【選挙ドットコム】7月27日 あなたは大丈夫? 中流層も老後は約半数が貧困に陥る時代
日本の社会保障は高齢者に手厚いはずじゃ?日本の高齢者貧困率、ワースト4位。
OECDが発表した「高齢者貧困率」に関する最新の調査結果によると、調査対象の加盟国15ヶ国のうち、日本は4位であることが発表されました。これは調査対象国のうち、4番目に貧困状態にある高齢者が多いということです。しかし、 知っての通り日本の社会保障制度は高齢者を軽視しているわけではありません。実際に社会保障給付費の約8割は年金と医療が締め、医療費の中でも58%を65歳以上がしめています。
今回の記事では、社会保障費の多くが高齢者に使われつつも、相対的貧困(世帯の合計可処分所得を世帯人員数で調整した一人当たり可処分所得中央値の50%以下で生活する人々)に陥る高齢者が多い原因を探り、政府はこの事態にどのように対応しようとしているのかを見て行きたいと思います。
退職後、多くの人が貧困状態に陥ってしまう日本。
みなさんも、この記事を読んで自分なりの備えを考えみてください。
その原因は?「中流層」も半数近くが定年退職を機に貧困に
一般的な民間企業で定年まで勤め上げた「中流層」でも、定年を機に貧困に陥る可能性は極めて高いと言えます。
高齢者の貧困が多い一番の理由はやはり、年金制度の問題。今の40代前半に当たる団塊ジュニア世代は4割程度が非正規社員です。平均年収は200〜400万が中心ですが、この給与水準だと定年後の年金受給額は月額8万〜10万円。これは生活保護を受給すべき最低ラインにかかる恐れがあります。また、年収600万円以上の家庭でも老後の病気や介護など多くのリスクが存在し、年金やその他の社会保障給付ではこれをまかないきれない現状があります。
―日本の年金制度が抱える3つの問題
日本の高齢者貧困率を押し上げる大きな原因となってしまっている年金制度の特徴を3つにまとめます。
①公的年金を受給できないこと
公的年金を受給できない、いわゆる無年金者は2011年時点で42万人いるといわれ、現在も増加傾向にあります。公的年金を受給するには、他の先進国がおおむね10年以上保険料を支払えば受給資格が得られるのに対して、日本では25年以上を払い続けなければなりません。無年金者が多く存在する理由は、この受給資格の厳しさが1つの原因になっています。
②公的年金の2階部分を受給できないこと
高齢者世帯の世帯所得の下位20%に属する世帯では基礎的所得の87%を公的年金に依存しています。そのような状況の中、厚生年金や共催年金がもらえない、すなわち基礎年金(年金制度の1階部分)のみでは受給額が少なく、年金だけに頼って生活するのはとても難しいです。
2階部分が得られない方には、現役時代に自営業をしていた方に加え、非正規労働者として働いていた方などが多いのが現状。非正規労働者の割合が年々増加しており、基礎年金の受給額の低さは大きな問題となっています。
③基礎年金を満額受給できないこと
基礎年金は40年間納めて初めて満額(月額6.6万円)の支給が得られ、収めていない月ごとに満額から減額されます。基礎年金のみの受給者の平均年金額は4.9万円であり、69.5%は年金額が5万円台以下、さらには月額3万円台が26.2%と一番多いのが現状です。年金のみで生計を立てていくのはとても難しいと言えます。
―安倍政権の社会保障政策はこの状況を救うか
上であげた年金制度の問題点にあたるため、政府は、低所得者への基礎年金額の加算や受給資格期間の短縮に関する法案を出しています。具体的には、基礎年金額に月額6,000円加算する法案や、今まで25年だった受給資格期間を10年に短縮する法案です。
この法案は2011年から検討されています。しかし、度重なる消費税増税の延期により議論は現実味を持たず、国会では先送りし続けられています。
また、実現されたとしても上記の制度改正に留まれば、基礎年金だけの収入では生活をしていくことはやはり難しいのが実情だと思います。
―社会保障も論点に
国が国民のために社会保障を充実させるのは当然に果たされるべき大きな責務です。しかし、それを支えるのは国民の投票行動だと思います。私たちが社会保障により関心をもてば、政府も力を入れざるをえなくなります。先送りされ続ける社会保障の充実。これはひょっとすると国民の無関心も原因にあるのかもしれません。
また一方で、国に頼るだけではなくもしもの場合に備えて自ら老後に備えることが必要な時代がやってきているといるかもしれません。
【琉球新報】2016年8月17日<社説>シールズ解散 市民が活動引き継ぎたい
安全保障関連法への反対を訴え続けた若者グループ「SEALDs(シールズ)」が解散した。
活動期間は1年余と短かった。だが充実した活動で、市民の積極的な政治参加の機運づくりに大きな足跡を残した。政治に無関心とされてきた人たちも、シールズの訴えに共鳴して立ち上がったことは特筆に値する。
シールズは抗議活動のイメージを大きく変え、政治に対する抗議集会に若者が参加しやすい雰囲気を生み出した。打楽器に合わせて「民主主義って何だ」「勝手に決めるな」とリズミカルに訴えるスタイルは新鮮だった。メンバーの力強い訴えと行動力に大きな希望を見いだした人は多かろう。
シールズの活動をきっかけに、政治を政治家だけに任せてはならないとの声が次第に広がったことも評価したい。
政治的な集会やデモと縁がなかった母親や学者、高校生、中年世代、高齢層が次々と団体を結成し、安倍政権に抗議の声を上げた。シールズが政治を身近な問題として考え、意見を表明することの大切さを多くの国民に気付かせた結果だろう。
安保法案審議中、シールズが主導した国会前での抗議集会には、幅広い世代の市民が参加した。組織的な動員ではなく、市民がそれぞれの意思で参加したのである。
参加者が声をそろえて求めた「戦争法案今すぐ廃案」は安倍政権に踏みにじられた。だが参加者に挫折感はなかった。市民の政治的目覚めが大きな収穫だったことの表れと言えよう。それにもシールズは大きな役割を果たした。
解散会見で、メンバーは「これからは個人で思考し、判断して政治に関わっていきたい」と話した。市民が政治に関心を持ち、行動していくことを当たり前とする社会づくりへ向けた決意表明と受け取りたい。
シールズは主権者である国民の持つ力を自覚させるなど、市民の政治意識を高めることに大きな功績を残した。今後は、市民がその活動を引き継ぎたい。
シールズ琉球は活動を継続する。米軍北部訓練場でのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設や辺野古新基地建設が緊迫した状況にあるためだ。県民もシールズに学び、基地問題を真剣に考え、積極的に意見を表明したい
【ハフィントンポスト】8月19日 "砂糖税"、2018年にイギリスで導入へ
イギリス政府は8月18日、糖分の多い清涼飲料への課税案を発表した。子供の肥満防止を目的としており、2018年4月の導入を目指す。海外メディアはこぞって、新税案を「砂糖税」などと報じた。
新税案で課税の対象となるのは、砂糖含有量が100ミリリットルあたり5グラムを超える飲料。8グラム以上の場合は、さらに高い税率を適用する。砂糖を添加していないフルーツジュースは対象外。税収は、子供向けの健康プログラムの財源に使われる。
【朝日新聞】8月20日 普天間飛行場、日本の負担で改修へ 数百億円規模か
政府は19日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の大規模な補修工事を始めることを決めた。老朽化した施設の補修を求める米側の要求に応じ、航空機の格納庫や米兵が住む隊舎など19施設が対象となる。費用は日本側の全額負担で、数百億円にのぼる可能性がある。地元からは、普天間基地の固定化を懸念する声も出ている。
【東京新聞】8月20日 介護2割負担、対象拡大も 厚労省検討着手、委員から懸念
厚生労働省は十九日、社会保障審議会の介護保険部会を開き、サービス利用料の二割を自己負担する対象の拡大について、議論を始めた。部会の委員からは二割負担の対象を広げれば、要介護度の重度化や介護離職の増加を招くと懸念する意見が相次いだ。
介護サービスの自己負担割合は昨年八月、一定以上の所得がある人は一割から二割に引き上げられた。
厚労省は部会で、自己負担額が高額になると保険から一定額を払い戻す仕組みがあり、実質的な負担率は12・6%にとどまるとの推計を説明。介護保険制度の持続可能性を高めることを目的に、二割負担の対象拡大など自己負担割合のあり方を論点として示した。
これに対し、斉藤秀樹委員は「サービスの利用を遠ざけることになる。重度化を招き、結果的に介護離職を増やす」と指摘。花俣ふみ代委員も「(自己負担が二割となった世帯では)毎月の家計に影響が出ていて、先行きの不安を訴えている」と主張した。別の複数の委員から「負担能力のある人に担ってもらうべきだ」との意見も出た。
四十~六十四歳の現役世代が健康保険組合などを通じて払う介護保険料の計算方法について、大企業の従業員ら収入の高い人がより多く負担する仕組み「総報酬割」の導入の必要性も検討した。佐野雅宏委員は「現役世代の負担が一気に増える」と慎重な考えを示した。 (中根政人)