています。
 安倍政権はこの特例軽減を「現役世代との負担の公平化」の名で廃止し、「急激な負担増となる者には激変緩和措置を講ずる」としています。
 特例軽減が廃止されれば、年金が月6・6万円以上14万円以下の人(夫婦2人世帯の夫)は、保険料の軽減がこれまでの8・5割から7割に下がり、保険料は2倍になります。月6・6万円以下の人(同)は9割から7割軽減になり、保険料は3倍に増えます。
 後期高齢者になるまで健康保険や共済の扶養家族だった場合、軽減が9割から5割になる人の保険料は5倍化。3年目から全額負担になって、保険料が10倍以上に跳ね上がる人まで出てきます。
 特例軽減に充てられている国費は年945億円です。政府は17年度予算で、社会保障費の自然増を5千億円に抑え込むため、特例廃止を標的にしています。
 すでに保険料は4回も値上げされ、16年度の月平均保険料は5659円です。低年金に加え、消費税増税やアベノミクス下の物価上昇も生活を圧迫。保険料を払えない高齢者は約24万人(15年度)と高止まりしています。
 滞納を理由に保険証が取りあげられ、有効期間が短い短期証になった人は約2万5千人(同)と増加傾向です。継続的に医療にかかれなくなる事態が広がっています。
 特例軽減の段階的廃止の方針に対し、長野、愛知、宮城各県の後期高齢者医療広域連合議会では、特例軽減の継続を求める意見書を可決。「安心して医療を受けるため、恒久的な制度とする」(愛知県)ように政府に求めています。
 日本共産党は、特例軽減の廃止に反対し、後期高齢者医療制度は廃止して老人保健制度に戻し、保険料・窓口負担の軽減や差別医療をなくすことを主張しています。