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「新三本の矢」は中身空っぽ? 「毎日新聞」が特集
2015年10月25日
【毎日新聞】10月19日 東京夕刊 特集ワイド:アベノミクス第2ステージ 「新三本の矢」は中身空っぽ?
 政治に分かりやすいキャッチフレーズはつきものだ。ただ、内容が伴っているかの検証を怠るなら、単なる「夢物語」になる。安倍晋三首相の「新三本の矢」には「GDP(国内総生産)600兆円」などと景気の良い目標が並ぶが、世間の盛り上がりは今一つ。そもそも「旧三本」はどうなった? 計6本の「矢」は的を貫けるのか。【吉井理記】
 ◇20年ごろ「GDP600兆円」 目標達成「ありえない」、政治的メッセージでは(略)
 ◇どうなった「旧三本の矢」 雇用増は非正規のみ、成長・物価目標は未達(略)
 ◇必要な経済政策とは 「成長幻想」を脱し、教育、人材育成こそ
 (略)アベノミクスをある程度、肯定する専門家も、新三本の矢には首をひねる。旧三本の矢の金融緩和には景気浮揚効果があった、とする経済学者、福島清彦さん(元立教大教授)は「豊かさの指標にGDPや成長率を持ち出すのは古すぎます。今やそれをするのは中国と日本ぐらいですな」と苦笑いだ。/「安倍さんが掲げる目標は、とうに成長期の終わった大人が、さらに身長を毎年2センチずつ伸ばそうとシャカリキになるのに似ています。一方、日本同様の人口減社会で経済も成熟した先進諸国では、豊かさの判断基準として国民の福利厚生や暮らしの質、経済の持続可能性を重視するようになっています。欧州連合の10?20年の長期経済戦略からは、GDP成長率という言葉が姿を消したほどです」/日本の場合、先進国最低レベルの国家の教育支出を増やして優れた人材を育て、競争力や経済の持続性を高めるべきだ、というのが福島さんの考え。「借金だらけだから、欧米並みの消費増税は避けられませんが、成長幻想にとらわれるより、強みである国民の教育水準をさらに伸ばしたほうが未来が開けます」/室井さんが締めくくる。「結局、新三本の矢って、安全保障関連法の成立で厳しくなった国民への目くらまし、ごまかすためなんじゃない? だからこそ中身の検証が必要なのに、あんまりメディアはやらないよねえ……」

【ニューズウィーク】日本版2015年4月9日 「欧州の失敗に目をつぶる「軽減税率」論のうさんくささ」岩本沙弓(経済評論家)
(略)軽減税率の初期の導入国の1つであるドイツを中心に軽減税率の効果が疑問視されており、見直しの機運が高まっています。その筆頭がマインツ大学財政研究所長のロルフ・ペッフェコーフェン氏です。同氏は、消費者の利益をうたった軽減税率が実際には特定企業への優遇策、いわば「補助金」になりかねない、という驚きの指摘をしています。企業が消費税・付加価値税を納税する際、個別の取引ごとに細かく納税額を算出するわけではありません。/その企業の(売上×消費税率10%)―(仕入れ×消費税率10%)で計算されます。/企業が製品を販売した際に預かった消費税の総額から、仕入れの際に既に支払った消費税額の総額を相殺することで納税額が決定します。売上100に対して仕入れ80であれば、(100×10%)―(80×10%)=2となり、消費税の納税額は2となります。/それに対して、企業が販売する製品に5%の軽減税率が適用された場合にはどうなるか。(100×5%)―(80×10%)=-3となります。マイナスとなった場合には企業は消費税を払わないどころか、仕入れ時に払い過ぎた分とみなされ、その分は国から還付金として戻ってくることになります。還付金の原資は税金ですので、消費者は軽減税率分の値下げの保障がないどころか、国民の税金がいわば「補助金」のようにして企業に支払われるという本末転倒の結果にもなりかねません。ペッフェコーフェン氏は「付加価値税は年月を経て、特殊利益の取り扱いの関門になってしまった」と、欧州の実態を記しています。(略)軽減税率のような対症療法でその場しのぎを画策する前に、そもそも中立・公平に欠け決して制度として簡素とは言えない消費税を採用することが必要なのかどうか――そうした検証をあらためてすべきだったときに肝心のニュースは降板騒動一色となりました。騒動自体が消費税増税から国民の目をそらすための「圧力」? というのは冗談にしても、結果として国民の意識が削がれ、議論の機会が奪われてしまったのはいかにも残念でなりません。

【OECDレポート】2015年5月21日 格差縮小に向けて なぜ格差縮小は皆の利益となりうるか
日本における所得格差は、OECD平均より高く、1980年代中盤から拡大している。(略)日本の所得再配分のレベルは、大半のOECD諸国と比べ低い。税と給付を合わせても、2009~2010年の格差は19%しか減少しておらず、それに比べて同時期のOECD平均は26%となっている。日本よりも低い再配分(税・給付制度)であった国は、チリ、韓国、アイスランド、スイスだけだった。(以下略)
なお、OECDの2014年12月のレポートでは「格差と成長」と題する特集を組み、「所得格差は経済成長を損なうか?」と見出しのもとに「蔓延している所得格差の拡大が社会・経済に及ぼす潜在的な悪影響が懸念されている。最新のOECD調査によると、所得格差拡大すると、経済成長は低下する。(略)格差問題に取り組めば、社会を公平化し、経済を強固にすることができる」と指摘しています。
こうした指摘について政治・経済の研究者の合田寛さんは「これまで平等化と効率化は相反するとされてきたこれまでの(経済)主流論を修正するもの」と注目しています(『前衛』11月号)。